卵巣がんの抗がん剤治療についての詳細解説
卵巣がんとは、子宮の左右にある卵巣に発生するがんです。
原因は腫瘍のタイプによって異なり、50代~60代が発症のピークとなります。
この疾患は、早期の段階では特有の症状が現れにくいため、進行してからの診断が多いとされています。
また、卵巣がんは他のがんと比べて抗がん剤がよく効くがんであり、進行期や組織型などに応じて様々な抗がん剤治療が行われます。
卵巣がんの抗がん剤治療の目的
卵巣がんの抗がん剤治療の目的は、手術で摘出しきれなかった腫瘍を小さくするため、もしくは腫瘍が大きく手術ができない場合に腫瘍を小さくしてから改めて手術を行うようにするためです。
また、手術でがんを全て摘出できた場合でも、再発予防のために行います。
抗がん剤の種類と特徴
卵巣がんの治療に使用される抗がん剤には、いくつかの種類があります。
卵巣がんの抗がん剤治療は多くの場合、作用の仕方が異なる2つの薬を併用して進められます。
●プラチナ系薬剤: がん細胞のDNAと結合し、細胞の成長を阻害します。
●タキサン系薬剤: 細胞分裂の際の微小管の機能を阻害し、がん細胞の成長を停止させます。
治療の効果や副作用、患者様の状態に応じて、最適な薬剤や治療スケジュールが選択されます。
組織型と抗がん剤治療の適用
組織型とは、がんの種類(タイプ)のことであり、組織型によって進行の早さや抗がん剤の効果が変わってきます。
卵巣がんは進行した段階で見つかることが多い疾患ですが、他のがんと比べて抗がん剤(化学療法)がよく効きます。
そのため、抗がん剤が有効な卵巣がんの組織型を診断することは、非常に重要となります。
卵巣がんの組織型は、漿液性がん、類内膜がん、明細胞がん、粘液性がんの4つとなります。
このうち、漿液性がんと類内膜がんについては、抗がん剤が効きやすい組織型となります。
抗がん剤治療(化学療法)のタイミング
化学療法は、主に以下のタイミングで行われます。
また、再発した場合も化学療法は選択されることが多いです。
●術後化学療法
術後化学療法は、手術の効果を高めるためや再発のリスクを低減させるために行われます。
ステージⅢ及びⅣの進行がんの場合には、分子標的薬も併用することがあります。
また、早期がんであるステージⅠAやⅠBの低異型度のがんの場合には、術後化学療法を行わないこともあります。
●術前化学療法
初回治療の手術で、がんを取り切ることが難しいと判断された場合に検討されます。
化学療法によってがんを小さくして、手術によって完全に取り切ることを目指します。
●再発がんに対する化学療法
再発した卵巣がんの治療には、化学療法が推奨されています。
治療法は、初回化学療法終了から再発するまでの期間(6ヵ月未満か6ヵ月以上)によって違います。
初回化学療法から6ヵ月以上経過している場合、抗がん剤が効きやすいとみなされ、プラチナ系薬剤を含む複数の薬剤を使った多剤併用療法が推奨されます。
一方で、初回化学療法が終了してから6ヵ月未満で再発した場合、抗がん剤が効きにくいことが予測され、1種類の薬剤による単剤療法が推奨されます。
抗がん剤治療の副作用
抗がん剤治療は、卵巣がんに効果的な治療法である一方、副作用も伴うことが知られています。
これは、抗がん剤が正常な細胞にも作用するためです。
主な副作用としては、脱毛、食欲不振、吐き気、白血球減少、血小板減少などが挙げられます。
しかし、これらの副作用は治療終了後に徐々に回復することが多いです。
副作用の程度や種類は、使用する薬剤や治療の回数、患者様の体質によって異なります。
光免疫療法とその可能性
光免疫療法は、特定の波長の光を照射してがん細胞を活性化させることでがん細胞を攻撃します。
抗がん剤治療との相乗効果を向上させるだけではなく、副作用の軽減や治療期間の短縮にも寄与する可能性が期待されています。
この治療法は、卵巣がんにおいても適用可能なケースがあります。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
まとめ
卵巣がんにおける抗がん剤治療は、がんの組織型によって効果の高い有効な治療法となります。
術前・術後、再発後での抗がん剤治療がありますが、がんの進行度やグレードによって行うタイミングは異なります。
光免疫療法は、卵巣がんに対しても有効な治療法となる可能性があります。
抗がん治療とも併用可能なため、標準治療以外の治療法を検討中の方はご検討ください。
患者様の状態や希望、治療の目的に応じて、最適な治療法を選択することが大切です。

【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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