胆管がんとは
胆管がんは、胆汁を運ぶ管である胆管の内皮細胞から発生する悪性腫瘍です。
このがんは初期症状が少なく、多くの場合、進行している状態で発見されます。
初期には黄疸や腹痛、体重減少などの症状が見られることがありますが、これらは他の疾患と誤認されることも少なくありません。
胆管がんの進行
胆管がんが進行すると、胆汁の流れが阻害され、肝機能障害を引き起こすことがあります。
また、がん細胞は周囲の組織やリンパ節、さらには他の臓器へと広がることがあります。
これにより、治療が困難な状態に陥ることがあり、「手遅れ」と診断される原因となります。
治療法の限界
胆管がんの治療法には、外科手術、化学療法、放射線療法などがありますが、進行がんの場合、これらの治療法だけでは限界があります。
外科手術では、がんが広がりすぎて完全に切除することができない場合が多く、化学療法や放射線療法もがんの進行を遅らせることはできても、根治には至りません。
- 外科手術は、がんが小さく、周囲の組織に広がっていない場合に有効です。
- 化学療法は、がん細胞の成長を抑える薬剤を使用しますが、副作用も大きいです。
- 放射線療法は、がん細胞を破壊するために高エネルギー放射線を使用しますが、正常細胞にもダメージを与える可能性があります。
光免疫療法とは
光免疫療法は、特定の波長の光を用いて腫瘍を選択的に破壊する治療法です。
この治療法では、まず腫瘍細胞に蓄積する感光性薬剤を患者様に投与します。
その後、腫瘍に光を照射することで、薬剤が活性化し、活性酸素を生成します。
これにより、腫瘍細胞を破壊することができるため、進行した胆管がん患者様にとって治療の選択肢となり得ます。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
光免疫療法の特徴
光免疫療法は、他の治療法と比較して、腫瘍に対する選択性が高いという特徴があります。
また、周囲の正常組織へのダメージが少ないため、副作用を軽減することが可能です。
さらに、一度破壊された腫瘍細胞は免疫系によって認識されやすくなり、再発防止にも寄与すると考えられています。
胆管がんの診断
胆管がんの診断には、血液検査、超音波検査、CTスキャン、MRI、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)などが用いられます。
これらの検査により、がんの位置、大きさ、及び周囲への広がりを評価することができます。
しかし、これらの検査もすべての胆管がんを早期に発見できるわけではなく、診断が遅れる要因となっています。
胆管がんの予後
胆管がんの予後は、発見の時期やがんの進行度に大きく依存します。
早期発見された場合の5年生存率は比較的高いですが、進行がんの場合は著しく低下します。
特に、手遅れと言われる段階になると、治療の選択肢が限られ、予後も不良となることが多いです。
サポートとケア
進行した胆管がん患者様にとって、医療的な治療だけでなく、心理的なサポートや緩和ケアも重要です。
痛みや不安の管理、栄養状態の維持、生活の質の向上を目指したケアが求められます。
患者様とその家族に対する包括的なサポートが、治療の一環として非常に重要です。
まとめ
胆管がんは、その発見が遅れがちであり、進行がんの場合には「手遅れ」と診断されることもあります。
治療法には限界があり、特に進行がんに対しては、治療法の開発が望まれています。
光免疫療法は、進行した胆管がん患者様にとって治療の選択肢として期待されており、その特異性と副作用の少なさから、今後の発展が期待されています。
しかし、どの治療法も患者様一人ひとりの状態に合わせて選択されるべきであり、治療決定にあたっては医療チームとの十分な相談が必要です。
患者様の生活の質を最優先に考えた治療計画が、胆管がんと向き合う上で重要な要素となります。

【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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