肝臓がんとは
肝臓がんは、肝臓の細胞が異常に増殖することによって発生するがんの一種です。
このがんは、進行が早く、発見が遅れると治療が難しくなることが知られています。
肝臓は体内の解毒や栄養の合成を担当する重要な臓器であり、その機能が低下すると全身の健康に影響が出る可能性があります。
早期に発見し、適切な治療を行うことが患者様の生存率や生活の質を向上させる鍵となります。
血液検査による肝臓がんの診断
血液検査の意義
血液検査は、体の健康状態を把握するための基本的な方法の一つです。
特に、肝臓がんのリスクを持つ方々にとって、定期的な血液検査は非常に重要です。
血液検査により、肝臓の機能や炎症の有無、腫瘍の存在を示唆するマーカーの検出が可能となります。
これにより、早期の段階での異常の発見や、治療の効果のモニタリングが行えます。
AFP(α-フェトプロテイン)というマーカー
肝臓がんの診断において、AFPという腫瘍マーカーがしばしば注目されます。
AFPは、肝臓がんの細胞が放出する物質で、その量が増加すると肝臓がんの可能性が高まります。
しかし、AFPの値が高いからといって必ずしも肝臓がんであるとは限りません。
他の疾患や状態でもAFPの値は上昇することがあります。
例えば、肝硬変や急性肝炎でもAFPの値は上昇することが知られています。
血液検査の限界
血液検査だけで肝臓がんを確定的に診断することは難しいです。
AFPの値が正常範囲であっても、肝臓がんの可能性はゼロではありません。
また、AFPの値が高くても、他の原因で上昇している可能性も考えられます。
そのため、AFPの値をもとにした診断は、他の診断方法と組み合わせることが必要です。
単独での血液検査に頼ることなく、総合的な診断を行うことが患者様のためになります。
血液検査と他の診断方法との関連性
画像診断の重要性
肝臓がんの診断には、血液検査と併せて、超音波検査やCT、MRIなどの画像診断が必要です。
これらの画像診断により、肝臓の形や大きさ、腫瘍の位置や大きさを詳しく調べることができます。
特に、初期の肝臓がんは小さく、血液検査だけでは発見が難しいことが多いため、画像診断の役割は非常に大きいです。
生検による確定診断
最終的に肝臓がんであるかどうかを確定するためには、生検が必要となります。
生検では、肝臓の組織を採取し、顕微鏡でその組織を詳しく調べることで、がんの存在を確認します。
生検は、他の診断方法と併せて行われることが多く、最も確実な診断方法とされています。
まとめ
血液検査は、肝臓がんの診断ツールの一つとして非常に有用ですが、それだけでの確定診断は難しいです。
肝臓がんの疑いがある場合、血液検査の結果と他の診断方法を組み合わせて、正確な診断を行う必要があります。
早期の発見と適切な治療が、患者様の生存率や生活の質を向上させるための鍵となります。
【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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