乳がんの肝転移(ステージ4 )に関する治療の選択肢

1. ステージ4乳がんとは

乳がんは、早期発見・治療が可能ながんの一つです。
しかし、発見が遅れたり、治療中にがん細胞が他の臓器に転移した場合、ステージ4と診断されます。
ステージ4乳がんは「遠隔転移がある状態」と定義され、骨や肺、脳、そして肝臓などにがんが広がることがあります。
中でも肝転移は、乳がん患者様の遠隔転移の中で比較的よく見られる転移部位の一つです。
肝臓は血流が豊富であり、がん細胞が血流に乗って運ばれやすいため、乳がんに限らず多くのがんで肝転移が起こるリスクがあります。

2. 肝転移による症状

乳がんによる肝転移が進行してくると、以下のような症状が現れることがあります。
ただし、転移が少数であったり、小さい場合には無症状のことも多く、定期的な画像検査によって初めて発見されるケースも少なくありません。

右上腹部の鈍い痛みや圧迫感
食欲不振や吐き気
黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
体重減少や倦怠感
肝機能の低下による血液検査異常

3. 治療の選択肢

ステージ4乳がんの肝転移に対しては、完治を目的とした治療は難しいことが多く、がんをコントロールしながら生活の質を保つことが治療の主眼となります。

治療法 説明
ホルモン療法(内分泌療法) 乳がんの中には、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの影響を受けて増殖するタイプがあります。
このようなタイプでは、ホルモン療法が第一選択となります。
副作用が少なく、長期にわたるコントロールが可能なこともあります。
化学療法(抗がん剤) がんの進行が速い場合や、ホルモン療法が効かないタイプでは、抗がん剤による治療が行われます。
全身に作用するため、肝臓以外の転移病変にも効果を期待できますが、副作用への対応も重要です。
分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬 HER2陽性の乳がんにはトラスツズマブ(ハーセプチン)などの分子標的薬が使われます。
また、近年では免疫チェックポイント阻害薬の導入も一部の症例で試みられていますが、すべての患者様に適応できるわけではありません。
肝臓に対する局所治療 肝転移が限られた部位にある場合は、局所治療が検討されることがあります。
ただし、乳がんの肝転移に対しては、これらの局所療法が積極的に行われることは少なく、全身治療との併用が検討されます。
  • ラジオ波焼灼療法(RFA)
  • 肝動脈化学塞栓療法(TACE)
  • 定位放射線治療(SBRT)

4. 標準治療が難しい場合の対応

肝機能が低下していたり、副作用によって抗がん剤の継続が困難な場合、標準的な治療が続けられないこともあります。
そうしたときには、緩和ケアを中心とした支持療法や、身体への負担が少ない代替的な治療法が検討されます。

5. 光免疫療法という選択肢

乳がんの肝転移に対して、標準治療が難しい患者様の中には、光免疫療法を選択肢として検討されるケースもあります。
光免疫療法は、がん細胞に集まる特殊な薬剤を投与し、その薬剤に特定の波長の光を照射することで、がん細胞のみを破壊する治療法です。
正常な肝細胞に与える影響をできる限り抑えながら、がん細胞のみを標的にすることができる点が特徴です。
また、局所的に転移巣が確認され、光が届く範囲にある場合には、体への負担が比較的少ないため、全身状態が不安定な患者様でも検討されることがあります。
ただし、この治療はすべての患者様に適用できるわけではなく、肝転移の範囲、病変の深さ、周囲の組織の状態などを詳しく確認した上で、医師と慎重に相談することが重要です。
詳しくは以下より当院の光免疫療法に関してご確認頂けます。

子宮頸がんの内容に関してリライトして

6. 最後に「患者様ご自身の判断が大切です」

乳がんのステージ4で肝転移がある場合、治療の選択肢は一つではありません。
標準治療が難しくなっても、あきらめずに情報を集め、医師と共に今の状態に合った選択肢を探すことが重要です。
生活の質(QOL)を重視した治療方針を選ぶことも、納得のいく人生を送るための大切なステップとなります。

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