ステージ1甲状腺がん「診断から治療、予後までの徹底解説」

• 超音波検査: 甲状腺の超音波検査は、しこりの性状や周囲の組織に対する影響を評価するのに役立ちます。無侵襲であり、がん組織と正常組織の違いを観察できます。
• CTスキャン: コンピュータ断層撮影は、身体内の詳細な断面像を提供し、がんの広がりやリンパ節への転移の有無を確認するのに役立ちます。
• MRI（磁気共鳴画像）: MRIは、柔らかい組織の詳細な画像を提供し、がん組織の性質を把握するのに適しています。

これらの画像検査は、がんの特性や進行度を理解し、適切な治療戦略を選択する上で不可欠です。

手術はステージ1の甲状腺がんの治療において一般的なアプローチです。手術の種類には次の2つがあります。

3.1.1 甲状腺全摘出（全摘）:

甲状腺全摘出は、がんの影響を受けた甲状腺全体を取り除く手術です。この手術は、がんが広がっている可能性がある場合や複数のしこりが検出された場合に検討されます。全摘出により、がんの再発リスクを低減し、治療効果を向上させることが期待されます。

3.1.2 部分的な摘出（部分摘）:

部分的な摘出は、がんが限局している場合に選択されることがあります。これは、甲状腺の一部分だけを取り除く手術であり、周囲の組織や器官に出来る限り影響を与得ない状態を目指します。部分摘出は、患者の甲状腺機能を維持するのに役立つことがあります。

手術後、がん細胞の残存や再発予防のために放射線療法が選択されることがあります。放射線は高エネルギーを持つ光線でがん細胞を標的にし、その増殖を抑制します。これにより手術で除去されなかったがん細胞に対処し、再発のリスクを低減することが期待されます。

甲状腺ホルモン療法は、手術により甲状腺が部分的または完全に取り除かれた場合に必要とされる治療法です。甲状腺ホルモンの補充療法により、患者の体内に不足しているホルモンを補充し、正常な代謝やエネルギー生産を維持します。これは生活の質を向上させ、甲状腺ホルモンのバランスを調整するのに効果的です。患者の個別の状態に応じて、ホルモンの種類や投与量が調整されることがあります。