免疫と癌治療の新展開「運動と免疫チェックポイント阻害薬の相乗効果」

癌と免疫系の相互作用に関する研究

本庶佑教授の研究と免疫チェックポイント阻害薬

癌と免疫系の相互作用に関する研究は、近年、医学界の注目を集めています。
2018年、本庶佑教授は「驚異の免疫力」という研究を発表し、癌細胞によって弱体化した免疫細胞(T細胞)の機能を回復させる新たな治療法の可能性を示唆しました。
具体的には、本庶教授の研究により開発されたオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害薬が、癌の消失を促進することが明らかとなりました。
この発見は「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」にも掲載され、免疫チェックポイント阻害薬のドスタルリマブによって、進行した直腸癌が消失した事例も報告されています。

運動と免疫システムの関係

さらに、運動が免疫システムの活性化に寄与することも研究の対象となっています。
有酸素運動や筋トレは、人体の免疫応答を強化し、癌の治療効果を向上させる可能性があるとされています。
実際、癌診断後に運動を続けることで、癌の再発リスクが低減し、生存率が向上することが示されています。
特に、大腸癌の患者様においては、癌診断後の運動量が多い人は、運動量が少ない人に比べて生存期間が延び、死亡リスクが50%以上も低下することが確認されています。

運動とインターロイキン-15(IL-15)の関係

2022年5月に「Cancer Cell」誌に掲載された研究では、運動がインターロイキン-15(IL-15)の作用を介して、膵癌に対する免疫応答を活性化することが報告されました。
IL-15は、NK細胞やT細胞の増殖や活性化を促進するタンパク質であり、運動によってこのタンパク質の働きが強化されることが示唆されています。
実験モデルとして、膵癌を移植されたマウスに有酸素運動をさせた結果、運動を行わないマウスに比べて癌の大きさが20%〜30%も縮小することが確認されました。

運動と免疫細胞の活性化

この研究から、運動によって免疫細胞の活性化が促進され、免疫チェックポイント阻害薬の効果も高まることが示されています。
運動を通じてT細胞を癌組織に集約し、さらに免疫チェックポイント阻害薬を使用することで、T細胞の癌攻撃力が最大限に引き出される可能性があるとされています。

新しい治療法の開発

最後に、運動が困難な患者様のための新しい治療法として、IL-15を活性化する薬剤であるスーパーアゴニスト(NIZ985)が開発されています。
この薬剤によって、運動と同等の抗腫瘍効果が期待されており、今後の臨床応用が待たれています。

保険診療の光免疫療法

現在、保険適用となっている光免疫療法は「一部の頭頸部がん」のみであり、多くのがん患者様のニーズを満たすにはまだ時間を要します。
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免疫チェックポイント阻害薬の効果を向上させる複合治療

光免疫療法は、特定の波長の光を利用してがん細胞を特異的に攻撃し、その結果として抗原を放出させるというメカニズムを持っています。
一方、免疫チェックポイント阻害薬は、放出された抗原を標的として、免疫応答を強化し、がん細胞への攻撃を効率的に行うことができる特性を有しています。
理論的に、これら2つの治療法を組み合わせることで、それぞれの治療の効果が増幅され、相乗効果を高める傾向があります。

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