胸膜中皮腫の概要
胸膜中皮腫は、胸膜と呼ばれる肺の外側を覆っている薄い組織に発生する悪性の腫瘍です。
この疾患は、特に労働環境におけるアスベストの取り扱いや、それに関連する業種で働いていた方々に多く見られます。
アスベストの繊維が肺に取り込まれると、その繊維が胸膜に付着し、炎症を引き起こすことが胸膜中皮腫の発症の一因とされています。
症状と進行
胸膜中皮腫の初期症状としては、持続的な胸痛や呼吸困難、咳、体重減少などが挙げられます。
また、病態が進行すると、疲労感や食欲不振、発熱などの全身的な症状が出ることもあります。
病状が進行すると、胸水と呼ばれる液体が胸腔内にたまることもあり、これにより呼吸困難がさらに悪化することがあります。
原因とリスクファクター
アスベスト吸入が胸膜中皮腫の主な原因であると広く認知されていますが、アスベスト以外の要因も考えられます。
遺伝的要因やウイルス感染、放射線への曝露などが、胸膜中皮腫のリスクを高める可能性があるとされています。
一方で、喫煙は胸膜中皮腫のリスクを直接的に高める要因とは考えられていませんが、アスベストとの共同曝露がリスクを増加させる可能性が指摘されています。
診断方法と治療選択
診断手段
胸膜中皮腫の診断は、主に画像診断や細胞診、組織診によって行われます。
レントゲンやCTスキャンを用いて胸腔内の異常を確認し、細胞診や生検を行って細胞の特性を詳しく調べることで、胸膜中皮腫かどうかの判断がなされます。
MRIやPETスキャンを使用して、腫瘍の大きさや拡がりを詳しく調査することもあります。
従来の治療法
胸膜中皮腫の治療法は、腫瘍の大きさや進行度によって異なります。
外科手術による腫瘍の摘出、放射線治療や化学療法が一般的に行われています。
これらの治療は、病態の進行を遅らせるためや症状の緩和を目的として行われることが多いです。
光免疫療法の新たな可能性
光免疫療法は、特定の薬剤と特定の波長の光を組み合わせることで、がん細胞を選択的に攻撃する治療法です。
患者様には、光に反応する特定の薬剤が投与され、その後、患部に光を照射します。
薬剤はこの光に反応して活性化し、がん細胞のみを破壊する作用を持ちます。
この方法は、健常な細胞へのダメージを抑えつつ、がん細胞を選択的に攻撃することができるため、副作用の軽減が期待されています。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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