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喉頭とは
喉頭とは、咽頭と気管の狭間で、舌骨より下に位置し、気管より上に位置している頸部中央に一つ存在する器官のことを指します。
体の表面でいえば、喉仏として触れることができ、嚥下する際に時には上前方に動きます。喉頭には、嚥下時の誤嚥の防止や発声等の機能を司っています。
喉頭は、呼吸をする際に空気が出入りする管と考えられ、その下方が気管となり、肺に繋がっています。更に喉頭と気管の後方には食道があり、咽頭と胃を繋いでいます。
頸部を外からみると、男性では喉仏が目立っており、この部分は喉頭を形成する軟骨のうち、いちばん大きな甲状軟骨の前上端部にあたり、更に少し下方の内側に声帯が位置しております。
声帯は喉頭という管の左右の壁から突出した一対のヒダ状の構造で、呼吸をする際に左右に開いて空気を通し、声を出すときには中央に寄ってきます。
左右の声帯が近づき、管の内腔を閉じると、下方の肺から空気が吐き出され、左右声帯の間を空気がすり抜けていくことになり、声帯は振動し始めます。
この振動で空気の流れが断続されて音、つまり声が出るのです。従って、喉頭は一種の管楽器と考えることができ、声帯振動といっても弦楽器の振動とは性質が違っているのです。
このように喉頭は声を出すために必要な器官ですが、もともと喉頭は飲食物が気管の方に迷入することを防ぐ器官として進化してきたものです。 つまり、喉頭は
- 呼吸をするための通路
- その通路に異物が入らないように保護or誤って入ったものを咳で吐き出す
- 声を出す際に声帯を閉じて振動を起こす
- 力を入れるときに息を堪える
の4つの主要な機能を持っているといえるのです。
喉頭がんとは
喉頭にできるがんを喉頭がんといい、喉頭がんは頭頸部がんの1つです。がんができる場所によって、「声門がん」「声門上部がん」「声門下部がん」の3つに分けられています。この中で最も多いのは声門がんで、喉頭がんの半数以上を占めます。
声門がんは進行するまで転移しないことが知られています。声門上部がんと声門下部がんは周辺のリンパ液の流れが豊富なためリンパ節に転移しやすいという特徴があります。
喉頭がんとは 喉頭がんは、がんができる場所によって最初にあらわれる症状が異なります。
- 声門がん
声を出すために必要な声帯にがんができるため、早い時期から声の異常である嗄声(させい:声がれ)という症状があらわれます。 嗄声には、低いがらがら声、雑音が入ったざらざらした声、かたい声、息がもれるような声などがあります。 がんが進行すると、嗄声もひどくなり、声門が狭くなると息苦しくなります。また、痰(たん)に血液が混じることもあります。早い時期から症状が出るため、早く発見されやすいがんです。
- 声門上部がん
のどに、いがらっぽさ、異物感や飲食物を飲み込んだときの痛みがあらわれます。 がんが声帯にまで広がると嗄声が起こり、さらに進行すると息苦しくなります。はじめのうちは、のどの違和感など風邪のような症状であり気付くことが遅れるため、発見が遅くなりがちです。
- 声門下部がん
がんが進行するまで症状がないことが多く、進行すると嗄声や息苦しさといった症状があらわれます。 進行するまで受診しないことが多いため、発見が遅くなりがちです。
喉頭がんの原因
喉頭がんについて、明確な原因は分かりませんが、主な危険因子として、たばことお酒が挙げられます。
これらを継続的に摂取することで、喉頭は常に刺激され、喉頭がんの発症リスクが高まります。
近年では、男性だけでなく女性の喫煙者が増えていることから女性の喉頭がんのリスクも高まっています。
喉頭がんの症状
喉頭がんについて、それぞれの部位ごとに簡単に概要を記載します。
声門がんは、早期の段階で症状が現れるため、早く発見されやすいがんです。
声門上部がんは、初期症状が風邪と区別が付かない為、早期発見が困難です。
声門下部がんは、がんが進行するまで、症状が現れない為、早期発見が困難です。
- 嗄声
発声に要する声帯にがんができるため、声の異常である嗄声(声がれ)という症状が早い段階で現れます。 嗄声には、低くがらがらした声やノイズが入ったざらついた声、かたい声、息が漏れるような声等があります。声門上部がんの初期症状から悪化して現れる事もあります。声門下部がんにも見られますが、ある程度進行した状態といえます。
- 息苦しさ
がんが進行すると、声門が狭くなり息苦しさが生じます。場合によっては、呼吸困難に陥ります。ある程度、喉頭がんが進行している際にみられる症状です。
- 血痰
声門がんが悪化したら、痰・血痰が生じます。
喉頭がんの検査
喉頭がんを調べるには、喉頭鏡検査や内視鏡検査で喉頭を観察し、喉頭がんが疑われる場合は、組織を採取して詳しく調べます。
- 喉頭鏡検査
- 内視鏡検査/喉頭ファイバースコープ検査
- 内視鏡検査
- 生検
- CT検査
- MRI検査
- 超音波検査
- 腫瘍マーカー検査
喉頭がんの治療
- 1.外科療法
手術には、喉頭を部分的に残す「喉頭温存手術」と、喉頭をすべて取り除く「喉頭全摘出術」があります。
声を出す機能を残すため、できる限り喉頭温存手術を行いますが、がんがとりきれないほど進行しているときには喉頭全摘出術を行います。
- 喉頭温存手術
- 喉頭全摘出術
- 頸部郭清術
- 2.化学療法
喉頭がんにおける薬物療法は、II期以降で行う化学放射線療法、そして主にIV期で行う導入化学療法、再発や遠隔転移に対する薬物療法があります。
a)導入化学療法
- PF療法:シスプラチン+フルオロウラシル(5-FU)
- TPF療法:PF療法+ドセタキセル
b)再発や遠隔転移に対する薬物療法
1.分子標的薬
- セツキシマブ
- セツキシマブ+シスプラチンorフルオロウラシル(5-FU)
2.免疫チェックポイント阻害薬
- ニボルマブ(2018年6月の段階ですが、承認されて間もない薬の為、副作用について特に慎重に検討されています。)
当院でよく頂くご相談内容
当院をご利用されている患者様
以下に一般的な光免疫療法の解説をしております。
当院の光免疫療法の解説は、こちらからご確認いただけます。
当院の喉頭がん治療法
当院へのご相談の流れ
ご予約
喉頭がん、咽頭がんは初期症状が出やすいがんに分類されるため、少しでも違和感を感じられましたら、まずはご相談ください。
お急ぎの場合、お電話でご予約頂く事でよりスムーズにご予約頂けます。
ご来院
ご来店時にお近くの係員にお気軽にお声かけください。
当院へのアクセスが分からない場合もお気軽にご相談ください。
受付
受付ではまず問診票をお渡ししますので、喉頭がんと咽頭がんが疑われる症状を詳細にご記入ください。また、現在喉頭がん、咽頭がんの方は現在までの治療状況や症状をご記入ください。
インフォームドコンセント
ご記入頂いた問診票を元に、適切な治療方法をご紹介致します。
また費用面に関しましても詳しくお伝えさせて頂きますので、ご不明な点などございましたら、お気軽にご相談ください。
同意書の記入
喉頭がんの治療方法や費用に関してご納得頂けましたら、最後に同意書の記入を行って頂きます。
今後の前立腺がん治療計画について
今後喉頭がん治療を患者様のライフスタイルとご相談させて頂いた上で決定していきます。
治療を行う上で、患者様のペースと病院側のペースで双方納得のいくペースを摺合せ、効果を最大限発揮できるスケジュールを計画していきます。
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【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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