遺伝子治療のメリット、デメリット。OGC大阪がんクリニック光免疫療法導入院

作成日2020.6.8 編集日2020.6.8

 当該ページ目次

  1. 遺伝子治療の概要
  2. 遺伝子治療のメリット
  3. 遺伝子治療のデメリット

遺伝子治療の概要

遺伝子治療の概要

 ここでは、がんの遺伝子治療について、簡単に書かせて頂きます。(遺伝子治療にて詳細を書いております。)
 遺伝子療法とは、化学療法の1種で、21世紀のがんの治療において、期待されている治療の1つです。
がん遺伝子治療の考え方は、アメリカで1960年代の後半に生まれました。
 ウイルスの研究が大きく進み、ウイルスを上手に使えば、遺伝子を細胞内に運び込めるのではないかという発想が出てきたのです。
1970年台後半〜80年代前半にかけて、DNAが二重らせん構造であるという大発見を機に、分子生物学にフォーカスが当たるようになりました。
 人間の病気が遺伝子レベルで解析されるようになったのもこの時期です。
 1990年にはアメリカで、初めて遺伝子治療が成功し、その後、1995年に日本でも同様の成果が得られました。
 遺伝子操作による波紋が世界に広がる中、2000年代に実用段階に入り、アメリカとフランスで画期的な臨床試験の結果が報告され、そこから遺伝子治療はさらなる広がりを見せています。
 臨床試験計画書の承認件数は圧倒的にアメリカが多く、国自体が遺伝子治療を認めていて多くの医療機関で実施され発展しています。
 遺伝子治療においては日本はまだまだ後進国で、承認件数はアメリカと比べてもたった2.7%にしか過ぎず、研究者の数もアメリカには全く及ばず、技術的にもアメリカに頼らざるを得ない状況です。
 しかし、2020年5月29日には、次世代のがん治療として期待される遺伝子治療で、血液がんのがん細胞を攻撃するため、微粒子を使ってがん細胞に正確・高効率に治療遺伝子を運ぶ「がん指向性リポソーム技術」を共同開発し、国内でもこういった可能性が広がる研究に取り組んでおります。

以下、遺伝子治療のメリット/デメリットも記載します。

遺伝子治療のメリット

遺伝子治療のメリット

副作用が少ない
 がんの遺伝子医療では、がん細胞の核内に、がん抑制遺伝子を導入することで、遺伝子に傷を付けて細胞死する機能を損なってしまったがん細胞の異常な増殖を止め、自然な細胞死へと導きます。使用する複数のがん抑制遺伝子は、正常細胞に悪影響がないため、ほとんど副作用がありません。

耐性にならない
 がんには、最初から特定の抗がん剤が効かないがん細胞(自然耐性)や、抗がん剤を使用している過程で、薬剤耐性遺伝子が働き効果が得られなくなるがん細胞(獲得耐性)が含まれています。がん遺伝子医療は、がん細胞の核内で作用するため耐性となることがなく、抗がん剤の効果が得られにくい耐性を持ったがん細胞にも有効です。

治療範囲が広い
 がん遺伝子医療は、全身の細胞レベルで効果があり、一定の大きさのがんが存在する初回のがん治療や再発がん治療ばかりでなく、マイクロ転移や微細ながん細胞からの再発予防や、がん発生予防にも有効であり、治療適応範囲が非常に広いといわれています。

病期によらない
 どの部位のがんでも、がん細胞の発生や無限増殖には、がん抑制遺伝子の異常が深く関わっているため、がん遺伝子医療はがんの病期に関係なく有効です。

治療の併用可
 抗がん剤や放射線治療等、現状で他の治療を受けている場合でも、影響無く、遺伝子治療を受けることが可能とされており、寧ろ、兼用することで相乗効果を示します。

場所を選ばない
 通常の治療法は、点滴投与です。がん腫瘍へ直接注入も可能です。
 がんの遺伝子医療は、他の治療と比べると比較的簡単な治療なので、入院等も不要です。
 患者様の日常を普段通りに過ごして頂きながら、通院での治療が可能です。

遺伝子治療のデメリット

遺伝子治療のデメリット

保険の適用外
 がんの遺伝子治療は、保険の適用外になっています。
遺伝子治療は、先進医療となあるため、保険は適用されません。
 先進医療とは、大学病院などで開発された、最先端の医療技術で、厚生労働大臣が認可した治療技術のことです。
 先進医療による治療が行われるのは、患者が希望し、医師が必要と認めた場合に限られます。
 この先進医療は、自由診療として扱われるため、保険診療の適用となりません。
 先進医療については、治療の効果や安全性がまだ不十分と判断されているため、保険の適用にはならないのです。
 遺伝子治療についても、今後効果が確立されてくれば、保険適用になる可能性もありますが、現時点では保険の適用外となることを覚えておきましょう。

治療費が高額になる
 遺伝子治療は、自由診療なので、保険の適用外になり、治療費が全額自己負担になります。
 また高額療養費制度にも適用されないので、治療費はかなり高額になります。(遺伝子治療は、医療費控除制度の対象にはなるので、領収書等は必ず保管し、控除を受けましょう。)

効果が確立していない
 遺伝子治療は、理論上は優れており、効果の期待値が高い治療法なのですが、まだ十分な有効性が確認されていません。
 高額で治療を受けても、必ず治療の恩恵が受けられるとは限りません。