スキルス胃がんの特性
スキルス胃がんは、胃の壁の深い部分に発生するがんの一種で、浸潤性の特徴を持っています。
このがんは、胃の内側の粘膜層だけでなく、筋層や外側の組織にも広がる傾向があります。
そのため、初期段階では外部からの観察だけでは発見が難しく、特有の症状が少ないため、診断が遅れることが多いのです。
発覚のきっかけとなる症状
初期の症状
スキルス胃がんの初期症状は、他の胃の疾患と似ているため、特定が難しいことがあります。
食後の腹部の不快感や胃のもたれ、軽度の胃痛などが一般的な症状として挙げられます。
また、食事の量が少なくなる、食べ物の通過が悪くなるなどの消化に関する問題も現れることがあります。
進行した症状
がんが進行すると、次のような症状が現れることがあります。
- 持続的な胃痛
- 食欲不振や体重減少
- 吐血や黒い便
- 貧血の症状
- 腹部の膨満感
診断のプロセス
スキルス胃がんの診断は、上部消化管内視鏡検査を主として行われます。
この検査により、胃の内部を直接観察し、異常な部分を確認することができます。
生検を行い、組織を詳しく調べることで、がんの種類や進行度を判断します。
さらに、CTスキャンやMRIなどの画像診断も併用されることがあり、がんの広がりや隣接する臓器への影響を詳しく調べることができます。
血液検査を通じて、腫瘍マーカーの値を確認することも、診断の一環として行われることがあります。
発覚の重要性
スキルス胃がんは、早期発見が難しいがんの一つですが、早期に発覚し治療を開始することで、治療の成功率が大幅に向上します。
定期的な健康診断や自身の体調の変化に注意を払うことで、早期発覚のきっかけをつかむことができます。
特に、家族歴や遺伝的な要因がある場合、定期的な検査が推奨されます。
早期の段階での治療は、薬剤治療や手術などの選択肢が増え、治療の効果も高まるため、発覚のきっかけを逃さないことが重要です。
【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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