前立腺がんの肺転移(ステージ4)に関する治療の選択肢
前立腺がんと肺転移の位置づけ
前立腺がんは比較的進行が緩やかながんとして知られていますが、病状が進むと骨やリンパ節、内臓臓器へ転移を起こすことがあります。
肺転移が認められた状態は、ステージ4(遠隔転移あり)に分類されます。
この段階で、多くの患者さんやご家族が次のような思いを抱かれます。
● もう治療はできないのではないか
● 何を選べばよいのかわからない
● 今後どう過ごせばよいのか不安
前立腺がんの転移は骨転移が最も多く、肺転移は比較的まれです。
ただし近年は、症状が出る前に画像検査で見つかるケースも増えています。
肺転移が起こる仕組みと病状の特徴
肺転移は、前立腺から離れたがん細胞が血流やリンパ流に乗り、肺に定着・増殖することで起こります。
前立腺がんはホルモンの影響を強く受けるがんであるため、
● 初期にはホルモン療法が効きやすい
● 時間の経過とともに効きにくくなることがある
という特徴があります。
肺転移の経過は人によって異なり、
● 無症状のまま経過する
● 定期検査で偶然見つかる
● 進行してから咳・息切れが現れる
など、さまざまな経過をたどります。
診断と治療方針を決めるための評価
肺転移の診断には胸部CTが用いられます。
あわせて、前立腺がん特有のPSA値の推移も重要な判断材料となります。
治療方針を考える際には、次の点を総合的に評価します。
● 肺転移の数・大きさ・進行速度
● 骨や他臓器への転移の有無
● 日常生活の状態(PS)
● 患者さんご本人の希望
「どの治療が正しいか」ではなく、「その方にとって何が最善か」を考えることが重要です。
ステージ4前立腺がん(肺転移)の標準治療
肺転移がある場合、治療の中心は全身治療となります。
主な治療には以下があります。
● ホルモン療法
● 新規内分泌薬(エンザルタミド、アビラテロンなど)
● 化学療法(ドセタキセルなど)
● 痛みや症状を和らげる支持療法
病状が安定する方もいらっしゃいますが、
● 治療効果が徐々に弱まる
● 副作用によって生活の質が低下する
といった問題が生じることもあります。
標準治療の限界と、次の選択を考えるとき
ステージ4の前立腺がんでは、治療の目的は
「完治」ではなく、病気と向き合いながら生活の質を保つこと
になることが多くなります。
治療を続けるかどうかを考える際には、
● 副作用をどこまで受け入れるか
● 治療以外の時間をどう過ごしたいか
● ご本人が何を大切にしたいか
を、ゆっくり考えることが大切です。
光免疫療法という「もう一つの選択肢」
当院では、自由診療として前立腺がんの肺転移に対する光免疫療法を行っています。
この治療は、
● がん細胞を選択的に障害すること
● 免疫反応を刺激すること
を目的としています。
光免疫療法は「標準治療との併用」、「次の選択肢の治療」として用いられています。
患者さん・ご家族にとって大切なこと
治療を考える中で、
● 正しい選択ができているのか不安
● 迷う自分を責めてしまう
というお気持ちを抱く方も少なくありません。治療を続ける選択も、治療を控える選択も、どちらも尊重されるべきものです。
私たちは、治療だけでなく、患者さんとご家族の気持ちに向き合うことを大切にしています。
まとめ
前立腺がんの肺転移はステージ4に分類され、治療は全身治療が中心となります。
標準治療には一定の効果が期待できる一方で、限界や負担も存在します。
光免疫療法は、そのような状況の中で検討される選択肢の一つです。
治療について悩まれている方は、どんな段階でもご相談ください。

【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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