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大腸がんの腹膜播種(ステージⅣ)に関する治療の選択肢
大腸がんは日本で最も罹患数の多い消化器がんの一つで、2025年では年間新規診断数が約15万件を超えています。
ステージⅣは遠隔転移(M1)を特徴とし、特に腹膜播種は約20~30%の症例で認められ、予後を悪化させる重要な因子となっています。
この段階では、がん細胞が大腸壁を突き抜け腹腔内に播種され、腹膜表面に多発性結節を形成します。
腹膜播種合併例の中央生存期間は標準治療で12~18ヶ月程度と報告されており、治療選択は転移負荷、分子プロファイル(RAS/BRAF/MSI/HER2)、患者様のPS(パフォーマンスステータス)を総合的に評価します。
個別化アプローチが標準であり、延命とQOL維持を両立させる戦略が鍵といえます。
腹膜播種とは?
腹膜播種とは、大腸がんステージⅣで頻度の高い転移形態の一つで、がん細胞が腸壁を貫通し腹腔内に脱落・付着して多発性小結節を形成する状態です。
主にS状結腸・直腸がん(左側結腸がん)で発生しやすく、血行性ではなく直接播種が原因となります。
腹膜の血流が乏しく薬剤到達性が低いため、治療抵抗性が高く、5年生存率は10%未満と厳しい予後です。
診断はCT/MRIで結節影・腹水を確認し、腹腔鏡生検で確定します。
腹水細胞診で播種を疑う場合も多く、PCI(腹膜がん指数)で転移負荷を評価します。
この状態では外科的根治が極めて難しく、全身療法中心の管理が求められますが、新たな治療法で生存延長も期待されています。
腹膜播種に対する標準治療の限界
ステージⅣ大腸がん腹膜播種の標準治療は、全身化学療法が基盤となり、FOLFOX(5-FU + レボホリナート + オキサリプラチン)やFOLFIRI(5-FU + レボホリナート + イリノテカン)を第一選択とし、分子標的薬(ベバシズマブ、セツキシマブ)を併用します。
しかし、腹膜の低血流・ストローマバリアにより薬剤浸透が悪く、奏効率は20~30%と低迷し、耐性獲得が早いのが治療の限界となります。
副作用(骨髄抑制、神経障害、下痢)で治療中断率が30~40%と高く、PS低下例では施行不能となります。
一部の専門施設ではHIPEC(手術後腹腔内高温抗がん剤注入)が実施されますが、合併症率(腸穿孔・感染)20~30%で適応が難しい場合があります。
全体として、標準治療だけではQOL低下を招きやすく、新規選択肢が必要となる場合が多いです。
腹膜播種によって現れる症状
腹膜播種の進行は腹水蓄積・腸管圧迫を主とし、QOLを急速に低下させます。
主な症状は以下の通りであり、腹膜がん指数が高いほど重症化します。
| 症状 | 詳細と影響 |
|---|---|
| 腹部膨満感 | 腹水貯留による圧迫。呼吸困難・早期満腹感を招き、食事摂取減少で悪液質加速。 |
| 食欲不振・体重減少 | 炎症性サイトカイン(IL-6)影響で進行。60代以上でサルコペニア合併し、PS低下率50%超。 |
| 排便困難や腸閉塞 | 腸管癒着・狭窄によるもの。嘔吐・便秘を繰り返し、緊急手術リスクが高い。 |
| 腹水の貯留 | 腹膜滲出増加。穿刺頻度週1-2回必要で、感染・低アルブミン血症を誘発。 |
| 倦怠感・疲れやすさ | 慢性炎症・栄養不良による。日常生活制限でうつ症状合併率30%。 |
これらの症状は相互悪循環を形成し、治療耐性を低下させるため、早期腹水管理(CART:腹水濾過再静注)と支持療法が不可欠となります。
標準治療が難しい場合の対処
標準治療の限界(耐性・副作用)で継続困難な場合、症状緩和中心の支持療法と新興選択肢を組み合わせます。
| 対処法 | 詳細と目的 |
|---|---|
| 腹水の排除(腹腔穿刺やドレナージ) | 一時的穿刺(週1回)や永久カテーテル。感染予防とQOL向上(膨満感軽減)。 |
| 栄養サポートによる体力維持 | 経腸栄養・高カロリー輸液、栄養士指導。悪液質抑制でPS維持、治療継続率向上。 |
| 緩和ケア(痛みや呼吸苦への対応) | オピオイド・ステント留置、心理カウンセリング。症状改善でQOL向上。 |
光免疫療法という選択肢
当院が提供する光免疫療法は、大腸がんステージⅣ腹膜播種に対する治療選択肢の一つです。
特に、標準治療が困難なケースや全身状態が不安定な患者様にとっては、身体への負担を抑えた治療法として、光免疫療法が採用されることもあります。
設立以来6年にわたる豊富な治療実績を基に、患者様の状態に合わせた幅広い治療パターンを展開しております。
標準治療との併用も可能であり、相乗効果を期待したアプローチも取り入れております。
以下のページでは、当院で実施している光免疫療法の詳細をご覧いただけます。
まとめ
大腸がんステージⅣ腹膜播種は予後厳しく、標準治療の限界が課題ですが、化学療法・HIPEC・支持療法の組み合わせと、当院の光免疫療法などにより、生存延長と症状緩和が期待できます。
患者様のPS・分子型・希望を考慮した多角的アプローチが重要であり、最適な治療選択が望まれます。
光免疫療法のように、標準治療とは異なる選択肢も検討しても良いかもしれません。
大腸がんの腹膜播種や光免疫療法に関するご質問など、当院までお気軽にご相談ください。
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【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
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