末期の肝臓がんと光免疫療法の詳細解説
末期の肝臓がんとは、主に肝細胞がん(HCC)や胆管細胞がんのステージⅣ(遠隔転移あり)を指し、がんが肝臓の外に広がり、肺、骨、リンパ節、腹膜などの遠隔臓器に転移した状態です。
日本での肝臓がん新規診断数は約3万件を超え、診断時の約70%がすでに進行・末期状態といわれています。
この段階では、肝機能の低下が進行し、予後は厳しく、中央生存期間は未治療で3〜6ヶ月、標準治療施行で12〜24ヶ月程度とされています。
原因は主にB型・C型肝炎、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)であり、早期症状の少なさ(無症状率80%以上)が発見を遅らせます。
診断は、超音波検査、CT/MRI、AFP腫瘍マーカー、生検で確定し、分子プロファイリング(NGSでTP53変異など)を加えて治療計画を立てます。
末期まで進行すると、治療の焦点は延命とQOL維持に移行しますが、治療の進歩によって長期生存例が増えています。
症状
末期肝臓がんの症状は肝機能不全と転移の影響で多岐にわたり、QOLを著しく低下させます。
主な症状は以下の通りです。
- 黄疸:ビリルビン蓄積による。肝転移や胆管圧迫で頻度50%以上、かゆみ・倦怠感を伴う。
- 腹部の膨張や痛み:腫瘍増大・腹水による。右上腹部痛が持続し、鎮痛薬が必要。
- 体重減少:悪液質で月1-2kg減。栄養吸収障害が加速。
- 食欲不振:代謝異常・炎症サイトカイン影響で進行。
- 疲労感:肝合成機能低下(アルブミン減少)で日常動作困難。
- 足のむくみ:低アルブミン血症による浮腫。肝硬変合併で頻発。
- 吐き気や嘔吐:消化機能障害・化学療法副作用。
- 便や尿の色の変化:黒色便(消化管出血)、茶色尿。
- 発熱や寒気:腫瘍壊死や感染(肝膿瘍)による。
これらの症状は肝不全(肝性脳症:意識障害)や出血傾向を招き、緊急入院率高く、早期緩和ケアが推奨されます。
進行
末期肝臓がんの進行は急速であり、がん細胞が肝外に広がり、他の臓器やリンパ節に影響を及ぼします。
血管侵襲(門脈腫塞栓)や多発結節が特徴です。
転移は肺(40%)、骨(20%)、リンパ節(15%)が主となり、肝機能低下が治療耐性を生み、PS 2以上で予後不良となります。
治療は症状緩和と進行遅延を目的とし、手術・放射線は適応外が大半です。
分子標的薬(ソラフェニブ、レンバチニブ)や免疫療法の併用で生存期間を延長可能ですが、肝毒性で中断率も高めとなります。
転移臓器の機能障害(肺転移で呼吸不全、骨転移で痛み)が全身状態を悪化させるため、多職種によるケアが不可欠です。
末期肝臓がんの標準治療
末期肝臓がんの標準治療は、BCLCガイドラインに基づき、全身療法中心となり、肝機能温存を優先します。
一次治療として、アテゾリズマブ+ベバシズマブが推奨されます。
代替として、トレメリムマブ+デュルバルマブ、ニボルマブ+イピリムマブも行われます。
分子標的単剤としてレンバチニブやソラフェニブ、二次治療はカボザンチニブやラムシルマブが主に行われます。
局所療法(TACE:経動脈化学塞栓、RFA:ラジオ波焼灼)は限局結節に併用可能です。
緩和ケアは早期導入でQOLが向上し、肝不全管理が必須となります。
光免疫療法とは
この治療法は、特定の薬剤と光を組み合わせてがん細胞を攻撃するものです。
光免疫療法は、末期の肝臓がんに対しても適応できる可能性があります。
また、他の治療法と組み合わせることで、相乗効果が期待される場合もあります。
光免疫療法の利点の一つは、健康な細胞へのダメージが少ないことです。
しかし、治療の効果は患者様の状態やがんの進行度によって異なるため、専門医との相談が必要です。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
治療の流れ
光免疫療法の基本的な流れは以下の通りです。
- 特定の薬剤を体内に投与します。
- この薬剤はがん細胞に集まりやすい性質を持っています。
- 薬剤ががん細胞に集まった後、特定の波長の光を照射します。
- 光と薬剤が反応し、がん細胞を破壊します。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
まとめ
末期肝臓がんは、肝機能低下と転移の複合で予後が厳しく、標準治療(免疫併用療法:アテゾリズマブ+ベバシズマブなど)で生存期間を延長可能ですが、副作用と耐性で限界があります。
光免疫療法は、選択的破壊と免疫活性化によって、肝毒性が低く転移巣制御に有望な治療法です。
また、この治療法は標準療法の補完としてQOL向上にも寄与します。
末期の肝臓がんに対する光免疫療法の適応など、疑問点があればお気軽にご相談ください。

【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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