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下咽頭について
咽頭は、飲食物や空気が通る鼻の奥から食道までの部位であり、筋肉と粘膜で構成されているおよそ13cmの長さの管です。咽頭は上からそれぞれ、『上咽頭』、『中咽頭』、『下咽頭』の3つの部位に分かれています。
下咽頭は、咽頭の管の最も下の部分で、食道と中咽頭、気管とつながっている喉頭に隣接しています。
下咽頭は、空気や飲食物の通り道になります。 飲食物が通るときには、喉頭が上がることによって喉頭蓋(こうとうがい)が喉頭への通り道をふさぎます。
それによって飲食物が気管に流れないようにしつつ、食道へ送ることができます。
下咽頭がんとは
下咽頭にできたがんを下咽頭がんといい、下咽頭がんは頭頸部がんの1つです。
咽頭の周りには多くのリンパ節があるため、頸部(首)のリンパ節に転移しやすいという特徴があります。
がんの発見時に頸部リンパ節への転移が見つかることも珍しくありません。 また、下咽頭は喉頭に近いため、下咽頭がんが発見されたときには、喉頭までがんが広がっていることもあります。
下咽頭がんは、日本全国で1年でおよそ1,900人が診断されており、下咽頭がんと診断されるのは男性の割合が多く、女性の10倍近くに相当します。
下咽頭がんの原因
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- a)喫煙、飲酒
男性に多いとされる梨状陥凹がん、咽頭後壁がんはa)の要素が関係しています。
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- b)慢性の鉄欠乏性貧血
女性に多いとされる輪状後部がんはb)の要素が関係しています。
下咽頭がんの症状
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- a).頸部腫瘤咽
頭がんは、一般的に頸部リンパ節へ転移していくことが多く、初めて顕在化する症状として頸部腫瘤であることも少なくありません。
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- b).咽頭の違和感、喉の滲み
下咽頭がんにおいて、初期症状はほとんどないとされていますが、初期段階では、咽頭の違和感等の症状がみられます。
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- c)嚥下困難
がんが進行すると、咽頭部にはっきりとした違和感や症状がみられ、やがてc)のような症状があらわれます。
下咽頭がんの検査
触診、喉頭鏡検査や内視鏡検査で上咽頭を確認し、がんが疑われる場合は、組織を採取して詳しく調べます。
また、がんの大きさ、リンパ節や他臓器への転移などを確認するために、CT検査やMRI検査、超音波検査等を行います。
- 触診
- 喉頭鏡検査
- 間接喉頭鏡検査
- 内視鏡検査
- 生検
- CT検査
- MRI検査
- 超音波検査
- PET検査
- 腫瘍マーカー検査
下咽頭がんの治療
1.外科療法
下咽頭がんにおける外科療法は、がんとリンパ節の切除が中心です。
切除した部位の機能が損失してしまう場合は、移植手術によって体の別の組織を切除し、更にその部分を用いて再建する手術を行い、飲み込むこと等をできるだけ保つようにします。
下咽頭がんに対する手術
- 喉頭温存
- 下咽頭部分切除術
- 下咽頭・喉頭全摘術
- 下咽頭・喉頭・頸部食道全摘術
- 下咽頭・頸部食道切除術
頸部郭清術
救済手術 穿刺局所療法
2.内視鏡治療
下咽頭がんでは、上皮内がんが初期段階であれば、胃や大腸と同じように、内視鏡を用いて切除をすることもあります。ただし、下咽頭がんでは進行がんで発見されるケースが多いため、内視鏡手術が可能な場合は限られます。
3.放射線治療
下咽頭がんの治療において、外部照射を、大体6~7週間で30回程度行います。
また、下咽頭がんの治療では、放射線治療と薬物療法を併用する化学放射線療法を行うこともあります。
薬物を併用することで放射線治療の効果を高めることができます。 頸部リンパ節への転移がみられ、放射線治療での治療が困難なときは、頸部郭清術を先に行ってから放射線治療を行う場合もあります。
4.薬物療法
下咽頭がんの薬物療法には、『化学放射線療法』以外に、『導入化学療法』、『術後補助療法』、『再発や遠隔転移に対する薬物療法』があります。
- 化学放射線療法
放射線治療と併用して薬物療法(化学療法)を行う方法です。一般的にシスプラチンが用いられます。 薬物療法と放射線治療を併用することで治療効果を高められます(ただし飲み込みにくさ等の副作用あり)。また、シスプラチン以外では、カルボプラチンや分子標的薬のセツキシマブを放射線治療と併用することもあります。
- シスプラチン
- カルボプラチン
- セツキシマブ
- 導入化学療法
化学放射線療法を行うときに、その前に行う薬物療法です。導入化学療法においては、シスプラチンとフルオロウラシル(5-FU)を併用するPF療法、PF療法にドセタキセルを加えたTPF療法があります。
- シスプラチン+フルオロウラシル(5-FU)
- PF療法+ドセタキセル
- 術後補助療法
術後、がんが取り切れなかった場合や、再発の可 能性が高い場合に行う薬物療法を指します。術後補助療法では、一般的にシスプラチンが用いられています。
- シスプラチン
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当院の下咽頭がん治療法
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受付
受付にて問診票をお渡し致しますので、下咽頭がんに関して現状の不安点や症状などなるべく詳細にご記入ください。
ご不明な点はどのような事でもお声掛けください。
例
・喉がしみる、飲み込むときの喉への違和感
・咽頭痛、嚥下痛
・喉の腫れ
など
インフォームドコンセント
下咽頭がんに関する問診票を元に、インフォームドコンセントを行います。その際に適切な治療方法や、費用など詳しくご説明させて頂きます。
ご納得出来るまで些細な事でもご相談ください。
また当院だけでは不安な場合、他院へセンカンドオピニオンをご検討頂く事も可能です。
同意書の記入
下咽頭がんの治療方法や費用面などご納得頂けましたら、同意書を記入して頂きます。
今後の上咽頭がん治療計画について
当院では入院ではなく、通院で下咽頭がん治療を行います。
その為、仕事を諦める事なく治療に専念して頂く事が可能です。
患者様のライフスタイルになるべく沿えるように下咽頭がんの治療計画を立案して参ります。
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【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
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