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卵巣とは
卵巣とは、子宮の両側に位置する親指サイズの臓器で、豆状の形をしています。卵巣には、卵子の根源である原始卵胞という細胞を数百万という数をもって生まれてきます。原始卵胞は、思春期に成熟し、卵巣で育った卵子が月に1つずつ卵巣外に排出されます。また、卵巣には、卵子を育てる役割以外に、妊娠に備えて子宮をコントロールする2つの女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を卵胞から分泌する役割を有しています。卵巣は、腹部の奥にあり、病気になったときの自覚症状が現われにくいことから『沈黙の臓器』と呼ばれています。
卵巣がんとは
卵巣がんは、子宮の両側に位置する卵巣に発生するがんです。卵巣に生じる腫瘍には、良性と悪性の卵巣がん以外に、良性と悪性(卵巣がん)の中間の悪性度である境界悪性腫瘍というものがあります。しかも、およそ8割の卵巣がんは良性とされています。それ故に、卵巣に腫瘍ができても、必ずしも卵巣がんとは限りません。一般的に、卵巣の分類は発生する場所によって大きく分けられており、『表層上皮性・間質性』、『性索間質性』、『胚細胞性』、『その他』となっております。
最も多いのは、卵巣の表層を覆う細胞に由来する『表層上皮性・間質性』腫瘍で、この上皮性のがんは卵巣がん全体の9割を占めています。また、卵巣に生じる悪性腫瘍を年代別で見てみると、若い世代(10-20才代)では『卵巣胚細胞腫瘍』、中高年女性(40-60才代)では『上皮性卵巣がん』が中心に発生しています。卵巣がんの罹患率は、40歳代から増加し、50~60歳代にピークとなり、卵巣がんの死亡率は、50歳以降増加して高齢になるほど高くなります。
前者の頻度はかなり低く、弱年発症という性格から子宮温存を求められるなど、後者とは治療体系が完全に異なる疾患であるといえます。(このページ内では、卵巣がんの大多数を占める『上皮性卵巣がん』に焦点を当てて記載します。) 『上皮性卵巣がん』について卵巣がんは、主に『漿液性腺がん』、『粘液性腺がん』、『類内膜腺がん』、『明細胞腺がん』に分けられ、各々が別の性質を有しています。また漿液性腺がんの中には、卵巣発生かどうか判断出来ないが、お腹全体に広がるタイプの腹膜がんと呼ばれているものも含まれます。
a)漿液性腺がん(Serous adenocarcinoma)
漿液性腺がんは、進行速度が早く、腹水や腹部の膨満感等の症状が短期間で明確に現れるため、診断が比較的容易です。また漿液性腺がんは、細胞の分化度によって、『ハイグレード』と『ローグレード』に分類されます。ハイグレードの漿液性がんは、卵巣がんの中で最も発生頻度の高い組織型である事で知られており、その半数程度が卵子を受け取る卵管采とから発生すると考えられています。漿液性腺がんは、化学療法に対する感受性が高く、抗がん剤治療が大きく期待されています。
b)明細胞腺がん(Clear cell adenocarcinoma)
明細胞腺がんは、子宮内膜症がゆっくりとがん化することにより発生します。明細胞腺がんは、ステージⅠの早期段階で診断されることが多いですが、悪性度が高いタがんであるため、外科療法と化学療法を組み合わせた治療が必要ですが、漿液性腺がんとは異なり抗がん剤の効果があまり見込めないので、治療法としては手術で完全にがんを摘出できるかがポイントになります。明細胞腺がんは、後腹膜や尿管などの周辺臓器と高度に癒着していることがあります。
c)類内膜腺がん(Endometrioid adenocarcinoma)
類内膜腺がんは、明細胞腺がんと同じく、子宮内膜症と関係しているがんです。類内膜腺がんは、大体がローグレードで、進行は緩やかで予後も比較的に良好なケースが多いとされています。また比較的抗がん剤が効きやすいとされています。
d)粘液性腺がん(Mucinous adenocarcinoma)
粘液性腺がんは、腸型粘液性境界悪性腫瘍という良性腫瘍と悪性腫瘍の中間的な組織像を示す卵巣腫瘍と併存していることが多いタイプの卵巣がんです。良性粘液性腫瘍を母地として発生すると考えられています。粘液性腺がんは、進行例が少なく、自覚症状としても肥満と誤解して、腫瘍がかなり大きくなるまで放置してしまう患者さんが少なくないとされています。
卵巣がんの原因
卵巣がんが発症する原因は、遺伝性乳がん卵巣がん症候群等一部の遺伝性のものを除くと、明確な要因は不明です。
- 遺伝的要因BRCA1遺伝子又はBRCA2遺伝子変異が卵巣がん発症の危険性を高めるとされています。
- 身体的要因 「加齢」「子どもがいない」「高齢での第1子出産」「初潮が早かった」「閉経が遅い」等
卵巣がんの症状
卵巣がんは、最初の段階では自覚症状がほとんどありません。卵巣が腫れている状態でも、かなり大きくなるまで無症状のことが多く、進行して発見されることが多いです。
卵巣がんの検査
卵巣がんは、画像検査や診察では良性の卵巣腫瘍との判別が困難な為、病理検査によって診断を確定します。
- 内診/直腸診
- 細胞診/組織診
- 超音波検査
- CT/MRI検査
- 腫瘍マーカー検査
卵巣がんの治療
1.外科療法
卵巣がんの外科療法では、腫瘍が除去しきれたかどうかが予後に影響し、残存する腫瘍のサイズが小さいほど予後はよくなります。初回の手術では、できる限りがんを摘出することが原則とされています。
2.薬物療法
卵巣がんは、進行した状態での発見が多いため、ほとんどの場合、術後に化学療法を行うことです。早期発見の場合でも、がんの種類によっては再発の危険が高可能性があるため、術後に化学療法を行うことがあります。
- 化学療法:TC療法(パクリタキセル+カルボプラチン)
- 分子標的治療:ベバシズマブ
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受付
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インフォームドコンセント
卵巣がんに関する問診票を元に、インフォームドコンセントを行います。どのような事でも疑問点はご質問ください。
問診票などを元に適切な治療方法や費用面を詳しくご説明させて頂きます。他院へのセカンドピニオンも可能です。
同意書の記入
卵巣がんの治療方法や費用面などご納得頂けましたら、同意書を記入して頂きます。
今後の甲状腺がん治療計画について
当院では入院ではなく、通院で卵巣がん治療を行います。
その為、仕事を諦める事なく治療に専念して頂く事が可能です。
患者様のライフスタイルになるべく沿えるように卵巣がんの治療計画を立案して参ります。
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【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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