子宮体がんステージ4とは
子宮体がんは、子宮内膜に発生するがんで、中高年の女性に多く見られます。
ステージ4とは、がんが骨盤外の臓器や遠隔リンパ節に広がっている状態を指します。
この段階では、手術のみで治療が完結することは難しい場合があり、全身に作用する治療の検討が必要となることがあります。
リンパ節転移がもたらす影響
リンパ節は、体内で免疫機能や老廃物の排出などを担っています。
がん細胞がリンパ節に入り込むと、他の臓器への転移リスクが高まると考えられています。
子宮体がんでは、骨盤内リンパ節や傍大動脈リンパ節が転移の主な対象となります。
リンパ節転移が確認されると、がんの進行度が高く評価されることがあります。
主な治療方針について
ステージ4でリンパ節転移がある場合、治療は患者様の年齢や体力、症状などを踏まえて総合的に判断されます。
| 治療法 | 概要 |
|---|---|
| 化学療法 | 全身に薬剤を届けることで、広がったがん細胞の増殖を抑えることを目指します。 |
| 放射線療法 | 骨盤内やリンパ節など、がんの集積がある部位に対して局所的に照射します。 |
| ホルモン療法 | がんがホルモンに反応する場合、内分泌的なアプローチで進行を抑える可能性があります。 |
| 緩和ケア | 症状の緩和や心の支えを重視し、生活の質を維持することを目的とした支援です。 |
それぞれの治療は単独で行われるとは限らず、複数を組み合わせて進められることもあります。
患者様と医療者が話し合いながら、治療の方向性を決めていくことが大切です。
療養生活における配慮
治療だけでなく、療養生活を快適に過ごすための配慮も重要です。
副作用への対応や精神的支援、社会的制度の利用など、多角的な支援が必要となる場合があります。
| 配慮の例 | 内容 |
|---|---|
| 副作用への対応 | 抗がん剤による吐き気や脱毛、倦怠感などへの対応を行います。 |
| 栄養管理 | 治療による食欲低下に備え、栄養士の指導や補助食品の活用が検討されます。 |
| 精神的支援 | 不安や落ち込みに対して、カウンセリングや薬物療法が提供されることもあります。 |
| 社会的サポート | 訪問看護、介護保険サービス、医療費助成などの社会資源を活用します。 |
これらの支援を組み合わせることで、患者様の生活の質を保ちながら治療を続けやすくすることが目指されます。
光免疫療法の可能性
従来治療に加え、選択肢として光免疫療法が一部で検討出来る可能性もあります。
光免疫療法は、がん細胞に集積する光感受性物質に近赤外線を照射することで細胞死を誘導する技術です。
正常細胞への影響を抑えつつ、がん細胞を選択的に攻撃する仕組みが特徴とされています。
当院の光免疫療法に関する詳細は以下よりご確認頂けます。
まとめ
子宮体がんステージ4でリンパ節転移がある場合、治療は長期的かつ複合的なものとなる傾向があります。
化学療法や放射線、ホルモン療法といった複数の手段を組み合わせながら、生活の質にも配慮した医療が求められます。
光免疫療法のような治療法が選択肢に加わることもありますが、中心となるのは患者様の全身管理と個別の事情に応じた対応です。
患者様と医療者が協力しながら、納得できる治療方針を一緒に見つけていくことが大切です。
【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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