目次
肺がん(ステージ4)とリンパ節転移の関係
肺がんがステージ4と診断される場合、それはがん細胞が原発巣を越えて他の組織や臓器へ波及している状態を示します。
この段階で特に多く見られるのが、リンパ節への転移です。
肺の周囲には縦隔リンパ節をはじめとした多くのリンパ節が存在しており、がんがそこへ波及することで、病状の進行がうかがわれます。
リンパ節転移は局所にとどまらず、全身への拡がりの前兆とされることもあります。
リンパ節転移によって起こる影響
肺がんがリンパ節へ転移すると、腫大したリンパ節が気管や食道、神経などを圧迫する可能性があります。
これにより、呼吸困難、咳、声のかすれ、嚥下障害などの症状が生じることがあります。
また、リンパの流れが妨げられることで、免疫機能に影響が出る場合もあります。
こうした症状は進行に応じて変化しやすいため、定期的な画像検査や診察によって状態を把握していくことが重要です。
標準治療が選択しづらくなる背景
ステージ4の肺がんでは、がんが複数の部位に及んでいることが多く、局所的な治療の効果が限定的とされることがあります。
また、リンパ節の転移範囲が広い場合、放射線照射の範囲も広がり、副作用への懸念が高まる可能性があります。
全身状態が不安定な患者様においては、強力な化学療法や免疫療法の導入が難しくなることもあります。
そのため、治療方針は画一的ではなく、個々の病状や生活背景に応じた対応が求められます。
検討される治療法の種類
治療法 | 概要 |
---|---|
化学療法 | 抗がん剤によって、全身に広がったがんの増殖を抑えることが期待されます。 |
免疫療法 | 免疫チェックポイント阻害薬を使用し、体の免疫機能を調整することでがんに働きかけます。 |
放射線療法 | 限局的なリンパ節に対して照射が行われ、症状緩和などを目的とする場合もあります。 |
支持療法 | 痛みや息苦しさなどの症状を軽減し、生活の質を保つための治療です。 |
治療選択と生活の質の両立
肺がんの治療を進めるにあたり、患者様の生活の質(QOL)を大切にすることが非常に重要です。
たとえば、副作用の強い治療が患者様の生活に大きな負担を与える場合には、治療内容の見直しが検討されることもあります。
また、ご本人やご家族のご希望を丁寧に聞き取りながら、今後の治療計画を話し合っていくことが必要です。
選択肢としての光免疫療法
標準治療による効果が限られる場合や、副作用への懸念がある場合に、選択肢として光免疫療法が検討出来る可能性があります。
この治療法は、がん細胞に集まる薬剤に近赤外線レーザーを照射することで、がん細胞の破壊を目指します。
周囲の正常な組織への影響を抑えながら、治療を行える点が特徴とされています。
ただし、適応となるかどうかは、がんの種類や位置、患者様の状態などを踏まえ、専門的な評価が必要です。
以下より当院の光免疫療法に関する情報をご確認頂けます。
今後の方向性とまとめ
肺がんがステージ4に進行し、リンパ節転移が確認される場合には、標準治療の選択が難しくなることがあります。
そうした状況においても、化学療法、免疫療法、放射線療法、さらに補完的治療などを組み合わせることで、より良い経過を目指せる可能性があります。
治療を進めるうえでは、身体の状態だけでなく、生活や気持ちの面にも目を向けながら、総合的に判断していくことが大切です。
信頼できる医療機関と連携しながら、治療と生活の両立を見据えた支援を受けていくことが求められます。

【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
医療法人社団良凰会 医師一覧