大腸がんの肝転移(ステージ4 )に関する治療の選択肢

大腸がんステージ4における肝転移とは

大腸がんは日本で非常に多く見られるがんであり、進行すると遠隔転移を伴うことがあります。
ステージ4では、特に肝臓への転移が高頻度に見られます。
これは大腸からの血流が門脈を通じて肝臓へ流れるため、がん細胞が到達しやすいからです。
肝転移が起こると、がんのコントロールが難しくなることが多く、治療方針も複雑になります。

肝転移に対する一般的な治療方針

肝転移に対しては、まず外科的切除の可能性を検討します。
切除可能な場合は、根治を目指すことが可能です。
しかし、転移が多発していたり、他の臓器にも転移がある場合は手術適応外となり、全身化学療法が中心となります。
治療の選択は画像診断や血液検査の結果を総合的に判断して決定されます。

化学療法の主な種類とその目的

ステージ4の大腸がんに対する標準的な化学療法には以下のようなレジメンがあります。

治療法 特徴
FOLFOX フルオロウラシル+ロイコボリン+オキサリプラチンによる併用療法。
FOLFIRI フルオロウラシル+ロイコボリン+イリノテカンで構成される化学療法。
分子標的薬 ベバシズマブやセツキシマブなどを化学療法と併用。

これらの治療はがんの進行抑制や延命を目的としていますが、副作用が生活の質に影響を及ぼすこともあります。

局所療法という選択肢

肝転移に対しては以下のような局所療法も検討されます。

局所療法名 適応と特徴
RFA(ラジオ波焼灼) 腫瘍を高周波で焼灼。小さな腫瘍に有効。
MWA(マイクロ波凝固) 高出力で短時間の治療が可能。より深部の腫瘍に対応。
TACE 肝動脈へ抗がん剤を投与し、血管を塞栓する局所化学療法。

これらの治療法は、肝機能や腫瘍の位置、数などにより選択されます。

光免疫療法の可能性

光免疫療法は、大腸がんのがん細胞に選択的に集積する薬剤を体内に投与し、その後、特定の波長の光を照射することで、がん細胞のみを破壊する治療法です。
正常な臓器や骨への影響を抑えながら、がんが存在する部位に局所的に作用することが特徴であり、身体への負担が比較的少ない方法とされています。
大腸がんが肝臓や骨などに転移している場合でも、病変が光の照射で到達可能な範囲に限局していれば、この治療法が適応となる可能性があります。
また、全身状態が安定していない患者様においても、局所への照射が可能であれば、標準的な治療が困難な状況下での一つの選択肢となる場合があります。
ただし、光免疫療法はすべての患者様に適応できるわけではなく、導入には慎重な検討が必要です。
照射対象となる病変の部位やがんの進行状況、患者様の全身状態などを踏まえ、医師が総合的に判断して治療方針を決定します。
当院で実施している大腸がんへの光免疫療法に関する詳細は、以下のページをご参照ください。

まとめ「生活の質を重視した治療選択」

大腸がんステージ4における肝転移では、治療の選択肢が多岐にわたります。
外科的切除が困難な場合でも、化学療法や局所療法、そして光免疫療法などを組み合わせることで、治療の可能性が広がります。
重要なのは、患者様の生活の質を保ちながら、希望を尊重した治療方針を検討することです。
早期に専門医と相談し、信頼できる医療機関での診断・治療を受けることが、より良い結果につながります。

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