乳がんの抗がん剤治療と光免疫療法の詳細解説

乳がんの抗がん剤治療と光免疫療法の詳細

乳がんの背景

乳がんは、乳腺組織に発生するがんの一つで、女性に多く見られるが、男性も罹患する可能性があります。
乳がんの原因は多岐にわたり、遺伝的要因やホルモンの影響、生活習慣などが関与していると考えられています。
また、腫瘍の大きさ、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無によってステージ0~ステージⅣに分類されます。
ステージが低い段階で治療を行うことが出来れば、他の部位のがんより生存率が高いため、早期発見が非常に重要といえます。
そして、がんの性質や進行度によって治療法の種類や順序も異なるため、正確な診断を行う必要があります。
乳がんのリスクを低減するためには、健康的な生活習慣や食生活、禁煙、過度なアルコール摂取の制限などが挙げられます。

抗がん剤治療の目的

抗がん剤治療は、がん細胞を攻撃し、増殖を抑制するための治療法です。
使用する薬剤は、飲み薬や点滴(静脈注射)といった方法で体内に取り入れます。
抗がん剤治療が必要かどうかは、乳がんの性質や進行度などの再発リスクによって決定されますが、ステージⅡ以降の乳がんに対しては行われることが一般的です。
また、抗がん剤の種類や投与スケジュールは、乳がんの種類やステージ、患者様の体調・副作用の有無などに応じて調整されます。

抗がん剤の効果

抗がん剤は、全身に広がっているがん細胞に直接作用し、がん細胞を死滅させることが目的です。
がん細胞が分裂して増殖する各過程において作用することで、がん細胞の増殖を抑えることができます。
抗がん剤の種類によって、どの過程に作用するかなどが変わってきます。

乳がんの抗がん剤治療で使用する薬剤

乳がんにおいて使用される、主な抗がん剤の一部は以下となります。

●アルキル化薬
アルキル化薬は遺伝子と結合し、がん細胞が分裂する過程を妨害して増殖を止めます。

●アントラサイクリン系薬
アントラサイクリン系薬は、抗生物質の化学構造を変化させ、がん細胞を直接標的とする薬です。
DNAの合成に必要なトポイソメラーゼと(酵素)の働きを妨げ、抗がん作用を示します。

●ビンカアルカロイド系薬
ビンカアルカロイド系薬は、細胞分裂で重要な役割を果たす微小管の動きを止め、がん細胞の増殖を抑える薬です。
タキサン系薬も同様に微小管の動きを阻害します。

●トポイソメラーゼ阻害薬
トポイソメラーゼ阻害薬とは、DNAの合成に必要なトポイソメラーゼを阻害する薬です。
DNAを合成することができず、がん細胞の増殖が止まります。

抗がん剤治療のタイミング

乳がん治療において、抗がん剤治療を行うタイミングは、手術前、手術後、遠隔臓器への転移後の3パターンが一般的です。

①手術前抗がん剤治療
腫瘍が小さくなり乳房温存術が可能となる、また、手術が出来る大きさまで腫瘍を縮小させる。
HER2陽性乳がんなどの特定の乳がんに対して、がん細胞がすると予後も良好になることがわかっている。

②手術後抗がん剤治療
全身に広がっている可能性のあるがん細胞や手術で切除しきれなかったがん細胞を根絶させ、再発・転移の予防を行う。

③遠隔臓器への転移後
全身転移によって起きる、各部位の痛みや倦怠感・疲労感の軽減。
転移したがんの進行を抑える。

抗がん剤治療の副作用

抗がん剤治療は、がん細胞を効果的に減少させることができますが、多少なりとも同時に正常な細胞にも影響を及ぼします。
薬剤の種類や投与量、治療の頻度などは、医師の判断により慎重に選択されますが、それでも以下のような副作用が発症する場合があります。

●吐き気・嘔吐
抗がん剤の投与直後(急性嘔吐)や数日間(遅発性嘔吐)起こることがあります。制吐剤によって症状を抑えることができます。
●骨髄抑制
骨髄の働きが抑制され、白血球、赤血球、血小板が低下します。その結果、免疫力の低下、貧血、出血のしやすさなどの症状が出ます。
●疲労感・倦怠感
抗がん剤がエネルギー代謝や血液成分に影響を与えるために疲労感や倦怠感が現れます。
●脱毛
毛髪を作る細胞がダメージを受けることで起こります。頭髪だけでなく、眉毛、まつ毛、体毛など全身の毛が抜けることがあります。
●動悸や息切れ
心臓に負担がかかり、動悸や息苦しさ、浮腫みが現れることがあります。
●口内炎
口内の粘膜がダメージを受けることで口内炎が発症することがあります。
●下痢・便秘
腸管の粘膜や蠕動運動に影響を及ぼし、下痢や便秘になることがあります。

副作用が強く出る場合は、医師に相談し、治療計画の見直しや対症療法が行われることがあります。

光免疫療法との併用

光免疫療法は、特定の光を照射することでがん細胞を攻撃する治療法で、抗がん剤治療との併用により、治療効果の向上が期待されています。
また、光免疫療法は特定の薬剤と光の組み合わせにより、がん細胞を選択的に攻撃することができるため、副作用が少ないとされています。
光免疫療法を集学的治療の一つとして取り入れることで、乳がんの治療の選択肢が増え、より効果的な治療が可能となることが期待されています。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。

まとめ

乳がんの抗がん剤治療は、がん細胞の増殖を抑制する治療法の一つです。
効果的な治療法ですが、副作用も存在するため、投与する用量やスケジュールは慎重に決定する必要があります。
光免疫療法は、抗がん剤治療やその他の治療と組み合わせることで、乳がん治療のより良い効果が期待できます。

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