膵臓がんの光免疫療法について
光免疫療法の概要
光免疫療法とは、がん細胞をピンポイントで破壊する新しい治療法で、「第5のがん治療」とも呼ばれています。
がんの標準治療である手術、化学療法、放射線療法、免疫療法に続く選択肢として注目されています。
光に反応する物質(光感受性物質)を付けた薬剤を投与し、特定の光を患部に当て、がん細胞だけを選択的に破壊するという仕組みです。
この記事では、膵臓がんに対する光免疫療法について解説します。
光免疫療法は保険診療と自由診療が存在
実は、光免疫療法には保険診療と自由診療の治療法が存在しています。
日本では、保険診療と自由診療で適用範囲や条件が異なります。
適用部位
●保険診療:切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん(舌がん、咽頭がんなど)に限定される。
●自由診療:頭頸部がん以外(膵臓がん、肺がん、乳がんなど)や、保険適用外の症例にも対応可能。
薬剤
●保険診療:アキャルックスのみ使用される。
●自由診療:アキャルックス以外にICGリポソーム、タラポルフィンなども使用される場合あり。
費用
●保険診療:保険適用されるため、患者負担は3割(高額療養費制度適用可)。1クール:数万~十万程度。
●自由診療:全額自己負担となる。1クール:数十万~数百万。
上記のような違いがあるため、ご自身に適した光免疫療法を選択することが重要となります。
当院で提供している光免疫療法については、自由診療(ICGリポソーム)のものとなります。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
日本の保険診療での適用状況
光免疫療法は、2020年9月に日本で世界初承認され、2021年1月から頭頸部がんのみ保険適用されています。
頭頸部とは、頭部と首の部分を指し、口腔がん、咽頭がん、喉頭がんなど、多くのがんがこの部位を指します。
光免疫療法は、これらの頭頸部のがんに対して有効であるとの研究結果が報告されており、保険診療の対象となっています。
メカニズム詳細等に関しては、WEBサイトでご確認ください。
膵臓がんと光免疫療法
膵臓は腹部深部に位置する臓器であり、膵臓がんは自覚症状が少ないため早期発見が難しく、進行が速いといった特徴あります。
現在、膵臓がんに対しては、光免疫療法の保険適用はなく、標準治療としての確立もされていません。
そのため、膵臓がんに光免疫療法を適用する方法は自由診療のみとなります。
膵臓への光照射には高度な技術や経験が必要ですが、当院では経験豊富な医師が在籍しておりますのでご安心ください。
保険適用の見通し
2025年現在、膵臓がんへの光免疫療法の保険適用は実現していません。
しかし、頭頸部がんの治療成績を基に、他の部位のがんへの拡大が検討されています。
そのため、将来的には、膵臓がんも保険適用となる可能性がありますが、臨床試験での有効性や安全性の確認、技術的な課題のクリアなどが必要となります。
まとめ
光免疫療法には、保険診療と自由診療の治療法が存在し、相違点として適用部位や使用する薬剤、費用などが挙げられます。
現在、保険適用される部位については、頭頸部がんに限定されるため、膵臓がんに光免疫療法を行う場合は自由診療のみとなる。
当院で提供している光免疫療法は自由診療となり、進行した膵臓がんに対しても適用できる可能性があります。
また、当院の光免疫療法は標準治療と併用して治療を受けられるため、現在、膵臓がん治療中の患者様でもお気軽にご相談頂けます。

【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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