ステージ4の肺がんについての詳細解説
肺がんのステージ分類とその意義
肺がんは、その進行度に応じていくつかのステージに分類されます。
ステージ1からステージ4までの4つの主要なステージがあり、ステージ4は最も進行した状態を指します。
このステージ分類は、治療の方針を決定する上で非常に重要です。
早期のステージでは手術や放射線治療が選択されることが多いのに対し、進行したステージでは化学療法や免疫療法が中心となります。
ステージ4の肺がんは、特に治療の選択や予後の予測において注意が必要です。
ステージ4の肺がんの特徴と転移
ステージ4の肺がんは、がん細胞がリンパ節を超えて他の臓器にも広がっている状態を指します。
この段階では、がんは原発部位から遠く離れた部位にも転移している可能性が高くなります。
具体的には、脳、肝臓、骨などの他の部位に転移することが一般的です。
転移が起こると、症状や治療の難易度が増加し、予後も悪化することが知られています。
転移部位の特定やその治療が、ステージ4の肺がんの治療の鍵となります。
肺がんの基本情報と成因(EGFR、ALK、KRASなど)
肺がんは日本におけるがん死亡原因の上位を占め、特に高齢男性に多いとされています。発症の主因は喫煙や大気汚染などの環境要因に加え、遺伝的素因も関与しています。
非小細胞肺がん(NSCLC)は全体の約85%を占め、そのうち腺がんが最多です。
遺伝子変異の観点では、特定のドライバー遺伝子の異常が腫瘍の成長を促進します。代表的なものに以下が挙げられます。
- EGFR(上皮成長因子受容体)変異:非喫煙者の女性に多く、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が有効です。
- ALK融合遺伝子:比較的若年層に多く、ALK阻害薬が奏効する可能性があります。
- KRAS変異:喫煙者に多く、最近ではKRAS G12C阻害薬が登場し、治療の選択肢が広がっています。
こうした遺伝子異常は、がんの進行速度や治療反応性に影響するため、治療戦略を立てるうえで重要な指標となります。
ステージ4の進行様式と症状(骨転移、脳転移、胸水など)
ステージ4の肺がんはTNM分類におけるM1(遠隔転移あり)に該当し、他臓器への転移を伴う末期の状態です。診断時にすでにステージ4であることも少なくありません。
代表的な進行パターンと症状は以下の通りです。
- 骨転移:背骨・骨盤・肋骨などに転移し、強い痛みや骨折の原因となります。
- 脳転移:頭痛・嘔吐・視力障害・けいれんなどの神経症状を引き起こします。
- 胸水・悪性胸水:呼吸困難や息切れの原因となり、生活の質を著しく低下させます。
- 肝転移・副腎転移:初期は無症状でも進行すると倦怠感・食欲不振などの全身症状を呈します。
これらの症状はがんそのものによるものだけでなく、治療に伴う副作用と複雑に絡み合ってQOL(生活の質)に影響を及ぼします。
現代の標準治療(化学療法・分子標的薬・免疫療法)
ステージ4肺がんの標準治療は、がんの遺伝子変異や患者の全身状態に応じて決定されます。
- 化学療法:プラチナ製剤を基盤とした併用療法が一般的で、奏効率と延命効果を一定程度期待できます。
- 分子標的薬:EGFR・ALK・ROS1・RET・KRASなどの変異に対しては、それぞれに対応する分子標的薬が存在します。副作用が比較的軽く、外来でも治療が可能です。
- 免疫チェックポイント阻害剤(ICI):PD-1/PD-L1阻害剤(ニボルマブ・ペムブロリズマブなど)は、腫瘍免疫のブレーキを解除する治療法で、PD-L1高発現例に対して高い効果を示すことがあります。
最近では、これらの治療法を組み合わせた併用療法や、がんゲノムプロファイリングによる個別化治療も進んでいます。
QOLの課題と緩和ケアの実際
進行肺がんでは身体的苦痛に加え、精神的・社会的な苦痛も大きく、早期からの緩和ケアの導入が推奨されています。
疼痛や呼吸困難に対しては、オピオイドや酸素療法が行われ、悪性胸水には胸腔ドレナージや胸膜癒着術が用いられます。
また、がんに伴う倦怠感や食欲不振、せん妄などにも多職種が連携して対応し、QOLの向上を目指します。
近年では、緩和ケアチームによる在宅医療や終末期ケア(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)の支援も重要視されています。
光免疫療法:新たな治療戦略としての可能性
当院が自由診療として提供する光免疫療法は、標準治療後の選択肢として期待される新たなアプローチです。
この治療法では、腫瘍特異的に集積するリポソーム化ICG(インドシアニングリーン)を投与し、近赤外線レーザーを照射することで、腫瘍細胞を選択的に破壊します。
- がん細胞に対する選択性が高く、正常組織へのダメージを最小限に抑えます。
- 活性酸素によってアポトーシス(細胞死)を誘導し、免疫刺激効果も期待できます。
- 外来通院による治療が可能で、副作用も軽度(発赤・軽い発熱など)にとどまります。
プロトコルは週1回・計6回の1クールで行い、必要に応じて再照射や他治療との併用も検討します。
なお、自由診療であるため費用や適応範囲については事前の個別相談が必要です。
まとめと今後の展望
ステージ4の肺がんは依然として予後が厳しい病態ですが、分子標的薬や免疫療法など新たな治療選択肢の登場によって、生存期間や生活の質の向上が実現しつつあります。
光免疫療法はその中でも、局所治療と免疫刺激を同時に行える新戦略として注目されており、従来の治療が難しい患者にも新たな希望をもたらします。
がんと共に生きる時代においては、患者様ご自身とご家族の希望を尊重し、多職種連携で最適な治療・サポート体制を構築することが何より大切です。
当院では、セカンドオピニオンや治療相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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