ホリスティックの由来
ホリスティック(Holistic)という単語は、ホーリズム(holism)の形容詞からきており、ギリシャ語の『holos(全体)』が語源とされています。
そこから派生した言葉にwhole、heal、holy、health等があり、健康『health』という単語そのものが元来『全体』に根ざしています。今では『Holistic』という言葉は、「全体」・「つながり」といった意味を内包したワードとして解釈されています。
心理的ホリスティック療法とは
がん治療において重要とされる要素の一つとして『免疫力』が挙げられます。
免疫はとても複雑なシステム下で機能しており、一方向だけでは説明がつきません。
免疫力には、『こころ』の状態も関連していると考えられるようになってきました。
心理的ホリスティック療法は、肉体的な側面と精神的な側面もの両方の視点でアプローチを試みようといった療法です。
1970年代に医学観としてアメリカで注目されたものが『ホリスティック医学』で、人は心と身体で構成されており、魂(霊性)や環境から人間の本質そのものを捉え、治療へとつなげていく医学観のことを指します。
がんについて知っておきたいこととは
また、このような考え方を取り入れた代替療法(=心理的ホリスティック療法)を行うことで、生来人間がもっている自然治癒力を向上が期待できると考えました。
ただし、自然治癒力を高める絶対的な要因になってるわけではなく、あくまで可能性の一つとして考えられています。
しかし、人間の生来備わっている自然治癒力を覚醒させるための取り組みは、がんの闘病において非常に大切な取り組みだと考えられます。
緩和ケア等も心理的ホリスティック療法を考慮している取り組みだと考えられます。
心理的ホリスティック療法の定義
『日本ホリスティック医学協会』の心理的ホリスティック療法の定義は以下の通りです。(日本ホリスティック医学協会参照)
1.ホリスティック(全的)な健康観に立脚する
人間を「体・心・気・霊性」等の有機的統合体ととらえ、社会・自然・宇宙との調和にもとづく包括的、全体的な健康観に立脚する。
2.自然治癒力を癒しの原点におく
生命が本来、自らのものとしてもっている「自然治癒力」を癒しの原点におき、この自然治癒力を高め、増強することを治療の基本とする。
心理的ホリスティック療法の定義2
3.患者自ら癒し、治療者は援助する
病気を癒す中心は患者であり、治療者はあくまでも援助者である。治療よりも 養生、他者療法よりも自己療法が基本であり、ライフスタイルを改善して患者自身が「自ら癒す」姿勢が治療の基本となる。
4.様々な治療法を選択・統合し、最も適切な治療を行う
西洋医学の利点を生かしながら中国医学やインド医学など各国の伝統医学、心理療法、自然療法、栄養療法、手技療法、運動療法、などの各種代替療法を総合的、体系的に選択・統合し、最も適切な治療を行う。
5.病の深い意味に気づき自己実現をめざす
病気や障害、老い、死といったものを単に否定的にとらえるのでなく、むしろその深い意味に気づき、生と死のプロセスの中で、より深い充足感のある自己実現をたえずめざしていく。
【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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