有棘細胞がんとは
有棘細胞がんは、皮膚や粘膜の有棘層に由来する悪性腫瘍です。
このがんは、紫外線の長期的な暴露や化学物質への曝露が原因となることが多く、主に皮膚に発生しますが、口腔、咽頭、食道など、他の部位にも発生する可能性があります。
有棘細胞がんは、他のがん種に比べて比較的遅い速度で成長し、リンパ節や他の組織への転移のリスクも含まれています。
発生機序
有棘細胞がんの発生は、DNAの損傷が原因であることが多いです。
特に紫外線によるDNAの損傷は、有棘細胞がんの発生に大きく関与しており、紫外線による直接的なDNAダメージや免疫系の抑制が関連しています。
また、化学物質や慢性的な炎症、遺伝的な要因も有棘細胞がんのリスクを増加させることが知られています。
病理学的特徴
有棘細胞がんの病理学的な特徴には、異型性の高い細胞、異常な細胞増殖、異常な細胞分化が含まれます。
これらの細胞は、正常な細胞構造とは異なり、不規則な形状やサイズを持ち、核が大きく染色体異常を示すことがあります。
有棘細胞がんの組織学的診断は、生検による組織サンプルの顕微鏡的検査に基づいて行われます。
臨床的な表れ
有棘細胞がんの臨床的な表れには、皮膚上の硬く、粗い、時には出血する突起や潰瘍が含まれます。
これらの病変は、しばしば日光にさらされる領域、例えば顔、耳、首、手の甲などに見られます。
初期段階では、しばしば皮膚の平坦な赤みや鱗屑性の病変として現れ、時間の経過とともにより顕著な形状になります。
診断方法
有棘細胞がんの診断は、臨床的な検査と生検に基づいて行われます。
皮膚科医は、皮膚の変化を視診し、疑わしい病変に対して生検を実施することが一般的です。
生検では、病変の一部を切除し、顕微鏡下で細胞の異常を評価します。これにより、がんの存在とその種類を確定することが可能です。
治療法
有棘細胞がんの治療法には、外科的切除、放射線療法、化学療法、免疫療法が含まれます。
初期段階のがんでは、外科的切除が最も一般的な治療法ですが、進行した場合や再発した場合は、放射線療法や化学療法が選択されることがあります。
光免疫療法
光免疫療法は、特定の光感受性薬剤を有棘細胞がん組織に集積させ、特定の波長の光を照射することで薬剤を活性化し、がん細胞を選択的に破壊する治療の選択肢です。
この方法は、がん組織に対して局所的に作用し、正常組織へのダメージを抑えることができるため、治療後の患者様のQOL（生活の質）の維持に寄与しています。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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