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膀胱とは
膀胱は袋状の臓器で、腎臓から送られてくる成人では大体300~500mLの尿を一時的に溜めておくことができます。 内側は尿路上皮という粘膜で覆われており、外側の膀胱壁は筋層と脂肪層で構成されています。 膀胱壁は膀胱内に溜まっている尿の量によって伸縮し、それに応じて尿路上皮も伸縮しています。
また膀胱には、蓄尿機能と排尿機能の2つの機能があります。
膀胱がんとは
膀胱がんは、尿路上皮ががん化することによって引き起こされます。
そのうち大部分(90%以上)は尿路上皮がんという種類ですが、まれに扁平上皮がんや腺がんの場合もあります。
膀胱がんは
- 筋層非浸潤性がん(表在性がん、上皮内がん)
- 筋層浸潤性がん
- 転移性がん
に大別されます。
1)筋層非浸潤性がん
膀胱筋層には浸潤していないがんです。表在性がんと上皮内がんが含まれます。
表在性がんはカリフラワー状に表面がぼこぼこと隆起し、膀胱の内腔に向かって突出しており、乳頭状がんとも呼ばれます。
表在性がんの多くはそこまで危険ではなく浸潤しないがんですが、中には放置しておくと進行して浸潤がんや転移を来す危険性のあるハイリスク筋層非浸潤性がんと呼ばれるタイプのものもあります。
因みに、上皮内がんは、膀胱の内腔に突出せず、粘膜のみががん化した状態をいいます。(粘膜は上皮とも呼ばれ、上皮内のがんという意味で上皮内がんと呼ばれています。)
2)筋層浸潤性がん
膀胱の筋層に浸潤したがんです。このがんは膀胱壁を貫いて、壁外の組織へ浸潤したり、リンパ節や肺や骨に転移を来す危険性があります。
3)転移性がん
原発巣の膀胱がんが、他臓器に転移した状態をいいます。膀胱がんが転移しやすい臓器としては、リンパ節、肺、骨、肝臓などがあります。
膀胱がんの病期
膀胱がんの原因
詳しい原因は分かりませんが、危険因子としては以下のことが挙げられます。
- 喫煙
喫煙者は非喫煙者に比べて発症してしまう割合が2倍以上というデータが得られています。
- 慢性的な刺激
長期で膀胱結石を患っている場合、まれに発生します。 またエジプトでは、膀胱がんを発生させる要因としてビルハルツ住血吸虫症が強く関係しているとされています。
- 職業
特殊なものとして染料や化学物質を扱う職業性膀胱腫瘍があります。 芳香族アミン(アニリン、ナフチルアミン等)を扱う職業に従事している方に多く発生が見受けられ、このことは19世紀頃から指摘されていました。
- 薬物
シクロフォスファミド(抗がん剤)やフェナセチンを含有する鎮痛剤から膀胱がんが誘発されると言われています。
膀胱がんの症状
- 血尿
膀胱がんの初期症状として無性候性血尿が一番多くみられます。膀胱炎と異なり、殆どの場合は痛みが伴わないことが特徴です。 また、症状は断続的に起こります。血尿は、1〜2回続いてから自然消滅しますが、長い場合は1年以上繰り返されます。 血尿の原因は膀胱がんだけではありませんが、特に痛みが伴わない場合は注意が必要です。 また、がんが進行すると血尿の頻度は増すので注意が必要です。
- 排尿時の痛みや頻尿、排泄困難
がんの発生部位によっては、排尿時の痛みや頻尿等の症状が現れます。 特に、上皮内がんでは排尿時の痛みと頻尿が主症状になります。 排尿時の痛みや、頻尿、下腹部の痛み・違和感で発症する場合があります。この症状は膀胱炎と似ていますが、抗生剤を服用してもなかなか治らないことが特徴です。 そのような場合はぜひ泌尿器科専門医の診察を受けてください。
- 背中の鈍痛
膀胱がんが広がり尿管口を閉塞するようになると尿の流れが妨げられ、尿管や腎盂が拡張してくることがあります。 これを水腎症と呼んでいます。 水腎症になると背中の鈍痛(背部痛)を感じることがあります。
膀胱がんの検査
膀胱がんが疑われた場合、まず膀胱鏡検査と尿細胞診を行ないがんがあるかどうかまず診断します。
- 膀胱鏡検査(内視鏡検査)
- 尿細胞診検査
- 腹部超音波(エコー)検査
- CT/MRI検査
- 骨シンチグラフィ
- TURBT
膀胱がんの治療
1.外科療法
膀胱がんの治療においては、がんの悪性度、浸潤の深さ等で治療方法は異なりますが、殆どが外科療法となります。
大きく分けると、TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)と膀胱全摘除術の2つになります。
- TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)
- 膀胱全摘除術と尿路変向術
2.化学療法
膀胱がんにおける化学療法には、効果的なものとして全身抗がん剤治療と膀胱内注入療法の2つになります。
- 全身抗がん剤治療(現在はGC療法(ゲムシタビン+シスプラチン))
- 膀胱内注入療法
3.その他
膀胱がん治療法でに非常に重要なものとして膀胱内注入療法があります。
膀胱内注入療法は筋層非浸潤性がんに主に用いられます。膀胱内注入療法は、抗がん剤やBCG(ウシ型弱毒結核菌)を生理食塩水に溶解して、尿道から膀胱に挿入したカテーテルを経て膀胱内に注入し、一定の時間、排尿をせずに薬剤を膀胱内に投与する方法です。
- 抗がん剤注入療法:おとなしい筋層非浸潤性膀胱がんに利用
- BCG(ウシ型弱毒結核菌)注入療法:上皮内がん、ハイリスク筋層非浸潤性膀胱がんに利用
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当院の膀胱がん治療法
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今後膀胱がん治療を患者様のライフスタイルとご相談させて頂いた上で決定していきます。
治療を行う上で、患者様のペースと病院側のペースで双方納得のいくペースを摺合せ、効果を最大限発揮できるスケジュールを計画していきます。
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【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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