70代の女性における乳がんの生存率と治療の選択肢

女性が最も多く患う乳がん

乳がんは、女性が最も多く患うがん腫であり、現代では9人に1人の女性が一生の間に乳がんに罹るといわれています。
乳がんが死因となって無くなる人は年間1万5千人以上であり、罹患者数・死亡者数共に年々増加しています。
診断のきっかけとなるのは、しこり(乳房腫瘤)が主であり、その他には乳頭・乳輪の湿疹やただれ、皮膚のくぼみ・潰瘍、分泌物の異常などが挙げられます。
基本的に乳がんのしこりに痛みは伴わないため、検診で発見されることも多いです。

70代の乳がんの罹患率について

乳がんの罹患率は、30歳台後半から増加し始め、40歳台後半から60歳台後半がピークとなります。
70代から徐々に下がってきますが、30代以下まで罹患率が下がることはありません。
2020年の全国がん罹患データの発表では、いずれも人口10万人当たり70~74歳で242.7人、75~79歳で232.4人となっています。
そのため、70代全体で考えると1000人中約5人が罹患するという割合となります。

ステージと年齢による生存率

乳がんのステージは、しこりの大きさ、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無によって、ステージ0期~Ⅳ期に分類されます。
生存率はステージと共に変動するため、初期段階で発見・治療を行うことが重要となります。
国立がん研究センターによる発表では、2013-14年の女性乳がん5年相対生存率は、以下の通りとなります。
・全体:92.2%
・ステージ0:100%
・ステージⅠ:99.8%
・ステージⅡ:95.5%
・ステージⅢ:80.75%
・ステージⅣ:38.7%

以上のことから、乳がんはステージⅣまで進行する前に治療を行えば、生存率が高いがんのタイプであることが分かります。
また、年齢別の生存率を発表している正確なデータがありませんが、年齢による生存率は大きく変わらないと考えられます。

70代の乳がんによる死亡率

死亡率においては、人口動態統計がん死亡データによって、がんの部位ごとに分けた年齢階級別死亡率が発表されています。
2022年の女性乳がんの死亡率は、いずれも人口10万人当たり70~74歳で46.9人、75~79歳で47人となっています。
これは、70代の女性のうち約1000人に1人が乳がんが原因で無くなっていることを表しています。
死亡率は40代から上がり始め、年代ごとに上昇して85歳以上がピークとなります。
そのため、高齢になればなるほど乳がんが原因で死亡しやすくなるといえます。

高齢者の乳がんの特徴

65歳以上の高齢者の乳がんは、罹患率が高くなりますが、がんの進行速度やタイプ、予後などが若年者と異なります。
高齢者の乳がんは、一般的にホルモン受容体陽性が多く、進行速度は若年者より遅いことが多いです。
そのため、ホルモン療法が有効な治療法となる場合が多く、予後も比較的良好となります。
しかし、70代になると体力の衰弱や副作用の耐性の低さが問題となるため、それらも考慮した上で治療法を選択する必要があります。

70代の乳がんの治療法

70代の乳がんの主な治療法は、手術、放射線療法、ホルモン療法、化学療法などが挙げられます。
手術においては、術後の回復能力などを考慮する必要があります。
また、若年者と比較して乳房切除術後は合併症のリスクが高くなるので、手術の適用は慎重に判断されます。
放射線療法は、乳房温存術後に再発予防のために行いますが、体への負担を考えて省略されることもあります。
高齢者には、ホルモン受容体陽性の乳がんが多いため、ホルモン療法は多く使用されます。
リスクを考慮して、化学療法や手術より優先して使用されることもあります。
化学療法は、70代の乳がんに対しても有効な治療法ですが、副作用が重篤化しやすいため、投与するスケジュールの調整などを行うことがあります。

光免疫療法と乳がん

70代乳がん治療の選択肢として光免疫療法も候補として挙げられます。
光免疫療法は、特定の波長の光を用いてがん細胞を選択的に攻撃する治療法です。
この治療法は、健康な細胞へのダメージを抑えつつ、がん細胞を選択的に攻撃することが可能です。
その為、副作用が少ない点が利点の一つに挙げられます。
体力の衰えた70代の患者様にも適用できる可能性があるため、乳がん治療にお困りの70代の方はご検討ください。
光免疫療法が適用できるかどうかは、がんの種類や進行状況、患者様の体調などによります。
以下より当該治療に関する詳細をご確認頂けます。

まとめ

70代の女性における乳がんは、他の年代と同様にがんのステージによって生存率が大きく変動すると考えられる。
また、乳がんによる死亡率は、年代が上がるのと比例して上昇するため、70代の乳がんはより早期に治療を行う必要がある。
高齢者の乳がん治療は、治療成績だけでなく、患者様の体力や副作用への耐性も考慮して選択する必要がある。
光免疫療法は副作用が少ない治療法であり、70代の乳がんに対しても有効な治療法となる可能性がある。
これらの情報を理解することで、70代の女性が乳がんと診断された場合でも、適切な治療とケアにより、長期的な生存が可能であることが理解できます。

電話でのお問い合わせ

関連記事

PAGE TOP