卵巣がんの放射線療法に関する詳細な解説
早期発見が難しい卵巣がん
卵巣がんとは卵巣に発生する悪性腫瘍であり、日本人女性では40代から増え始め、50代~60代で発症のピークを迎えます。
卵巣がんの罹患者は近年増加傾向にあり、年間で1万2千人以上が新たに卵巣がんと診断されています。
また、卵巣がんは「サイレントキャンサー」とも呼ばれ、自覚症状に乏しいため、がん検診や他の疾患の受診時に偶然発見されることも多いです。
そのため、発見時にはステージⅢ以降の進行がんであることも多く、完治を目指すことが困難となるケースも少なくありません。
この記事では、卵巣がん治療における基本治療や放射線療法、光免疫療法などについて解説します。
卵巣がんの基本治療
卵巣がんの基本治療は、手術によって可能な限りのがんを取り除き、残ったがんに対して化学療法を行うことです。
1回目の手術でがんを取り切れなかった場合には、2回目の手術を行うこともあります。
その後、分子標的治療薬を用いた維持療法か経過観察を状況に応じて選択します。
また、卵巣がん治療における放射線療法の適応は、非常に限られた場面のみとなります。
放射線療法の基本原理
放射線療法は、がん細胞を破壊するための治療法の一つです。
この治療法は、放射線を使用してがん細胞のDNAを損傷させ、細胞の増殖を阻止することを目的としています。
放射線は、高エネルギーのX線や電子線を使用してがん細胞にダメージを与えます。
卵巣がん治療においては、化学療法に抵抗性のある再発卵巣がんに対して、有効な化学療法が無い場合に放射線療法が検討されます。
しかし、病巣が留まっている局所的な治療となります。
また、再発・転移時における疼痛緩和を目的としても放射線療法が行われることもあります。
放射線療法のメリットとデメリット
カテゴリ | 内容 |
---|---|
メリット | 高精度にがん細胞のみを照射することが可能で、周囲の正常な組織へのダメージを最小限に抑えることができます。 |
デメリット | 一部の患者様において、治療部位の炎症や皮膚の赤みなどの副作用が現れることがあります。 |
注意点 | 放射線治療の適応範囲は限られており、全身へのがんの広がりには効果が薄いことが知られています。 |
リスク | 長期的な放射線の影響により、正常な組織にもダメージが生じるリスクがあります。 |
放射線療法の進行プロセス
放射線療法は、以下のステップで進行します。
- 1. 患者様の体の位置を正確に設定します。
- 2. 放射線の照射範囲と量を計画します。
- 3. 照射を開始し、定期的に効果を評価します。
- 4. 患者様の反応に応じて、照射量や範囲を調整することがあります。
- 5. 治療終了後、定期的なフォローアップを行い、再発のリスクを評価します。
光免疫療法との併用について
光免疫療法は、放射線療法中の卵巣がんに対しても併用可能です。
この治療法は、特定の薬剤と光を組み合わせてがん細胞を攻撃する治療法です。
放射線療法と併用することで、相乗効果が期待されます。
卵巣がん治療において、標準治療だけでは効果が低い患者様は、光免疫療法の適用を一度ご検討ください。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
まとめ
卵巣がんの基本治療は、手術と化学療法の組み合わせとなります。
卵巣がんに対する放射線療法は、再発時に有効な化学療法が無い場合や疼痛を緩和させる場合に検討されます。
光免疫療法は、放射線療法を含めた標準治療と組み合わせることが可能であり、相乗効果も期待されます。
予後が悪いタイプのがんのため、最適な治療の組み合わせによって根治を目指すことが重要となります。

【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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