目次
乳房とは
乳房の皮膚下か、母乳を分泌する乳腺組織と、その周りを埋める脂肪組構成されており、大胸筋で支えられています。乳腺組織は、15~20の『腺葉』に分かれていて、腺葉は多数の『小葉』に分枝し、ここで母乳が作られます。小葉からは、『乳管』という母乳を乳頭に運ぶための細い道が続いており、これらが徐々に合流して、やがて1本の乳管となって乳頭につながります。
乳がんとは
乳がんとは、乳腺に生じる悪性腫瘍を指します。がん細胞が乳管や小葉内に生じている状態を『非浸潤がん』、一方、がん細胞が増殖して、乳管や小葉の外にひろがった状態を『浸潤がん』と呼んでいます。乳がんの殆どが乳管の上皮細胞にできる乳管がんです。一方で、稀にみられるのが小葉にできる小葉がんです。乳管がん、小葉がんは、乳がん組織を顕微鏡で検査すると区別できます。
他に管状がんや腺様囊胞がん、粘液がんといった珍しい種類の乳がんもありますが、あまり多くみらません。乳房の中でも乳房の上部の腋側にできるがんが全体の約4~5割を占めるとされています。(腋の下も含まれます。)乳がんの発生源は1ヶ所に留まらず、2ヶ所以上になることもあります。殆どの場合、早期がん(=非浸潤がん)は治るといわれていますが、早期の乳がんでは自覚症状があまり感じられません。時間が経つにつれてがん細胞が増殖し、やがて浸潤がんとなり、気が付いたときには血管やリンパ管へと広がっているケースが見受けられます。
乳がんと診断された場合には、リンパ節や脳・骨・肺等、遠方の臓器にがん細胞が移り、新しいがんを発生する遠隔転移をしていることもあります。遠隔転移をしたがんは他の臓器で生じても乳がんの特徴を持ち、その臓器にもともと生じるがんとは性質が異なります。乳がんの種類や性質で、広がりやすさや転移しやすさは大きく異なります。
乳がんの病期
乳がんの原因
乳がんの原因は、1つだけではなく、複数の因子が作用しているといえます。特に最大の因子は、女性ホルモンのエストロゲンで、「体内のエストロゲンが多いこと」「内にエストロゲンを加える経口避妊薬の使用」「閉経後のホルモン補充療法」等の要素は乳がんの発生の危険度を高めます。 また乳がん発症に関連している深い要因を挙げると、
- 血縁歴身内や近い血縁に乳がんになった方がいる。
- 生活歴食生活等の欧米化(例:動物性脂肪摂取の量)等が考えられます。
- 身体女性の身体のこと(初経年齢が低い、閉経年齢が遅い等)が挙げられます。また肥満女性に多く、脂肪が標準体型の2~4割も多い場合には、乳がんのリスクが高くなり、更に悪性度も高く再発しやすいといわれています。
- 妊娠歴子供がいないことや初産が35歳以降等が考えられます。
乳がんの症状
早期において自覚症状は乏しく、判断が困難ではありますが、病期の進行とともに症状が現れます。がんの主な症状を以下に挙げます。
- 乳房のしこり乳腺のしこりは、乳腺症など他の病気でも見られます。しこりの約9割は良性とされますが、乳がんにおけるしこりは基本的に硬く、あまり動かないのが特徴です。ただし、まわりの組織を巻き込んでいる場合が多いので、全体的にしこりが柔らかく感じることもあります。また、痛みを感じない場合が多いのですが、痛みから乳がんを発見できたケースもあります。
- 乳房の皮膚等の変化乳頭や乳輪に湿疹が出てきたり、乳頭から血性分泌液が出たりといった症状が現れた場合です。がんが進行するにつれて、乳房に軽くへこみを生じることもあります。皮膚の赤みや腫れ、熱っぽく感じるといった症状にも最新の注意が必要です
- 乳房周辺のリンパ節の腫れ乳がんが腋下のリンパ節に転移すると、腋下の腫れやしこり、そしてしこりからの神経の圧迫から痺れ等を生じることもあります。
- 遠隔転移の症状転移した臓器によって症状は様々ですが、症状が全く現れないこともあります。また遠隔転移による腰痛等も挙げられます。
乳がんの検査
乳がんについて、代表的な検査は以下の通りです。
- マンモグラフィ検査
- 乳腺のCT/MRI検査 (カラードップラー検査も併用される)
- 超音波(エコー)検査
- 分泌液細胞診
- 穿刺吸引細胞診
乳がんの治療
乳がんの治療は、切除手術が基本です。主な治療法をまとめました。
外科療法
手術は、乳房を残す「乳房部分切除術」と乳房を全部切除する「乳房切除術」の2つがあります。
- 乳房部分切除術
- 乳房切除術
化学療法
どの薬剤を使うかは「サブタイプ分類」により、がん細胞の特性に合わせた薬物療法が選ばれます。
- サブタイプ分類 選択される薬物療法
- ルミナルA型 内分泌(ホルモン)療法
- ルミナルB型 (HER2陰性) 内分泌(ホルモン)療法
- ルミナルB型 (HER2陽性) 内分泌(ホルモン)療法
- 分子標的治療
- HER2型
- 分子標的治療
- トリプルネガティブ
サブタイプ分類 | 選択される薬物療法 |
ルミナルA型 | 内分泌(ホルモン)療法、(化学療法) |
ルミナルB型 (HER2陰性) |
内分泌(ホルモン)療法、化学療法 |
ルミナルB型 (HER2陽性) |
内分泌(ホルモン)療法、分子標的治療、化学療法 |
HER2型 | 分子標的治療、化学療法 |
トリプルネガティブ | 化学療法 |
以下に一般的な光免疫療法の解説をしております。
当院の光免疫療法の解説は、こちらからご確認いただけます。
当院の乳がん治療法
当院へのご相談の流れ
ご予約
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ご来院
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またご来院の道中でアクセスが分からない場合もお気軽にご相談ください。
受付
初診の際は問診票をお渡し致しますので、乳がんに関する症状や心配ごと等どのような些細な事でもご記載ください。
インフォームドコンセント
乳がんに関する問診票を元にインフォームドコンセントを行います。
現在の乳がんに関する疑問や不安などどのような些細な事でもお聞かせください。それを元に適切な治療方法や、費用面もご説明を怒います。また当院の診察のみで不安な場合は「セカンドオピニオン」もご検討頂けますので、お気軽にご相談ください。
同意書の記入
乳がんの治療方法や費用面などご納得頂けましたら、同意書を記入して頂きます。
今後の乳がん治療計画について
当院では入院ではなく、通院で乳がん治療を行います。
その為、仕事を諦める事なく治療に専念して頂く事が可能です。
患者様のライフスタイルになるべく沿えるように乳がんの治療計画を立案して参ります。
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【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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