20代でも罹患する乳がん
乳がんは乳腺組織に発生する悪性腫瘍であり、女性にとって最も一般的ながんとなります。
年々罹患者数は増加しており、日本人女性の9人に1人は生涯の内に乳がんに罹患するといわれています。
最近では、出産しない女性や高齢での出産も増えている傾向なため、女性のライフスタイルの変化も乳がんの罹患者数の増加に影響を及ぼしていると考えられています。
また、40代~60代の中高年女性の割合が最も多い乳がんですが、20代の女性でも罹患する可能性があります。
乳がんの発症は、年齢、遺伝、生活習慣など多くの要因によって影響を受けます。
20代の乳がんの特徴
20代の乳がん(若年性乳がん)は、進行が早く、攻撃的なタイプの乳がんであることが多いです。
両側性乳がんが少ない、乳がんの家族歴がある、BMIが小さい(肥満が少ない)という特徴も挙げられます。
その他にも、検診より自己発見率が高く、腫瘍が大きい、浮腫みや潰瘍などの皮膚症状は少ない、炎症性乳がんの割合が高いなどの特徴もあります。
乳がんのタイプとしては、ホルモン受容体陰性やHER2陽性、トリプルネガティブが多いです。
発見された時のステージは、初期段階の0期とⅠ期は少なく、Ⅱ期とⅢ期の進行がんの割合が高い傾向にあり、遠隔転移を伴うⅣ期は変わりません。
また、BRCA1やBRCA2といった遺伝子変異は、若年女性の乳がんのリスクを高めることが分かっています。
20代の乳がんの発症率
乳がんは、年代によって発症する確率が大きく異なります。
20代では約10%、30~34歳は約25%、35~39歳は約35%、40代以上であれば約45%の発症率であり、30代後半から発症率が高くなるのが分かります。
その後は、70代まで発症率まで大きな変化は無く推移していきます。
現在20代の方は、10%を低いと考えず、自分も乳がんに罹るかもしれないという認識を持つことが必要です。
したがって、若いうちから定期的にセルフチェックや検診を行うことが、早期発見に繋がります。
20代の乳がんの予防と早期発見
20代の乳がんは進行が早いため、乳がんの予防と早期発見は非常に重要です。
乳がんの予防には、健康的な食事、適度な運動、アルコールの摂取量の制限、禁煙などが挙げられます。
また、遺伝的リスクを持つ女性は、遺伝子検査を受けることも考慮すべきです。
早期発見のためには、定期的な自己検診(セルフチェック)と病院での検診が推奨されています。
自己検診は、自分の乳房の通常の外観と触感を知り、変化に気づくための重要なツールです。
また、医療検診では、マンモグラフィーや超音波検査などの画像診断が行われ、初期の乳がんを見つけることができます。
20代の乳がん治療と光免疫療法
20代の治療の選択肢は、他の乳がんと大きな違いはありません。
しかし、妊娠・出産などが控えている女性が多いため、それを含めた治療後の生活の質まで考慮に入れて治療法が選択されます。
腫瘍が小さい場合は、基本的には手術が行われ、乳房温存術を希望される女性が多い傾向にあります。
乳房温存術後は、放射線療法によって再発予防を行います。
腫瘍が大きい場合や乳がんのタイプによっては、化学療法やホルモン療法といった薬物療法が選択されます。
薬物療法は副作用があるため、妊娠・出産を考えられている女性には事前に理解して頂く必要があります。
また、20代乳がん治療の選択肢として光免疫療法も挙げられます。
光免疫療法とは、特定の波長の光を用いてがん細胞を選択的に攻撃する治療法です。
この治療法は、健康な細胞へのダメージを抑えつつ、がん細胞を選択的に攻撃することが可能です。
その為、副作用が少ない点が利点の一つに挙げられます。
他の治療法と組み合わせることも可能なため、乳がんの治療法でお悩みの方は検討の余地があるかもしれません。
光免疫療法が適用できるかどうかは、がんの種類や進行状況、患者様の体調などによって判断されます。
以下より当該治療に関する詳細をご確認頂けます。
まとめ
20代の女性における乳がんの発症率は約10%ですが、乳がんになる可能性は存在します。
若年女性の乳がんは、進行が早く、攻撃的な乳がんの割合が高いため、予防や早期発見が重要となります。
乳がんの予防と早期発見のためには、健康的な生活習慣の維持、定期的なセルフチェックと検診を行う必要があります。
治療の選択肢は多岐にわたり、新たな治療法である光免疫療法も選択肢として検討されます。
1つだけの治療法で治療が完了することは少なく、色々な治療法を組み合わせる集学的治療によって乳がんの根治を目指すことが一般的です。
20代女性の乳がんは、妊娠・出産も含めた、治療後の生活の質についても十分に考慮して治療法を選択する必要があります。

【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
医療法人社団良凰会 医師一覧