光免疫療法は、がん細胞への直接的なアプローチを目指すと同時に、免疫機能に働きかける治療法です。
光に反応する薬剤(ICGリポソーム)を点滴で投与し、がん細胞に集積した薬剤に近赤外線を照射することで、がん細胞への作用を目指します。
さらに、薬剤ががん細胞に集まりやすい性質を活かし、照射によって生じる反応(活性酸素の発生など)を通じて、がん細胞を内側から攻撃します。
当院の光免疫療法は以下の方にも対応しております
- 幅広いがん種や全身の転移部位にも対応
- 標準治療との併用治療も可能
- 副作用が少ないため抗がん剤の休薬中の方も対応
- 高齢で標準治療が出来ないと言われた方も対応
- もう治療法が無い、緩和ケアを勧められた方も対応
- 他の治療方法を探している方や、ステージに関わらず治療の選択肢として相談受付
がん治療の選択肢の一つとして、光免疫療法もぜひご検討ください。
以下のバナーをクリックで光免疫療法の詳細をご覧いただけます。
手遅れと診断された膵臓がんも諦めないための全知識「現代治療の選択肢」

膵臓がんは、初期には自覚症状が乏しく、早期発見が難しいがんとして知られています。
そのため、診断時にはすでに進行しているケースも多く、膵臓がんの診断時に遠隔転移を有する症例は米国SEERの統計によると51%とされています。つまり、約半数の患者さんが、遠隔転移を伴う段階で膵臓がんと診断されていることになります。
膵臓がんの大部分は、膵管上皮に由来する膵管腺がん(PDAC)です。PDACでは、KRAS変異をはじめとした遺伝子異常が高い頻度で認められ、がん細胞の異常な増殖や進行に関与していると考えられています。
膵臓がんにおいて、一般に「手遅れ」と表現される状態は、医学的に正式な定義はありませんが、がんが肝臓、肺、腹膜、骨などの離れた臓器や組織に転移し、根治を目的とした手術が難しくなっている状態を指して使われることがあります。
この段階では、全身状態や転移の範囲、治療への反応によって経過に差はあるものの、予後は厳しいとされています。生存期間の中央値はおおむね6〜12ヶ月程度とされることが多く、慎重な治療方針の検討が必要になります。
しかし、「手遅れ」な状態だからといって、決して治療の終わりを意味するものではありません。
近年において、化学療法、分子標的薬、免疫療法、光免疫療法などの医療技術の誕生や進化により、生存期間の延長とQOL(生活の質)の向上が可能となっています。
本記事では、膵臓がんが進行した段階(「手遅れ」もしくは「手遅れ」に近いことを医師によって診断された状態)で必要となる知識を整理し、治療やケアの選択肢を前向きに考えるための情報を解説します。
(※本記事において、「手遅れ」もしくは「手遅れ」に近いことを申告された状態のことを「手遅れ」状態と表記することにします。)
「手遅れ」状態の診断とその特徴
手遅れとされる膵臓がんは、ステージⅣ(M1:遠隔転移陽性)に分類されます。
膵臓がんの診断では、造影CTやMRI、超音波内視鏡検査(EUS)などの画像検査を行い、膵臓にある病変の状態や、転移の有無を確認します。病気の広がりをより詳しく調べるために、必要に応じてPET-CTや審査腹腔鏡が検討されることもあります。一方、CA19-9などの腫瘍マーカーは、膵臓がんを疑う手がかりや治療効果をみる参考になりますが、数値だけで診断が確定するわけではありません。そのため、可能であれば細胞診や組織診を行い、がん細胞が確認できるかどうかを調べます。
膵臓がんの転移先としては肝臓が最も多く、腹膜播種、肺、骨などにも広がることがあります。この段階における典型的な症状は以下の通りです。
●持続的な腹痛:がんの浸潤や神経圧迫による疼痛
●黄疸:胆管圧迫による皮膚・白目の黄染、かゆみ
●大量腹水、腹部膨満感:腹膜播種による滲出液蓄積
●体重減少、悪液質:栄養吸収障害と炎症性サイトカインの影響
●食欲不振、倦怠感:代謝異常と全身炎症
●血栓症(Trousseau症候群):がんによる凝固異常
これらの症状は、痛みや食欲低下、体重減少、倦怠感などを通じて、患者さんのQOLを大きく低下させることがあります。遠隔転移を有する膵臓がんの5年相対生存率は3%前後とされ、依然として予後は厳しいがんです。しかし近年では、遺伝子検査に基づく治療選択や新しい薬物療法の研究が進み、特定の遺伝子異常を持つ一部の患者さんでは、長期生存が得られる可能性も報告されています。
現代の標準治療:化学療法の進歩と治療上の課題
ステージⅣの膵臓がんでは、がんが遠隔臓器に転移しているため、手術による根治が難しい場合が多く、治療の中心は全身化学療法となります。治療の目的は、腫瘍の縮小や進行の抑制、生存期間の延長、そして症状の緩和やQOLの維持を目指すことです。
近年、転移性膵臓がんに対する薬物療法は進歩しており、2024年には米国でNALIRIFOXを用いた化学療法が、未治療の転移性膵腺がんに対する一次治療として承認されました。NALIRIFOXは、ナノリポソームイリノテカン、5-FU、レボホリナート、オキサリプラチンの4剤を組み合わせた化学療法で、GnP(ゲムシタビン+ナブパクリタキセル)療法と比較して、全生存期間の延長が報告されています。新たな治療選択肢として注目されていますが、実際に検討できるかどうかは国ごとの承認状況や患者さんの全身状態、臓器機能、副作用リスクなどによって異なります。
また、FOLFIRINOX療法もステージⅣ膵臓がんに対する代表的な治療選択肢の一つです。5-FU、レボホリナート、イリノテカン、オキサリプラチンを組み合わせた治療で、比較的若く、体力や臓器機能が保たれている患者さんで検討されます。一方で、末梢神経障害、骨髄抑制、下痢、倦怠感などの副作用に注意が必要です。
ゲムシタビン + ナブパクリタキセル療法(GnP療法)は、FOLFIRINOX療法と並んで広く用いられている一次治療の一つです。全身状態、年齢、併存疾患、臓器機能、副作用のリスクなどを総合的に判断し、患者さんごとに適した治療法が選択されます。二次治療以降では、一次治療で使用した薬剤や治療効果、副作用、全身状態を踏まえて治療方針を検討します。ゲムシタビン系治療後には、ナノリポソームイリノテカン+5-FU/レボホリナート療法が選択肢となる場合があります。
一方で、膵臓がんの薬物療法には依然として治療上の課題も残されています。膵管腺がんではKRAS変異をはじめとする遺伝子異常が高頻度に認められ、がん細胞の増殖や治療抵抗性に関与していると考えられています。さらに、膵臓がん特有の密な線維性間質、いわゆるストローマによって薬剤が腫瘍内に届きにくいことも、治療効果を妨げる要因の一つとされています。
そのため、ステージⅣ膵臓がんでは、抗がん剤治療だけでなく支持療法を組み合わせることが非常に重要です。痛みに対するオピオイドなどの鎮痛薬、黄疸に対する胆道ステント留置、腹水に対する腹水穿刺やCART、食欲低下や体重減少に対する栄養サポートなどを行うことで、症状を和らげ、QOLの維持・向上を目指します。
標的療法と免疫療法:遺伝子変異を狙う新時代
ステージⅣの膵臓がん(「手遅れ」状態)では、全身化学療法が治療の中心になります。しかし近年は、がんを一括りにして治療するのではなく、腫瘍が持つ遺伝子変異や分子の特徴を調べ、その人のがんに合った治療を探す考え方が広がっています。膵臓がんではKRAS変異が高頻度にみられますが、その種類によっては新しい標的薬の研究が進んでいます。また、MSI-H/dMMR、BRCA1/2変異、NTRK融合遺伝子、NRG1融合遺伝子などが見つかった場合には、分子標的薬や免疫療法、あるいは臨床試験につながる可能性があります。
●MSI-H/dMMR型(約1〜2%):PDACではまれですが、該当する場合にはPD-1阻害薬ペムブロリズマブなどの免疫療法が選択肢となることがあります
●KRAS G12C変異(約1〜2%):少数例ですが、ソトラシブなどのKRAS G12C阻害薬で一定の抗腫瘍効果が報告されています
●KRAS G12D変異:PDACで比較的頻度の高い変異であり、RMC-9805などのKRAS G12D阻害薬が臨床試験で検討されています
●NRG1融合遺伝子:まれな遺伝子異常ですが、NRG1融合陽性の進行・転移性膵腺がんでは、ゼノクツズマブが米国で承認されており、新たな治療選択肢として注目されています
免疫療法は単独では効果が限定的ですが、CAR-T細胞療法やmRNAワクチンが第I/II相で有望です。
光免疫療法:負荷の少ない局所制御を目指した治療の新たな選択肢
当院では、膵臓がんを含む末期がんの局所制御に特化した光免疫療法を提供しています。
この治療は、光療法と免疫療法を組み合わせた治療法で、がん細胞に選択的に集積する光感受性物質を点滴で投与した後、特定の波長のレーザー光を照射することで、活性酸素を発生させがん細胞を特異的に破壊します。
正常細胞への影響を最小限に抑え、がん細胞の抗原放出を促進して免疫応答を活性化する点が特徴です。
当院では、設立以来6年にわたる豊富な治療実績を基に、患者様の状態に合わせた幅広い治療パターンを展開しています。
がんの部位、大きさ、個数、場所を詳細に評価し、最適な薬剤、機器、照射時間、照射方法を選択します。
標準治療との併用も可能であり、免疫チェックポイント阻害薬との相乗効果を期待したアプローチも取り入れています。
副作用は髪の抜け毛や重い全身症状がなく、日常生活を続けながら治療を受けられるため、高齢者や転移がん・末期がんの患者様に適しています。
光免疫療法の主な利点は以下の通りです。
●高い選択性:がん細胞のみを標的とし、正常組織へのダメージを抑える。
●副作用の少なさ:身体負担が軽く、QOLを維持しやすい。
●併用適性:化学療法や免疫療法との組み合わせで効果増幅。
●広範な適応:再発・転移がんや末期がんに有効。
患者支援:QOL向上と心理的ケア
ステージⅣの膵臓がんでは、治療の目的が「がんを小さくすること」だけにとどまらず、痛みや不安を和らげ、患者様ができる限り穏やかに日常生活を送れるよう支えることも重要になります。腹部や背部の痛みには、オピオイドを含む鎮痛薬を適切に使用し、必要に応じて神経ブロックなども検討します。痛みを我慢すると、睡眠や食欲、体力の低下につながるため、早い段階から症状を共有することが大切です。
また、膵臓がんでは食欲低下や体重減少が起こりやすく、栄養状態の悪化が治療継続に影響することもあります。食事内容の工夫、消化酵素の補充、経腸栄養や点滴による補助などを組み合わせ、無理なく栄養を確保できる方法を検討します。
さらに、患者様やご家族の心理的負担にも丁寧な支援が必要です。カウンセリング、緩和ケアチーム、医療ソーシャルワーカーなどと連携し、不安や孤独感、治療選択に伴う迷いを一人で抱え込まない体制を整えることが、QOLの維持につながります。
まとめ

膵臓がんが進行し、遠隔転移を伴う段階で見つかった場合、治療は決して簡単ではありません。根治を目的とした手術が難しいケースも多く、患者様やご家族にとって大きな不安を伴う状況です。
しかし、治療の選択肢がすべて失われるわけではありません。全身化学療法によってがんの進行を抑えることを目指す治療、遺伝子変異やバイオマーカーに基づく個別化治療、痛みや黄疸、栄養状態を支える支持療法など、病状に応じて検討できる方法があります。さらに、照射可能な病変に対して局所的なアプローチを目指す治療が選択肢となる場合もあります。
大切なのは、「手遅れ」状態であっても治療の可能性を閉ざさないことです。病状、全身状態、これまでの治療歴、患者様ご本人の希望を丁寧に確認しながら、医療チームやご家族とともに、今できる治療とケアを一つずつ検討していくことが重要です。
当院の光免疫療法に関する疑問などは、些細なことでもお気軽にご相談ください。

【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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