標準治療終了と宣告された前立腺がんについて光免疫療法の可能性
前立腺がんは男性に特有の悪性腫瘍で、日本では高齢化の影響で罹患数が年々増加しており、主なリスク要因として加齢、家族歴、肥満、ホルモン異常などが挙げられます。
初期段階ではほとんど症状が現れず、PSA検査で発見されることが多いため、診断時にはすでに進行した状態(ステージIV)であるケースが少なくありません。
こうした進行がんに対して治療を繰り返した末に「標準治療終了」と宣告されることがありますが、これは決して絶望的な状況を意味するものではなく、新たな選択肢を探る機会でもあります。
前立腺がんの「標準治療終了」とはどのような状態か?
「標準治療終了」とは、日本泌尿器科学会・前立腺癌診療ガイドラインで定められた治療法(ホルモン療法、化学療法、分子標的薬など)が、がんの進行が抑えられず、耐性が生じたり、副作用が耐えられなくなったりして、これ以上継続できないと医師が判断した状態を指します。
病状がコントロールできなくなり、ガイドラインに記載された次の治療法がなくなった、または患者様の体力・全身状態が悪化して使用できない場合に宣告され、余命が数ヶ月から数年程度と見込まれることが一般的です。
多くの場合、緩和ケア中心の生活に移行するよう勧められますが、これはあくまで「現行の標準治療ではこれ以上延命効果が期待しにくい」という意味であって、完全に治療の道が閉ざされたわけではありません。
個々の体調やがんの特性、先進治療の導入により、予後は大きく変わる可能性があります。
特に前立腺がんステージIVは予後が厳しく、5年生存率は約30~40%程度と低く、診断後の中央生存期間(中央値)は治療ありで2~3年前後、無治療では数ヶ月以内に進行するケースも報告されています。
多くの患者様がホルモン耐性(去勢抵抗性前立腺がん:CRPC)となり、病状が急速に悪化するため、早期からの包括的なアプローチが不可欠です。
進行した前立腺がんの症状と現実
ステージIVの前立腺がんでは、腫瘍の増大と遠隔転移により深刻な症状が現れます。
主な症状として以下が挙げられます。
●排尿障害(頻尿、尿勢低下、血尿):前立腺の腫大による尿道圧迫。
●骨痛(腰痛、股関節痛):骨転移による。
●体重減少・倦怠感:悪液質やホルモン異常。
●下肢の浮腫・呼吸困難:リンパ節転移や肺転移による。
●神経症状(麻痺、しびれ):脊椎転移による。
これらの症状は徐々に悪化し、日常生活を大きく制限します。
発見が遅れる主な理由は、初期の軽い排尿異常を「加齢現象」と見過ごすことです。
そのため、定期的なPSA検査や前立腺生検が早期発見に欠かせません。
進行前立腺がんに対する標準治療の選択とその限界
進行した前立腺がんの標準治療は、主に全身ホルモン療法と薬物療法が中心となります。
根治的手術は原則適応外ですが、以下の選択肢が検討されます。
●ホルモン療法: アンドロゲン除去療法(ADT)としてLH-RHアナログや抗アンドロゲン薬が第一選択。腫瘍縮小と症状緩和が期待されますが、耐性獲得(CRPC)で効果が失われやすく、副作用(骨粗鬆症、筋力低下、ホットフラッシュ)が問題です。
●化学療法: ドセタキセルやカバジタキセルが使用され、生存延長(数ヶ月程度)が期待されますが、副作用(吐き気、脱毛、骨髄抑制)が強く、体力低下例では継続が困難です。
●分子標的薬・免疫療法: BRCA変異の場合にPARP阻害薬が適応されますが、前立腺がんでは該当例が少なく、免疫チェックポイント阻害薬の反応率も低い傾向です。
●放射線療法: 骨転移の痛み緩和目的で使用されますが、全身転移には効果が限られます。
●緩和ケア: 疼痛コントロール、栄養管理、精神サポートを並行します。
これらの治療は進行を遅らせるものの、根治は難しく、耐性や副作用が大きな壁となります。
特に高齢者や肝機能低下例では治療選択肢が狭まる傾向にあります。
光免疫療法の可能性
標準治療終了と宣告された進行した前立腺がんに対して、当院がご提案しているのは光免疫療法となります。
この治療は、標準治療の限界を補う革新的な方法で、近赤外線光免疫療法の原理に基づいています。
光免疫療法の主な利点として、以下が挙げられます。
●副作用が極めて少ないため、標準治療の副作用に苦しむ患者様でも受けやすい。
●肝機能や全身状態が悪い場合でも安全に施行でき、骨転移やリンパ節転移にも有効。
●繰り返し治療が可能で、QOLの向上(骨痛軽減、排尿改善、体重維持)が期待できる。
●化学療法やホルモン療法との併用で相乗効果が得られる可能性がある。
当院では、前立腺がん患者様の詳細な状態評価を行い、光免疫療法の適応を慎重に判断します。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認いただけます。
総括
標準治療終了と宣告された前立腺がんでも、予後が厳しい中でも諦めるのはまだ早いです。
光免疫療法のような先進医療により、生存期間の延長と生活の質の向上が十分に期待できます。
重要なこととして、最新情報を基に医師と相談しながら最適な道を選ぶことが挙げられます。
現在、前立腺がんの標準治療が終了した患者様や標準治療と併用可能な治療法をお探しの患者様でも、当院まで一度ご相談ください。

【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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