大腸がんの光免疫療法についての詳細解説
光免疫療法の基本原理
光免疫療法は、特定の薬剤と特定の波長の光を組み合わせてがん細胞を攻撃する治療法です。
この治療法の特徴は、薬剤ががん細胞に選択的に集積する性質を持っている点です。
薬剤は、体内でがん細胞のみに集積され、健常な細胞には影響を及ぼさないように設計されています。
光を照射することで、薬剤が活性化し、がん細胞のみをターゲットとして破壊することができます。
このため、健常な細胞へのダメージが抑えられるという利点があります。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
大腸がんとは
大腸がん(結腸・直腸がん)は、大腸の内壁(粘膜)から発生する悪性腫瘍で、2025年現在、日本で最も罹患数の多いがんの一つです。
年間新規診断数は約15万件を超え、男性では肺がん・胃がんに次ぐ第3位、女性では乳がんに次ぐ第2位となっています。
主な発生要因として、食生活の西洋化(赤身肉・加工肉の過剰摂取、食物繊維不足)、喫煙、過度な飲酒、肥満、運動不足、遺伝的要因(リンチ症候群、家族性大腸腺腫症)などが挙げられます。
多くは良性のポリープ(腺腫)から数年〜10年かけてがん化するため、早期発見でほぼ100%治癒可能な癌です。
進行するとリンパ節転移、肝転移、肺転移、腹膜播種を起こし、ステージⅣでは5年生存率は15〜25%程度に低下しますが、近年の分子標的薬・免疫療法の進歩により、長期生存例も増えています。
早期発見のため、40歳以上での便潜血検査、50歳以上での大腸内視鏡検査が強く推奨されています。
大腸がんにおける光免疫療法の適用
大腸がんの治療法として、手術や放射線治療、化学療法などが主に用いられていますが、光免疫療法も選択肢の一つとして考えられます。
この治療法は、他の治療法との併用も可能であり、治療の選択肢を広げることができます。
また、治療後の再発予防や転移予防としても期待されています。
治療の流れと手順
- まず、薬剤を体内に投与します。
- 薬剤の投与方法は点滴で行います。
- 薬剤が十分にがん細胞に集積した後、特定の波長の光を照射します。
- 光の照射時間や強度は、がんの大きさや深さに応じて調整されます。
- 治療は数回に分けて行われ、患者様の体調や反応に応じて治療計画が立てられます。
注意点とアフターケア
治療後は、皮膚の赤みや腫れなどの軽度な副作用が現れることがありますが、これらは一時的なものであり、適切なケアで改善されます。
また、治療後は定期的な検査を受けることで、がんの状態を把握し、適切なアフターケアを受けることが大切です。
光免疫療法は、他の治療法との併用も考慮されるため、全体の治療計画についても十分な説明を受けることが必要です。
まとめ
大腸がんは、早期発見でほぼ100%治癒可能な疾患ですが、進行・再発・転移例では治療負担が大きく、生活の質が著しく損なわれるケースも少なくありません。
光免疫療法は、こうした進行大腸がんに対しても「がん細胞を選択的に破壊し、正常組織へのダメージを最小限に抑える」という新しいアプローチで治療可能です。
副作用が少ないため、化学療法による脱毛や重度の吐き気・倦怠感などに悩まされることなく、普段の生活を維持しながら治療を継続できる点が最大の魅力となります。
当院では設立以来6年で多数の実績を積み重ね、腹膜播種や肝転移、多発リンパ節転移など標準治療が困難な症例でも、腫瘍縮小や症状緩和を経験しています。
治療の適応はがんの部位・大きさ・個数・患者様の全身状態によって異なりますが、セカンドオピニオンとして一度ご相談いただくことで、これまで「もう治療法がない」と諦めかけていた患者様に新たな希望をお届けできるケースが数多くあります。
ご自身やご家族の大腸がん治療でお悩みの方は、ぜひ一度当院までお気軽にご相談ください。
最適な治療選択を一緒に考えさせていただきます。

【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
医療法人社団良凰会 医師一覧

