小腸がん（ステージ4）骨転移とは
小腸がんは消化管の中でも比較的稀ながんとされています。
十二指腸・空腸・回腸に発生し、早期には自覚症状が出にくいこともあります。
そのため、発見時に進行しているケースも少なくありません。
ステージ4では遠隔転移が認められ、骨転移もその一つに含まれます。
骨転移が生じると、痛みや骨折リスク、運動障害など、日常生活にさまざまな影響が現れる可能性があります。
骨転移が起こる仕組み
がん細胞は血流やリンパ流を通じて体内を巡る場合があります。
骨は血流が豊富な部位が多く、がん細胞がたどり着くことも考えられます。
特に脊椎、骨盤、大腿骨、肋骨などが転移しやすい部位とされています。
骨に到達したがん細胞は、骨を形成する細胞や破壊する細胞のバランスを乱し、骨が脆弱になったり異常な骨形成が進行したりすることがあります。
骨転移による症状
| 症状 | 内容 |
|---|---|
| 骨の痛み | 骨にがんが浸潤することで慢性的な痛みが続く可能性があります。特に夜間に強く感じられることもあります。 |
| 病的骨折 | 骨の強度が低下し、軽い衝撃でも骨折に至ることがあります。 |
| 運動障害 | 骨折や痛みによって歩行や日常動作が制限される場合があります。 |
| 神経障害 | 脊椎への転移で神経が圧迫され、しびれや麻痺が生じることがあります。 |
| 高カルシウム血症 | 骨が破壊されることで血中カルシウム濃度が上昇し、倦怠感や意識障害につながる可能性があります。 |
標準治療の難しさと対応
小腸がんのステージ4で骨転移が確認されると、治療法の選択が難航する場合があります。
全身治療と局所治療、さらには症状緩和を組み合わせた総合的な対応が検討されます。
| 治療法 | 内容 |
|---|---|
| 化学療法 | 全身に作用する抗がん剤が使用されますが、骨転移部位への効果は限られることもあります。 |
| 放射線治療 | 骨転移による痛みの軽減や骨折予防を目的として局所的に照射されることがあります。 |
| 手術療法 | 骨折防止や脊椎固定など、整形外科的な手術が行われる場合もあります。 |
| 骨修飾薬 | ビスホスホネート製剤やデノスマブが使用され、骨の破壊を抑える目的で投与されます。 |
| 緩和ケア | 痛みや不安を軽減し、日常生活を支援する医療が行われます。 |
支持療法の重要性
骨転移による生活への影響を和らげるため、支持療法の役割は大きくなります。
| 支持療法 | 内容 |
|---|---|
| 鎮痛管理 | オピオイドやNSAIDsを用いた疼痛コントロールが検討されます。 |
| 日常生活の工夫 | 骨折予防のための生活指導や動作制限が考慮されます。 |
| リハビリ | 筋力維持や可動域の確保を目的とした運動療法が取り入れられることもあります。 |
| 栄養管理 | 全身状態を支えるため、バランスの取れた栄養摂取が大切とされます。 |
光免疫療法の可能性
従来治療に加え、選択肢として光免疫療法が一部で検討出来る可能性もあります。
光免疫療法は、がん細胞に集積する光感受性物質に近赤外線を照射することで細胞死を誘導する技術です。
正常細胞への影響を抑えつつ、がん細胞を選択的に攻撃する仕組みが特徴とされています。
当院の光免疫療法に関する詳細は以下よりご確認頂けます。
まとめ
小腸がん（ステージ4）の骨転移は、治療方針の検討が非常に複雑になる場合があります。
標準治療に加えて、支持療法や多職種によるサポートが重要視されます。
また、一部では光免疫療法の可能性も模索されていますが、慎重な検討が必要とされています。
患者様お一人おひとりの状態に合わせて柔軟な治療計画が組み立てられていきます。
【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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