脂腺がんとは
脂腺がんは皮膚の脂腺細胞から発生するがんです。
このタイプのがんは、皮膚の脂腺が密集している頭皮、顔、耳の後ろ、背中などによく発生します。
脂腺がんは他のがん種に比べて比較的まれであり、皮膚がん全体の中では少数派に属します。
このがんは、初期段階では目立たないことが多く、進行が遅い特徴を持っています。
しかし、進行すると隣接組織に侵入しやすく、リンパ節や遠隔部位に転移するリスクも高まります。
脂腺がんの原因
脂腺がんの発生には、いくつかの要因が関与しています。
遺伝的な要素や、紫外線への長期的な曝露がリスクを高めるとされています。
また、高齢者や免疫系が弱っている人は脂腺がんのリスクが高いとされています。
化学物質への曝露や、過去に皮膚がんの診断を受けた人もリスクが高まることが示されています。
加えて、皮膚の炎症や慢性的な皮膚疾患の歴史も脂腺がんのリスク要因となり得ます。
脂腺がんの症状
脂腺がんの症状は、その発生場所と進行度によって異なります。
初期段階では、皮膚上に小さなしこりや腫れが見られることが一般的です。
これらの腫れやしこりは、しばしば硬く、時には赤みを帯びることがあります。
進行した脂腺がんは皮膚の潰瘍や出血を引き起こすことがあり、痛みを伴うこともあります。
また、がんがリンパ節に転移すると、腫れや硬化がリンパ節の周辺で感じられることがあります。
診断方法
脂腺がんの診断は、主に皮膚生検によって行われます。
疑わしい皮膚領域から小片を採取し、顕微鏡下で検査を行います。
画像診断技術、例えばCTスキャンやMRI、は腫瘍の広がりを評価するのに有効です。
血液検査や他のバイオマーカー検査は、脂腺がんの進行度や治療反応をモニタリングするのに役立ちます。
また、遺伝子検査は脂腺がんの診断に洞察を提供し、個別化された治療計画の策定に役立つことがあります。
脂腺がんの治療
脂腺がんの治療は、がんの種類、進行度、患者様の健康状態に基づいて個別化されます。
治療法には、手術、放射線療法、化学療法などがありますが、状況に応じて組み合わせて行うこともあります。
治療計画は、がんの進行度や患者様の全体的な健康状態を考慮して慎重に策定されます。
治療の目的は、がん細胞の除去、症状の緩和、および再発の防止です。
治療後のフォローアップは、再発の早期発見や適切な管理に不可欠です。
手術
手術は脂腺がん治療の基本的な方法です。
小さながんは局所的な切除で除去可能ですが、大きながんでは広範な切除が必要になることがあります。
周囲の健康な組織も一緒に取り除くことで、がん細胞の完全な除去を目指します。
手術後の再建手術は、外見や機能の回復を助けることがあります。
がんの広がりや位置によっては、手術が適用できない場合もあります。
放射線療法と化学療法
放射線療法は高エネルギー放射線を使ってがん細胞を破壊します。
これは単独で使用されることもあれば、手術後の補助療法として使用されることもあります。
化学療法はがん細胞の成長を阻害する薬剤を使用します。
化学療法は全身療法であり、手術や放射線療法と組み合わせて使用されることが多いです。
これらの治療法は、特に進行した脂腺がんや転移性の場合に有効です。
光免疫療法
光免疫療法は、特定の光を吸収する薬剤をがん細胞に集積させ、その後特定の波長の光を照射して、がん細胞を選択的に破壊する治療法です。
この治療法は、手術が難しい場合や他の治療法に反応しない場合の選択肢となり得る可能性があります。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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