肺がんの肝転移(ステージ4 )に関する治療の選択肢

肺がん(ステージ4)肝転移の概要

肺がんが進行し、ステージ4と診断された場合、すでに遠隔臓器への転移が確認されている状態です。
肝臓はその転移先として頻度の高い部位の一つであり、特に非小細胞肺がん(NSCLC)においては肝転移が生じやすいとされています。
肝臓は血流が豊富であるため、がん細胞が血液を介して移動した際にとどまりやすい臓器です。

肝転移が意味すること

肺がんが肝臓に転移した場合、がんが局所にとどまらず、全身病としての性質が強くなります。
この段階では、根治的な治療は難しいとされ、治療の主目的は延命と症状の緩和、生活の質(QOL)の維持になります。
肝機能の低下や腫瘍による圧迫症状などが起こることもあり、早期の対応が求められます。

標準治療の限界

ステージ4の肺がんに対する標準治療は、主に全身療法が中心です。
化学療法、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などが使用されます。
しかし、これらの治療が十分な効果を示さない場合や、副作用が強くて継続が難しいケースも少なくありません。
また、肝転移が進行していると肝機能の悪化により、使用できる薬剤に制限がかかることもあります。

局所治療の検討

肝転移が少数で限局している場合、局所治療を併用することが検討される場合もあります。
これはあくまで症状緩和や腫瘍負荷の低減が目的であり、根治を目指すものではありません。

治療法 内容
ラジオ波焼灼療法(RFA) 肝臓内の小さな腫瘍に対して、針を刺して高周波で熱を加え焼灼する方法。
動注化学療法(HAIC) 肝動脈を通じて局所的に抗がん剤を投与する方法。全身への影響を抑えられる。
放射線治療 腫瘍による圧迫症状や痛みがある場合に症状緩和を目的に使用。

分子標的薬と免疫療法の役割

近年では、EGFR変異やALK融合遺伝子などが確認されている患者様に対しては、分子標的薬の投与が有効とされています。
また、PD-L1の発現状況に応じて免疫チェックポイント阻害薬(オプジーボなど)を使用するケースもあります。
ただし、これらの薬剤も副作用や耐性の問題があり、すべての患者様に適応できるわけではありません。

生活の質を重視した治療方針

治療の効果だけでなく、患者様の生活の質を考慮した治療選択が重要になります。
副作用が強くて生活に支障をきたすような治療は、かえってQOLを下げてしまう可能性もあるため、
医師と相談しながら、本人の意思を尊重した治療方針を立てることが求められます。

選択肢としての光免疫療法

光免疫療法は、肺がん細胞に選択的に集積する薬剤を静脈から投与し、その後に近赤外線レーザーを照射してがん細胞を破壊する治療法です。
この方法は、正常な細胞への影響が少ないとされており、身体への負担が比較的抑えられる点が特徴です。
肺がんが肝臓に転移している場合でも、レーザーの照射が可能な部位に病変が限局していれば、治療対象として検討されることがあります。
標準治療が難しいとされるケースにおいても、局所的な治療選択肢のひとつとして光免疫療法が取り入れられることがあり、治療の幅を広げる手段となり得ます。
当院で提供している光免疫療法の詳細については、以下のリンクからご確認いただけます。

まとめ

肺がん(ステージ4)で肝転移がある場合、病状の進行具合によっては根治的な治療が難しいこともあります。
そのような場合には、全身状態やご希望に応じて、全身療法を中心としながら、症状の緩和や生活の質(QOL)の維持を重視した治療方針が検討されます。
標準治療が難しい状況では、局所療法や補助的な治療も視野に入れながら、患者様一人ひとりに合った治療戦略を立てていくことが大切です。
治療の選択肢については、医師との十分な相談のもとで判断し、必要に応じてセカンドオピニオンを活用することも有効です。

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