甲状腺がんの発覚のきっかけ
1. 自覚症状としてのしこり
甲状腺がんの最も一般的な発覚のきっかけは、首の前部にできるしこりです。
このしこりは、触れることで確認できることが多いですが、痛みを伴わないことが多いため、見過ごされることもあります。
しかし、しこりが硬く、動かすと痛みを伴う場合、甲状腺がんの可能性が高まります。
しこりの大きさや形状、位置によってもがんの種類や進行度が異なることが知られています。
定期的な自己チェックを行い、変化を感じた場合は速やかに医療機関を受診することが重要です。
2. 声のかすれや咳
甲状腺がんが進行すると、声帯や気管に圧迫されることがあります。
その結果、声のかすれや咳が続くことがあります。
特に、風邪や喉の痛みなどの明確な原因がないのに、これらの症状が続く場合は注意が必要です。
声の変化は、甲状腺がんだけでなく、他の疾患のサインとしても知られていますので、早めの診断が求められます。
持続的な咳や声のかすれがある場合、専門医の診察を受けることをおすすめします。
3. 検診や健康診断での発見
近年、健康診断や検診での超音波検査により、甲状腺の異常が発見されることが増えています。
超音波検査は、甲状腺の形や大きさ、内部の構造を詳しく調べることができるため、微細なしこりや腫瘍も発見しやすいです。
また、定期的な健康診断を受けることで、甲状腺がんのリスクを早期に把握し、適切な治療を受けることができます。
健康診断の際には、甲状腺の超音波検査を受けることを検討すると良いでしょう。
4. その他の症状
甲状腺がんが進行すると、首のリンパ節の腫れや、呼吸困難、飲み込みにくさなどの症状が現れることがあります。
これらの症状が現れた場合、速やかに医療機関を受診することが推奨されます。
特に、首のリンパ節の腫れは、がんの進行や転移を示すサインとなることがあります。
また、飲み込みにくさや呼吸困難は、甲状腺がんが気管や食道に圧迫している可能性を示唆します。
5. 注意点と早期発見の重要性
甲状腺がんは、早期に発見することで治療の成功率が大幅に上がります。
しかし、初期の段階では自覚症状が少ないため、定期的な健康診断や自己チェックが非常に重要です。
首のしこりや変化を感じた場合、躊躇せずに医療機関を受診し、専門の医師の診断を受けることをおすすめします。
甲状腺がんの早期発見は、治療の選択肢を増やし、治療の効果を最大化するための鍵となります。
日常生活の中での自己チェックや健康診断の受診を心がけ、甲状腺がんのリスクを低減させることが大切です。
【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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