目次
子宮とは
子宮は、女性の下腹部にあり、骨盤に覆われています。子宮の上部は左右の卵管に、下部にある子宮口は腟へ繋がっています。また、子宮の外側は子宮筋層で構成されていて、その内側は、子宮内膜で覆われています。因みに、この子宮内膜は月経周期に伴い、増殖と剥離が繰り返し行われ、剥離すると月経血として腟から排出されます。妊娠時には、受精卵を育む受け皿として機能します。更に子宮は大別すると、膣に繋がる子宮頸部、赤ちゃんができると出産までとどまる子宮体部に分けられます。
子宮がん・子宮頚がんとは
子宮がんは子宮に生じる悪性腫瘍を指します。子宮がんには大きく分けて2種類あります。子宮の入り口である子宮頚部に生じる子宮頚がんと、子宮の奥の子宮体部にできる子宮体がんです。また子宮体がんは、子宮内膜から発生するので、子宮内膜がんとも呼ばれます。子宮がんは、がんが発生する場所によって、原因も発祥のメカニズムも大きく異なるがんです。
子宮がん・子宮頸がんの病期
子宮がん・子宮頸がんの原因
子宮頸がん
- ヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)の感染は性行為によって発生し、それ以外の感染は極めて稀とされます。子宮頸がんは扁平上皮がんと腺がんの2種類に分類されますが、HPVは扁平上皮がんではほぼ100%、腺がんからは90%以上検出され、全体的に子宮頸がんはHPV感染が原因であることが明らかになっています。特に、ヒトパピローマウイルスの16型、19型は子宮頸がんに大きく関与していることが判明しているそうです。 また、ヒトパピローマウイルスには100種類以上の型があり、一般にハイリスク型(16,33,52,58型など)とローリスク型(6,11型など)に分けられます。個々の症例における型決定は、子宮頚部細胞の採取(PCR法)等により可能です。もちろんハイリスク型がより病変の進行を誘発しますが、異形成でハイリスク型のウイルスが検出された場合でも、がん化する確率は(諸説はありますが)20%程度ではないかと見られており、それほど高いものではないと考えられます。
- 性干渉性行為の経験がない女性が、扁平上皮がんにかかったという前例は無いそうです。(ほぼ稀ですが、腺がんにかかることはあります。)
子宮体がん
子宮体がんには、ホルモンが関係する『タイプ1』とホルモンが関係しない『タイプ2』があります。
- タイプ1エストロゲンを原因として発生する子宮体がんを『タイプ1』と呼び、全子宮体がんのうちのおよそ8割以上を占めています。(日本産婦人科学会婦人科腫瘍委員会報告 2014年度患者年報)エストロゲンとは女性の体に長期的に分泌される女性ホルモンを指し、このエストロゲンの分泌が異常に多い場合又は初経が早く閉経が遅いなどエストロゲンの分泌期間が長い場合、子宮体がんになりやすいと考えられています。エストロゲンが関係していると考えられる原因には、出産経験がないことや閉経が遅いこと、肥満等が挙げられます。
- タイプ2漿液性がんや明細胞がんなど、エストロゲンが原因でないがんを『タイプ2』と呼び、65歳以上の高齢者に多く発症します。タイプ2は、全子宮体がんのおよそ10%を占め、予後はあまりよくありません。エストロゲンとは関係ない原因には、糖尿病、血縁者に大腸がんになった人がいること、遺伝性腫瘍の1つであるリンチ症候群があります。 c)PTEN遺伝子の異常10番染色体に存在するがん抑制遺伝子であるPTEN遺伝子のエラーが、子宮体がんで3~5割、子宮内膜増殖症の2割に認められており、関与していると考えられている。
子宮がん・子宮頸がんの症状
子宮頸がん
- 性器からの出血 前がん病変や初期症状では特に見受けられませんが、接触出血(性交時の出血)が生じます。 がんの浸潤が増えると、出血頻度が増えます。
- 排泄障害 がんの進行により、膀胱等の周囲臓器に浸潤してしまうと、頻尿や排尿障害、排便障害が起こります。 c)痛み がんの進行により、膀胱等の周囲臓器に浸潤してしまうと、下腹部痛や腰痛、下肢痛が生じます。
子宮体がん
- 性器からの不正出血 子宮体がんの中で、最も多い自覚症状は出血で、月経ではない期間や閉経後に出血がある場合は要注意です。
子宮がん・子宮頸がんの検査
子宮頸がん
子宮頸がんの検査では、初めに細胞診を行います。結果によっては、ハイリスクHPV検査を行うこともあります。更に精密検査として、コルポスコープの組織診、さらに円錐(えんすい)切除術による組織診を行います。
- 細胞診
- コルポスコープ診
- 組織診
- 超音波検査
- CT/MRI検査
- PET検査
- 腫瘍マーカー検査
子宮体がん
子宮体がんだと疑われる場合は、子宮内膜の細胞の病理検査・病理診断や、内診・直腸診を行ってがんがあるかどうかを確認します。
- 細胞診/組織診
- 内診/直腸診
- 超音波検査
- CT/MRI検査
- PET検査
- 腫瘍マーカー検査
子宮がん・子宮頸がんの治療
子宮頸がん
外科療法
前がん病変の高度異形成や上皮内がんと、I~II期の子宮頸がんには外科療法が手術有効です。がんの広がり方により子宮頸部又は子宮全部を切除します。
- 円錐切除術
- 単純子宮全摘出術
- 準広汎子宮全摘出術
- 広汎子宮全摘出術
- 広汎子宮頸部摘出術
化学療法
子宮頸がんにおける薬物療法は、遠隔転移のある進行がん若しくは再発した場合に行われます。
- 細胞障害性抗がん薬
- 分子標的薬
子宮体がん
外科療法
子宮体がんの第一選択の治療法は外科療法です。外科療法によりがんを取り除き、そしてがんの広がりを正確に診断し、放射線治療や薬物療法等の治療を加える必要があるかどうかを判断します。手術方法は、基本的に開腹手術で、切除する範囲によって異なります。.
- 単純子宮全摘出術
- 準広汎子宮全摘出術
- 広汎子宮全摘出術
化学療法
子宮体がんでは、再発のリスクを減らすことを目的として、手術後に点滴や飲み薬による薬物療法を行うことがあります。 また、外科療法でのがんが切除できない場合や、切除しきれない場合、がんが再発した場合にも薬物療法を行います。
- 細胞障害性抗がん薬
- 内分泌療法薬
以下に一般的な光免疫療法の解説をしております。
当院の光免疫療法の解説は、こちらからご確認いただけます。
当院の子宮がん・子宮頚がん治療法
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受付
初診の際は受付にて問診票をお渡し致します。
現在お持ちの子宮がん・子宮頸がんに関する悩みや症状などをなるべく詳細に記載してください。
どのような些細なことでも大丈夫です。
インフォームドコンセント
子宮がん・子宮頚がんに関する問診票を元に、インフォームドコンセントを行います。
当院の治療内容などに疑問をお持ちの際は、セカンドオピニオンをご検討頂くことも可能です。
同意書の記入
子宮がん・子宮頚がんの治療方法や費用面などご納得頂けましたら、同意書を記入して頂きます。
今後の子宮がん・子宮頸がん治療計画について
当院では入院ではなく、通院で子宮がん・子宮頚がん治療を行います。
その為、仕事を諦める事なく治療に専念して頂く事が可能です。
患者様のライフスタイルになるべく沿えるように子宮がん・子宮頚がんの治療計画を立案して参ります。
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【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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