症状
腹痛や不快感 | 大腸がんが進行すると、腸壁に圧迫や侵入が及ぶことで腹痛や不快感が生じます。がんによる炎症や神経刺激がこの症状を引き起こします。痛みの程度や性質は個人差があります。 |
変形便、便秘、または下痢 | 腸の通り道ががんによって狭まると、正常な便通に支障が生じます。便の形状が変化し、便秘や下痢が起こりやすくなります。排便時に苦痛を伴うこともあります。 |
血便や便中の血液 | 大腸がんの腫瘍が出血することで、便中に鮮血や血液が混じります。これはしばしば便の色や見た目の変化として現れ、がんの進行を示唆する重要なサインとなります。 |
体重減少や貧血 | がんが進行すると、腫瘍が栄養を消耗し、または腸の吸収機能が低下することがあります。これにより体重減少や貧血が生じ、患者の全体的な体力が低下します。 |
腹部の腫れやしこり | 大腸がんが進行すると、腹部に腫瘍が拡大し、しこりや腫れが生じることがあります。これは周辺組織への浸潤やリンパ節の腫れに起因しています。 |
診断
組織生検 | 疑わしい組織や腫瘍から一部を摘出し、顕微鏡で詳細な検査を行います。組織生検により、がんの種類や細胞の特性、悪性度が確認され、治療計画の立案に寄与します。 |
コロノスコピー | 大腸内視鏡検査で、柔軟な管を用いて直腸および大腸の内部を観察します。異常な部位やポリープを確認し、生検を行うことが可能です。 |
CTスキャン | コンピュータ断層撮影により、がんの位置や大きさを詳細に視覚化します。CTスキャンはリンパ節への転移や周辺組織の影響も確認するために利用されます。 |
MRI(磁気共鳴画像) | 磁気共鳴画像はCTスキャンよりも高い解像度を提供し、特に腫瘍の詳細な構造や周辺組織との関係を評価するのに役立ちます。 |
血液検査 | 特定の腫瘍マーカーや生物学的指標の変化を検査することがあります。これはがんの進行や治療効果のモニタリングに寄与します。 |
治療法
手術 | 手術はステージ3の大腸がんの治療で重要な役割を果たします。手術の主な目的は腫瘍を摘出することであり、局所制御と転移の防止に寄与します。ステージ3では、腫瘍の摘出と同時にリンパ節郭清が行われ、がん細胞の拡散を制御します。手術は患者の個別の状態に基づいて全摘または部分摘が検討され、治療計画は多面的に立案されます。 |
化学療法 | 化学療法は抗がん薬を使用してがん細胞の成長を抑制する治療法です。ステージ3の大腸がんにおいては、手術前後や手術と併用されることがあります。これにより手術前に腫瘍を縮小し、手術後に再発や転移を防ぐ効果が期待されます。化学療法は全身療法であり、がん細胞を体内の異なる部位で攻撃し、再発リスクを低減させる重要な選択肢です。 |
放射線療法 | 放射線療法は高エネルギーの放射線をがん細胞に照射する治療法で、主に手術前後に行われます。手術前に腫瘍を縮小させ、手術後に残存したがん細胞を破壊する役割があります。特に手術が難しい場合や転移の予防にも寄与します。個々の患者の状態やがんの性質に応じて、これらの治療法が組み合わされ、最適な治療戦略が構築されます。患者は医師と協力し、治療計画を理解し、不安や質問に対処するサポートを得ながら、治療に取り組みます。 |
光免疫療法
光免疫療法は、特定の薬剤と光を組み合わせてがん細胞を攻撃する治療法です。
薬剤はがん細胞に選択的に集積し、その後特定の波長の光を照射することで、がん細胞を破壊する仕組みとなっています。
この治療法は、副作用が少なく、患者様の負担を軽減することが期待されています。
光免疫療法は、他の治療法と組み合わせて使用されることもあり、相乗効果が期待出来ます。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
予後
がんの大きさと拡がり | がんの大きさや拡がりは予後に大きく影響します。ステージ3ではがんは局所的に拡がっていますが、その範囲や近隣組織への影響が予後を左右します。治療がこれらの要因に対して有効であれば、完全な回復が期待される場合もあります。 |
リンパ節への拡がり | がんがリンパ節に拡がるかどうかも予後に影響します。リンパ節への転移がある場合、局所制御が難しくなり、治療計画により厳密なアプローチが必要です。 |
治療の効果 | 行われた治療の効果も予後に大きな影響を与えます。手術、化学療法、放射線療法の組み合わせががんの制御にどれだけ成功したかが重要です。 |
患者の全体的な健康状態 | 患者の全体的な健康状態も予後に関与します。他の健康問題や合併症が治療や回復に影響を与える可能性があります。 |
治療が成功すれば、完全な回復が可能な場合もありますが、早期の診断と適切な治療が重要です。治療後もフォローアップが欠かせず、生活スタイルの見直しや健康管理への積極的な参加が予後向上に寄与します。患者は医師と連携し、個別の状態に合わせたケアを受けながら、治療後の生活を築いていきます。
【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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