乳がんにおける化学療法「乳がん治療の基礎から現代治療の情報まで」

乳がんの化学療法について

乳がんにおける化学療法の目的

化学療法とは、抗がん剤を投与してがん細胞を攻撃して死滅させる治療法です。
全身に転移しているがんを攻撃する以外にも、がんの進行を抑えたり、症状の緩和も行います。
乳がんにおける化学療法は、主には全身に転移しているがんの進行を抑えることが目的となります。
化学療法では、検査で発見できないほどの微小転移巣に対する治療効果も期待できます。

化学療法が適用される乳がんと抗がん剤の種類

化学療法は、悪性度が高いがんや、ホルモン受容体及びHER2受容体がともに陰性のタイプのがんに対して行われます。
また、抗がん剤は一種類の抗がん剤ではなく、組み合わせて使用します。
薬を組み合わせることで、副作用を出来るだけ少なくし、複合的な効果を出せると考えれています。
乳がんにおいて、標準的な治療として使用される抗がん剤には、以下のようなものがあります。

①アンスラサイクリン系
直接遺伝子を破壊してがん細胞を死滅させる効果があります。
AC療法ではドキソルビシンとシクロホスファミド、EC療法ではエピルビシンとシクロホスファミドを組み合わせて使用します。
アンスラサイクリン系の抗がん薬は、術前・術後の治療以外にも、転移・再発乳がんの治療にも使用されます。

②タキサン系
TC療法はドセタキセルとシクロホスファミドが投与されます。他にもパクリタキセル、ナブパクリタキセルといった薬剤もあります。
タキサン系は、アンスラサイクリン系の薬剤と同様に、術前・術後、転移・再発乳がんの治療にもよく使用されます。

③エリブリン系
転移・再発乳がんに主に使用する薬剤です。
アンスラサイクリン系およびタキサン系治療抵抗性の患者に対して、予後を改善する結果が分かっています。

化学療法を行うタイミング

化学療法は、乳がんの進行状況や性質によって、行うタイミングが異なります。

①術前化学療法
術前化学療法は、手術前に行う化学療法のことであり、約70~90%の乳がんは縮小するといわれています。
この治療法のメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。

・手術前に腫瘍を縮小させることで、乳房温存術の適応が拡大することや、切除不可能な大きな腫瘍を切除可能な大きさにする。
・化学療法の効果の程度で、その後の経過を予測することが可能

②術後化学療法
手術後に行う化学療法のことであり、メリットは以下のようなことが挙げられます。

・リンパ節転移によって全身に広がっているがん細胞(微小転移)を根絶する
・乳房内や遠隔転移での再発を予防し、予後を改善する

③遠隔転移したがんに対する化学療法
遠隔転移したがんに対する化学療法を行うメリットは、以下のようなことが挙げられます。

・全身で出ている辛い症状を緩和し、生活しやすくする
・がんの進行を抑え、出来るだけ生存期間を延ばす

化学療法の副作用

抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常細胞にも影響を及ぼすため、多くの副作用があります。
代表的な副作用として、脱毛、吐き気、骨髄抑制(白血球減少)、口内炎、下痢、疲労などが挙げられます。
これらの副作用は一時的で、治療終了後には改善することが多いですが、患者様によっては長期的な影響を受けることもあります。

光免疫療法についての簡潔な説明

光免疫療法は、特定の光を照射することで、がん細胞を選択的に破壊する治療法です。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。

化学療法における個別化治療の重要性

抗がん剤は、臨床試験のデータを基に、適切であることが確認された薬の組み合わせや用量で使用します。
患者様に副作用が出ないか慎重に見定めながら、最も治療効果が期待されるスケジュールと用量で抗がん剤治療を行うことが重要です。
このような個別化されたアプローチにより、効果的で副作用の少ない治療が可能となり、患者様の生活の質(QOL)の維持に寄与します。

化学療法の未来

乳がん治療の分野では、今後も化学療法の効果を高め、副作用を低減するための研究が続けられます。
新たな薬剤の開発や、既存の薬剤のより効果的な組み合わせの研究が進む中、個々の患者様に最適な治療法の提供が可能になることが期待されます。
また、ゲノム医学の進歩により、より精密な個別化医療が実現する未来が見込まれています。

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