光免疫療法は、がん細胞への直接的なアプローチを目指すと同時に、免疫機能に働きかける治療法です。
光に反応する薬剤(ICGリポソーム)を点滴で投与し、がん細胞に集積した薬剤に近赤外線を照射することで、がん細胞への作用を目指します。
さらに、薬剤ががん細胞に集まりやすい性質を活かし、照射によって生じる反応(活性酸素の発生など)を通じて、がん細胞を内側から攻撃します。
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胆嚢がんのステージは、がんが胆嚢壁のどこまで入り込んでいるか、リンパ節や離れた臓器へ転移しているかを組み合わせて決まります。ステージは0から4まであり、数字が大きいほど広い範囲にがんが及んでいる状態です。
ただし、ステージと症状の強さは必ずしも一致しません。早いステージでは症状がないことが多い一方、進行していても症状が目立たない場合があります。また、同じステージでも、がんの位置、全身状態、肝機能などによって手術できるかどうかや治療方針は異なります。
この記事では、UICC TNM分類第8版に基づき、胆嚢がんのステージ1〜4の状態、症状、主な治療方針を解説します。胆嚢がんの原因や検査を含む全体像については、胆嚢がんの総合的な解説も参考にしてください。
目次
胆嚢がんのステージはどのように決まるのか

胆嚢がんの病期は、胆嚢にできたがんの深さや周囲への広がりを示すT、領域リンパ節転移を示すN、遠隔転移を示すMの組み合わせで決めます。これをTNM分類と呼びます。
| 分類 | 確認する内容 |
|---|---|
| Tカテゴリー | がんが胆嚢壁のどこまで入り込み、肝臓や周囲臓器へどの程度広がっているか |
| Nカテゴリー | 肝門部周囲などの領域リンパ節へ転移しているか、転移したリンパ節が何個あるか |
| Mカテゴリー | 胆嚢から離れた臓器や、領域外のリンパ節へ転移しているか |
胆嚢がんはステージ0から4に分類される
ステージ0は、がん細胞が胆嚢の最も内側の上皮内にとどまる状態です。ステージ1と2では領域リンパ節転移や遠隔転移がなく、主に胆嚢壁へ入り込んだ深さで分類します。
ステージ3では、がんが漿膜を越えた、肝臓や隣接臓器へ広がった、または1〜3個の領域リンパ節へ転移した状態が含まれます。ステージ4では主要血管や複数臓器への広がり、4個以上の領域リンパ節転移、遠隔転移などがみられます。
症状の強さだけではステージを判断できない
腹痛、黄疸、体重減少などは進行した胆嚢がんでみられることがありますが、症状だけではステージを決められません。黄疸はがんが胆汁の通り道に影響したときに起こるため、小さながんでも位置によっては現れる可能性があります。
反対に、がんが周囲へ広がっていても、胆汁の流れが保たれていれば黄疸が出ない場合があります。画像検査と病理検査による評価が必要です。
診断時と手術後でステージが変わる場合がある
治療前のCTやMRIなどから判断する病期を臨床病期と呼びます。手術を行った場合は、切除した胆嚢、周囲組織、リンパ節を顕微鏡で調べ、病理学的病期を決めます。
画像では分からなかった壁への深い浸潤や微小なリンパ節転移が病理検査で見つかると、手術後にステージが変更されることがあります。
胆嚢がんのステージ0・1の状態と治療方針

ステージ0と1は、がんが胆嚢壁の浅い範囲にとどまり、リンパ節転移や遠隔転移がない状態です。胆石症などに対する胆嚢摘出術の後、病理検査で偶然見つかることもあります。
ステージ0はがんが上皮内にとどまる状態
ステージ0は上皮内がんで、がん細胞が胆嚢の最も内側にある上皮内にとどまっています。UICC分類ではTis、N0、M0に相当します。
画像検査だけで見つけることは難しく、胆石やポリープなどのために摘出した胆嚢の病理検査で診断される場合があります。
ステージ1は胆嚢壁の浅い層までにとどまる状態
ステージIAは、がんが上皮の下にある粘膜固有層まで入り込んだT1aの状態です。ステージIBは、さらに深い固有筋層まで入り込んだT1bの状態です。どちらも領域リンパ節転移と遠隔転移はありません。
T1aとT1bでは再発リスクや必要な手術範囲の考え方が異なります。詳しくは、胆嚢がんステージ1の解説をご確認ください。
ステージ1では症状がないことも多い
がんが胆嚢壁の浅い層にとどまっている段階では、特徴的な症状がないことが多いです。みぞおちや右上腹部の違和感があっても、胆石症や胆嚢炎による症状と区別できない場合があります。
胆嚢摘出術を中心に治療を検討する
ステージ0やT1aでは、胆嚢摘出術で十分な治療になる場合があります。T1bでは、がんの位置、切除断端、病理所見などを踏まえ、肝床切除や領域リンパ節郭清を追加する拡大胆嚢摘出術が検討されます。
胆石症として腹腔鏡手術を受けた後にT1b以上のがんが見つかった場合は、追加手術の必要性を肝胆膵外科で評価します。
胆嚢がんのステージ2の状態と治療方針

ステージ2は、がんが固有筋層を越えて筋層周囲の結合組織まで入り込んでいるものの、漿膜の外や肝臓へは達しておらず、リンパ節転移や遠隔転移もない状態です。
腹腔側と肝臓側への広がりで2A・2Bに分かれる
ステージIIAは、がんが胆嚢の腹腔側にある筋層周囲結合組織まで広がったT2aです。ステージIIBは、肝臓に接する側の筋層周囲結合組織まで広がったT2bです。
肝臓側のT2bは、解剖学的に肝臓や胆嚢周囲のリンパ管へ近いため、腹腔側のT2aより再発リスクが高い傾向があります。詳しくは、胆嚢がんステージ2の解説をご確認ください。
ステージ2でも症状がない場合がある
ステージ2でも無症状の場合があります。症状があるときは、右上腹部やみぞおちの痛み、吐き気、食欲不振などがみられますが、胆嚢がんに特有ではありません。
肝臓の一部と領域リンパ節を含む手術を検討する
ステージ2では、胆嚢だけでなく、胆嚢が接していた肝臓の一部と領域リンパ節を切除する拡大胆嚢摘出術が検討されます。がんの位置によっては胆管の合併切除が必要になることもあります。
手術後は病理結果を確認し、再発リスクを下げるための術後補助薬物療法を検討します。治療内容は切除断端、リンパ節、全身状態などを踏まえて決めます。
胆嚢がんのステージ3の状態と治療方針

ステージ3には、がんが胆嚢の外側へ広がった状態と、1〜3個の領域リンパ節へ転移した状態が含まれます。遠隔転移はないものの、手術範囲が大きくなる可能性があります。
肝臓や一つの隣接臓器へ広がったステージ3A
ステージIIIAはT3、N0、M0です。がんが胆嚢の表面を覆う漿膜を越えている、肝臓へ直接広がっている、または胃、十二指腸、結腸、膵臓、大網、肝外胆管など一つの隣接臓器・組織へ広がっている状態です。
領域リンパ節へ転移したステージ3B
ステージIIIBはT1〜T3で、1〜3個の領域リンパ節転移があるN1、遠隔転移がないM0の状態です。原発巣が比較的小さくても、領域リンパ節転移が確認されればステージIIIBに分類されます。
ステージ3の状態と検査については、胆嚢がんステージ3の解説で詳しく紹介しています。
腹痛や黄疸などの症状が現れることがある
右上腹部やみぞおちの持続する痛み、背中へ響く痛み、食欲低下、体重減少などが現れる場合があります。胆管への広がりや圧迫があると、黄疸、濃い尿、白っぽい便、皮膚のかゆみがみられることがあります。
ただし、ステージ3でも症状が目立たないことがあります。症状の有無ではなく、画像と病理所見でステージを判断します。
切除できるかを専門的に評価して治療方針を決める
ステージ3でも、がんを安全に取り切れると判断されれば手術を検討します。肝切除、胆管切除、周囲臓器の合併切除などが必要になる場合があり、残る肝臓の量と機能も評価します。
遠隔転移がなくても、主要血管への広がりや全身状態によって手術が難しい場合があります。薬物療法を先に行って病状を再評価する場合もあるため、肝胆膵外科、消化器内科、放射線治療科などで検討します。
胆嚢がんのステージ4の状態と治療方針

ステージ4は、主要な血管や複数の周囲臓器へ広がった場合、4個以上の領域リンパ節転移がある場合、または肝臓の離れた部位、肺、腹膜などへ遠隔転移した場合に分類されます。
主要血管や複数の臓器へ広がったステージ4A
ステージIVAはT4、N0またはN1、M0です。がんが門脈本幹や肝動脈へ及んでいる、または胆嚢以外の複数の臓器・組織へ直接広がっている状態です。遠隔転移はありません。
一般に根治切除は難しくなりますが、画像所見、手術方法、施設の経験によって判断が異なる場合があります。専門施設で切除可能性を評価することが重要です。
多数のリンパ節転移や遠隔転移があるステージ4B
ステージIVBには、4個以上の領域リンパ節転移があるN2、または遠隔転移があるM1が含まれます。遠隔転移は、肝臓の離れた場所、肺、腹膜、骨、領域外のリンパ節などに生じることがあります。
ステージ4の症状や治療、生活上できることについては、胆嚢がんステージ4の解説も参考にしてください。
黄疸・腹水・体重減少などが現れる場合がある
胆汁の流れが妨げられると、黄疸、濃い尿、白い便、皮膚のかゆみが現れます。肝転移や腹膜播種がある場合は、腹部の張り、腹水、食欲低下が起こることがあります。肺転移や胸水では咳や息苦しさ、骨転移では痛みが問題になる場合があります。
薬物療法と症状を和らげる治療を組み合わせる
切除が難しいステージ4では、全身に作用する薬物療法を中心に検討します。がんの遺伝子やたんぱく質の特徴を調べ、結果に応じて分子標的薬などを検討する場合もあります。
黄疸には胆道ドレナージ、痛みには鎮痛薬や放射線治療、腹水や胸水には症状に応じた処置を組み合わせます。緩和ケアは終末期だけの医療ではなく、がん治療と並行して症状や不安を和らげるために利用できます。
胆嚢がんのステージを調べる検査

ステージを判断するためには、胆嚢の原発巣だけでなく、肝臓、胆管、血管、リンパ節、腹膜、肺などを評価します。一つの検査だけでなく、複数の画像検査と病理検査を組み合わせます。
腹部超音波検査で胆嚢の異常を確認する
腹部超音波検査では、胆嚢内の腫瘤、胆嚢壁の厚み、胆石、胆管の拡張、肝臓への広がりなどを確認します。体への負担が少なく、胆嚢の異常を調べる最初の検査として行われます。
CT・MRIで周囲への広がりや転移を調べる
造影CTでは、胆嚢がんの位置と広がり、肝臓や血管への浸潤、リンパ節、遠隔転移を評価します。MRIやMRCPでは、胆嚢、胆嚢管、胆管への広がりや胆汁の流れを詳しく確認します。
必要に応じて超音波内視鏡検査やPET-CTなどを追加します。胆嚢がんの検査全体については、胆嚢がんの検査方法に関する解説をご確認ください。
手術で採取した組織から病理学的ステージを決める
病理検査では、がんが胆嚢壁のどこまで入り込んでいるか、切除断端にがんがないか、リンパ節転移が何個あるかを調べます。画像検査より詳細な情報が得られ、術後治療の判断に用います。
ステージと手術可能かどうかは同じ意味ではない
ステージはがんの解剖学的な広がりを示す分類です。手術できるかどうかは、がんを完全に切除できる見込み、残る肝臓の量と機能、主要血管への広がり、全身状態などを含めて判断します。
同じステージでも手術方法や治療方針が異なることがあります。特にステージ3や4Aでは、肝胆膵外科を含む専門チームによる評価が重要です。
胆嚢がんのステージについてよくある質問

ステージが進むと必ず症状が強くなりますか
必ずしも強くなるとは限りません。症状はがんの大きさだけでなく、胆管や神経への影響、転移した場所によって変わります。無症状でも画像検査で進行が確認される場合があります。
ステージ4は末期と同じ意味ですか
ステージ4は、がんの広がりを示す病期分類です。「末期」は医学的に統一されたステージ名ではなく、治療状況や全身状態を含むさまざまな意味で使われます。そのため、ステージ4だから直ちに終末期という意味ではありません。
薬物療法で病状を抑えながら生活できる場合もあります。治療の目的、期待できる効果、生活への影響を医療チームに確認してください。
治療によってステージが下がることはありますか
治療で腫瘍が小さくなっても、診断時のステージを通常は書き換えません。治療後の状態は、画像上の縮小や消失、病勢が安定しているかなどの治療効果として評価します。
手術前の薬物療法後には「治療後のTNM分類」を用いて評価する場合がありますが、これは診断時の病期がなかったことになるという意味ではありません。
胆嚢がんのステージで押さえたいポイント
- 胆嚢がんのステージはT・N・Mの組み合わせで決まります。
- 症状の強さだけではステージを判断できません。
- ステージ1と2は胆嚢壁へ入り込んだ深さで細かく分類されます。
- ステージ3には周囲臓器への広がりや領域リンパ節転移が含まれます。
- ステージ4には主要血管、多数のリンパ節、遠隔臓器への広がりが含まれます。
- ステージと手術可能かどうかは同じ意味ではありません。
- 診断時と手術後の病理検査でステージが変わる場合があります。
胆嚢がんのステージは、胆嚢壁への深さ、領域リンパ節転移、遠隔転移から決まります。ステージは治療方針を考える基準ですが、症状の強さや手術可能性と完全に一致するものではありません。CTやMRI、手術後の病理検査で広がりを正確に評価し、全身状態や肝機能も含めて治療を決めます。自分のT・N・M分類と治療目的を医療チームへ確認しましょう。

【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
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