大腸がん(ステージ4)リンパ節転移とは
大腸がんがステージ4と診断されるのは、原発の腫瘍から離れた臓器やリンパ節にまでがんが広がっている状態です。
リンパ節転移は、がん細胞がリンパの流れに乗って他の部位へ移動していることを意味します。
このような進行度では、局所的な治療だけでは十分な制御が難しく、全身的な治療が必要とされることが多いです。
リンパ節転移の広がりと治療への影響
リンパ節への転移があることで、がんがさらに他の臓器へと広がる可能性が高くなります。
そのため、がんの進行範囲を正確に評価し、治療計画を立てることが重要です。
治療方針を決める際には、転移の範囲や位置、他の臓器への転移の有無、患者様の全身状態などが考慮されます。
評価項目 | 治療方針への影響 |
---|---|
リンパ節転移の数や範囲 | 多い場合は、全身治療が優先されやすい。 |
他臓器への転移の有無 | 肝臓や肺への転移がある場合は治療の複雑性が増す。 |
原発巣の切除可否 | 手術可能かどうかが、予後に影響を与えることがある。 |
患者様の全身状態 | 年齢や合併症の有無により治療内容を調整する。 |
標準治療の選択肢と課題
ステージ4の大腸がんでは、化学療法が治療の中心となります。
状況によっては、分子標的薬の併用や手術の検討がなされます。
治療方法 | 概要 |
---|---|
化学療法 | FOLFOXやFOLFIRIなどの薬剤を用いた治療。 |
分子標的薬 | がんの遺伝子変異に応じて抗EGFR抗体や抗VEGF抗体を使用。 |
手術 | 原発巣や一部の転移巣が切除可能な場合に実施。 |
放射線療法 | 症状緩和や局所制御を目的として用いる。 |
ただし、これらの治療法は副作用を伴うことがあり、患者様の体力や生活の質にも配慮する必要があります。
また、治療の効果が限定的となる場合や、再発・耐性が生じる可能性も否定できません。
治療の個別化とQOLへの配慮
すべての患者様に一律の治療を行うのではなく、それぞれの病状や希望に応じた個別化医療が重視されています。
近年では、がんゲノム解析によって、患者様のがんに合った薬剤を選ぶ精密医療も活用されています。
また、治療に伴う副作用の軽減や、生活の質を保つことも重要な視点となっています。
多職種によるサポート体制が、より質の高いがん治療の実現につながっています。
選択肢としての光免疫療法
この治療は、がん細胞に集まる特殊な薬剤を体内に投与し、その後、特定の波長の光を照射することで、がん細胞を破壊するという仕組みです。
光免疫療法は、がん細胞だけを標的とするため、正常な組織への影響が少ないとされています。
そのため、副作用が比較的軽度で済む可能性があります。
ただし、適応には一定の条件があり、すべての患者様が対象になるわけではありません。
以下より当院の光免疫療法に関する情報をご確認頂けます。
まとめ
大腸がん(ステージ4)でリンパ節転移が認められる場合、治療の選択は慎重に行う必要があります。
化学療法や分子標的治療、外科手術、放射線療法といった多様な方法を組み合わせて治療が行われます。
治療効果だけでなく、副作用への対応や生活の質の維持も重要です。
光免疫療法は、一部の症例において補完的に用いられる可能性がありますが、慎重な判断と適応評価が必要です。
患者様一人ひとりにとって納得のいく治療が選択できるよう、多職種による支援と丁寧な説明が欠かせません。

【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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