目次
胃がんステージ4で肺転移がある状態とは
胃がんがステージ4と診断されるのは、がんが遠隔臓器に転移していると判断された場合です。
肺転移はそのひとつであり、血液やリンパの流れに乗ってがん細胞が肺に到達することで発生します。
この状態になると、がんは全身に影響を及ぼしていると考えられ、局所治療による根治は難しいとされることが多くなります。
肺転移にみられる症状と確認方法
肺への転移があっても、初期には無症状であることもあります。
しかし、以下のような症状が現れる場合には注意が必要です。
| 症状 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 持続的な咳 | がんによる刺激で咳が長引くことがあります。 |
| 血痰 | 肺の血管が破れて出血が起こる場合にみられます。 |
| 胸の痛み | がんが肺や胸膜を圧迫することで痛みを感じることがあります。 |
| 呼吸困難 | 肺機能が障害され、息苦しさが出ることがあります。 |
標準治療が難しいとされる背景
ステージ4で肺への転移がある場合、外科的な切除は適応外となることが多くなります。
全身状態が優れない患者様や、多発転移がある場合には、積極的な治療よりも症状の緩和を目的とした方針が優先されることもあります。
標準治療といわれる抗がん剤治療も、効果が期待できないケースや副作用への耐性が課題になることがあります。
検討される治療選択肢
患者様の状態や転移の範囲に応じて、次のような治療法が検討されます。
| 治療法 | 概要 |
|---|---|
| 全身化学療法 | 抗がん剤を点滴や内服で投与し、全身のがんに作用させます。 |
| 分子標的治療 | がん細胞の特性に基づいた薬剤を用いて攻撃します。 |
| 免疫療法 | 免疫チェックポイント阻害薬などで、がんに対する免疫反応を活性化させます。 |
| 緩和ケア | 痛みや呼吸苦などの症状をやわらげ、生活の質を保つための医療です。 |
選択肢としての光免疫療法
一部の医療機関では、選択肢として光免疫療法が検討される場合もあります。
光免疫療法は、がん細胞に集まりやすい薬剤を使い、その薬剤に特定の波長の光を照射することで、がん細胞を狙ってダメージを与える治療法です。
周囲の正常細胞への影響をできるだけ抑え、がん細胞に選択的に作用することを目的としています。
ただし、すべての患者様に適応されるわけではなく、対応している医療機関も限られているため、詳細は医師とよく相談することが推奨されます。
以下より当院の光免疫療法に関する情報をご確認いただけます。
治療方針の決定において大切なこと
進行がんと診断されたとき、患者様ご自身やご家族はさまざまな葛藤を抱えることになります。
治療の選択肢が多いとはいえ、それぞれにメリットとデメリットが存在し、医師との丁寧な対話が欠かせません。
目の前の治療効果だけでなく、今後の生活の質やご本人の希望も大切にしながら、納得のいく選択をしていくことが重要です。
【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
医療法人社団良凰会 医師一覧
