1ヶ月目の卵巣がんの進行状況と早期発見

症状に乏しい卵巣がん

卵巣がんは卵巣の細胞にできる悪性腫瘍のことであり、発症の初期段階では症状がほとんど現れません。
気がついた時には進行している場合が多く、卵巣がんと診断された方のうち、約半数がステージⅢ~Ⅳの進行がんとなります。
日本では1年間に1万2千人以上が罹患しており、約5千人が亡くなっています。
日本人女性では40歳前後から増え始め、60歳前後が発症のピークとなります。

がんのタイプによって異なる進行スピード

卵巣がんの進行スピードは、がんの組織型・異型度やステージ、個人差によって異なりますが、他のがんと比べると進行スピードが早いがんとなります。
がんの組織型・異型度による進行スピードの目安は以下の通りです。

●漿液性がん:最も多いタイプで、低異型度と高異型度に分類される。高異型度の漿液性がんは進行が早い。
●明細胞がん:悪性度の高いタイプであり、進行は遅い傾向。
●類内膜がん:グレードの低いがんが多く、進行も遅い傾向。
●粘液性がん:グレード1〜3に分類され、発生した場合は大きく成長しやすい。

1ヶ月目の卵巣がんの進行状況

これまで説明した通り、卵巣がんの進行スピードには組織型や個人差といった要素が影響するため、一概に同じとはいえません。
目安として、卵巣がん発症から1ヶ月目の進行状況は、細胞の異常増殖が始まる段階です。
この段階での早期発見は、手術のみで根治する可能性が高く、生存率も高くなります。

原因とリスクファクター

卵巣がんは、色々な要因の積み重ねで発症すると考えられており、詳しい原因は解明されていません。
妊娠・出産経験が無い、初経が早い、閉経が遅いなどによって排卵回数が多くなるとリスクは高くなるとされています。
また、子宮内膜症の人も卵巣がんを発症しやすいことが分かっています。
その他にも、卵巣がんの約10~15%は、遺伝的な要因で発症していると考えられています。
遺伝的要因の一つとして、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)が挙げられます。

1ヶ月目の卵巣がんの特徴

細胞の異常増殖

卵巣がんの初期段階では、卵巣内でがん細胞が増殖を始めます。
この段階では、がん細胞はまだ卵巣内に留まっていることが多いです。
しかし、増殖が進むにつれて隣接する組織や器官へ拡大するリスクが増大します。

症状の出現

卵巣がんは「サイレントキャンサー」と呼ばれるように、初期段階では症状がほとんどありません。
極稀に、下腹部の膨満感や排尿障害といった症状が早期に現れることがあります。
腹部の違和感に気がついた場合、放置するのではなく早急に婦人科へ相談してください。

早期卵巣がんの検査

卵巣がんは、国が推奨する検診がまだありません。
そのため、自分で検査を受けに行くか、子宮がん検診の時に経膣超音波などをオプションでつける必要があります。
卵巣がんは、血液検査(腫瘍マーカー)や超音波検査・CT・MRIといった画像検査によって、腫瘍の状態、周囲の臓器への広がり方や転移の有無などを調べることができます。

1ヶ月目の卵巣がんの治療

卵巣がんは、進行度によってステージⅠ期~Ⅳ期に分類されます。
ステージⅠやⅡは早期がんとされ、完全にがんを切除するために基本術式と呼ばれる手術が最初に行われます。
基本術式では、卵巣と卵管、子宮、大網を摘出し、後腹膜リンパ節も切除します。
手術では、切り取った細胞を調べて、異型度や悪性度を病理検査によって確定させます。
ステージⅠのうち、がんを完全に切除し、異型度の低いグレード1と判定された場合、再発リスクが低いため化学療法を行わず、経過観察となります。
発症から1ヵ月の卵巣がんはステージⅠの場合が大半であり、治療は手術のみとなることが多いと考えられます。

光免疫療法の適用

光免疫療法とは、特定の薬剤と光を組み合わせてがん細胞を攻撃する治療法です。
薬剤はがん細胞に選択的に集積し、その後特定の波長の光を照射することで、がん細胞を破壊する仕組みとなっています。
光免疫療法は、他の治療法と組み合わせて使用されることもあり、相乗効果が期待出来ます。
初期の卵巣がんに対して、有効な治療法となる可能性がありまるので、標準治療以外の治療法もご検討中の方はご相談ください。

まとめ

卵巣がん発症から1ヵ月目は、がん細胞が卵巣内に限局しているステージⅠの場合が多いです。
初期の卵巣がんでは自覚症状がほとんど無いため、遺伝的要素が考えられる人などは、自発的に検診を受けることをお勧めします。
進行していない初期段階の卵巣がんでは、治療は手術のみとなるケースもあります。
光免疫療法は、初期の卵巣がんにおいても有効な治療法となり得る可能性があります。
早期の段階での発見と治療は、卵巣がんの予後を大きく向上させる鍵となります。

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