直腸がんの骨転移とは
直腸がんがステージ4に進行すると、がん細胞は血液やリンパの流れを通じて他の臓器へと転移する可能性があります。
その転移先のひとつに「骨」があり、特に脊椎、骨盤、大腿骨などが影響を受けやすい部位です。
骨転移が起こると、患者様の生活に著しい支障をきたすことがあり、注意が必要です。
骨転移による代表的な症状
骨への転移が進むと、以下のような症状が現れることがあります。
これらは日常生活に大きな影響を与えるため、早期の対策が重要です。
| 症状 | 詳細 |
|---|---|
| 骨の持続的な痛み | 特に夜間に強く現れ、安静時でも痛むことがある |
| 病的骨折 | 骨が脆くなり、軽い負荷で骨折することがある |
| 脊髄圧迫 | 脊椎に転移した場合、神経を圧迫し麻痺や排尿障害が生じる |
骨転移の診断に用いられる検査
骨転移が疑われる場合、がんの広がりを把握するための検査が実施されます。
複数の検査を組み合わせて、正確な診断が行われます。
| 検査名 | 概要 |
|---|---|
| 骨シンチグラフィー | 骨全体の異常を可視化する核医学検査 |
| MRI | 骨の詳細な状態と神経圧迫の有無を確認する |
| PET-CT | がんの活動部位を明確にし、転移の有無を広範囲で調べる |
治療の目的と選択肢
骨転移があると診断された場合には、がんの状態やご年齢、体調などを踏まえたうえで、症状の軽減や生活の質を保つことを目的とした治療が検討されることが多くなります。
患者様お一人おひとりのご希望や体調に応じて、以下のような治療法が選ばれることがあります。
| 治療法 | 目的・特徴 |
|---|---|
| 放射線治療 | 局所の痛みを軽減し、腫瘍の縮小を目指す |
| 鎮痛薬 | オピオイドなどを使用し、痛みをコントロール |
| 骨修復薬 | ゾレドロン酸やデノスマブで骨の破壊を抑制する |
生活支援と心理的ケア
骨転移により、身体的な制限が増えることで日常生活に支障をきたすことがあります。
介護支援や在宅医療の導入、リハビリテーションを含めた連携が求められます。
また、がんの進行に対する不安や恐怖に寄り添う心理的サポートも不可欠です。
一部の患者様に選択される光免疫療法
標準治療が困難な患者様に対し、光免疫療法という選択肢が検討される場合があります。
これは、特定の薬剤と光を組み合わせてがん細胞を狙い撃ちする治療法で、身体への負担が比較的軽いことが特徴です。
骨に転移した直腸がんの一部に対しても、適応が判断されれば選択肢となることがあります。
以下より当院の光免疫療法の詳細に関してご確認頂けます。
まとめ
直腸がんのステージ4で骨転移が見つかった場合、完治を目指すことは難しくなりますが、症状を緩和しながら患者様の生活の質を高めるための選択肢は存在します。
放射線、鎮痛管理、支持療法を組み合わせて総合的に対応することが大切です。
光免疫療法などのアプローチも視野に入れながら、信頼できる医療機関と連携し、前向きな治療の選択を行うことが重要です。
【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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