ICGリポソーム|ICGとリポソームの仕組みを解説

ICGリポソームとは

ICGリポソームは、近赤外領域で扱われる色素「ICG(インドシアニングリーン)」を、リポソーム(脂質の二重膜でできた微小カプセル)に組み込んだ製剤設計の一つです。
ICGは近赤外光に反応して信号として捉えられる特性を持ち、医療では”見える化(可視化)”の目的で用いられることがあります。
一方で、ICGは体内での動きが速いことがあるため、目的によっては「必要な場所にとどまりやすい形」に工夫する考え方があり、その一例がICGリポソームです。

がん治療・診断における検討内容

1)腫瘍の”見える化”と術中ナビゲーション

がんの手術において、腫瘍とその周囲の正常組織の境界を識別することは、切除範囲の判断に重要です。
ICGリポソームは、腫瘍組織に集まりやすい性質(EPR効果※)を利用して腫瘍部位に滞留し、近赤外光の照射によって腫瘍の位置や広がりをリアルタイムで確認する補助ツールとして研究されています。
通常のICG単体と比較して腫瘍への集積性が高まる可能性があり、より精度の高い術中ナビゲーションへの応用が期待されています。
※EPR効果(Enhanced Permeability and Retention effect):腫瘍組織では血管の透過性が高く、リポソームのような微粒子が集まりやすい現象。

2)光免疫療法での使用

ICGは光を吸収する性質を持つため、レーザーや近赤外光の照射と組み合わせた治療的アプローチとの検討も進んでいます。
光免疫療法では、光の照射によって活性酸素を発生させ、腫瘍細胞にダメージを与えることを目的としています。
ICGをリポソームに封入することで、腫瘍局所への集積性が高まるため、治療効果の向上を目指せます。

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