ステージⅠ乳がんの包括的な理解とケア「診断から治療、予後まで」

ステージⅠの乳がんの症状

がんの進行度を表すステージ(病期)について、Ⅰ期はしこり(腫瘍)が2cm以下であり、リンパ節や他の臓器への転移が無いものを指します。
しこりの大きさが2cm近くなると、自分で発見できる大きさのため、自己検診による早期発見が重要となります。
以下のような症状を見つけた場合には注意してください。

症状 説明
1. しこりや腫れ ステージⅠの乳がんの初期症状で一般的なものは、乳房内でしこりや腫れが感じられることです。これらのしこりは通常、自己検診によって発見されることが多いです。しこりは硬く、基本的に初期段階では痛みを伴いません。乳房に押しても根を張ったように動かないしこりを見つけた場合、迅速な医師の診断が必要です。
2. 乳頭からの分泌物 乳頭からの異常な分泌物も、ステージⅠの乳がんの症状として見られます。血液が混じっていたり、粘り気のある液体、片方の乳頭からのみ分泌される場合は特に注意が必要です。
3. 乳房の変形 ステージⅠの乳がんでは、乳房の形状が変化したり左右の乳房の大きさが不均等になることがあります。また、乳頭が内側に引っ込んで陥没したり、方向が変わることもあります。これは、がん細胞が乳房組織内で増殖する結果として現れます。
4. 乳房の皮膚変化 乳房の皮膚に変化が現れることもあります。乳房の皮膚が赤くなったり、熱感を持っている腫れている場合、炎症性乳がんの疑いがあります。また、がん細胞が皮膚の下で成長し、乳房の皮膚がくぼんだり、引きつれることもあります。

これらの症状が一つでも見られた場合、早急に専門医に相談してください。ステージⅠの乳がんでは、10年後の生存率でも90%を超えています。自己検診や定期的な医師の診察、画像検査を通じて異常を早期に検知し、迅速かつ適切な治療プランを開始することが、予後を良くする一番の方法です。

ステージⅠの乳がんの診断

診断 説明
1. 乳房の視診・触診 乳がんの診断は、まず初めに乳房の視診と触診が行われます。視診では、乳房の異常な膨らみやただれ、乳頭からの分泌物などを確認します。また、触診では、視診だけでは見つけられない乳房の異常なしこりや腫れを検出するために医師が触って確認します。
2. 画像検査 乳がんを疑われる場合、画像検査が行われます。代表的な画像検査には、マンモグラフィーや超音波(エコー)検査があります。マンモグラフィーは乳房のX線画像を取得し、異常やしこりの有無、小さな石灰化を確認するのに役立ちます。超音波検査は音波を利用して乳房組織を観察し、乳腺密度が高い若い人でも感度が落ちないという特長があります。これらの画像検査によって異常が発見された場合、追加の詳細検査が必要となります。
3. 細胞診・組織診(生検) 画像検査で良性か悪性かの区別がつかない場合や、がんが疑れる場合に行われます。細胞診では、しこりなどの病変部の細胞を採取し、顕微鏡で調べることで、がん細胞か否かを診断します。組織新は、細胞の一部ではなく組織の一部を採取し調べる検査です。細胞診より正確な診断が可能なため、組織診のみ行うケースもあります。その結果に基づいて、がんの種類やステージが正確に特定され、治療計画が立てられます。

ステージⅠの乳がんの治療法

ステージⅠの乳がんは、腫瘍が2cm以下で小さいですが、広い範囲に石灰化が認められるか否かなどで、治療の順番が異なります。

治療 説明
1. 手術 ステージⅠの乳がんについては、手術を先行して行うことが多いです。
マンモグラフィで広い範囲に石灰化が広がっていないような場合には、乳房温存手術が可能です。
石灰化が広範囲にある場合、乳房切除術を行います。
  • 乳房温存手術(保乳術): 腫瘍を取り除きながら、乳房をできるだけ保存する手術。周囲の健康な組織を保ちながらがんを切り取ることを目指します。
  • 乳房切除術(全摘出術): 乳房全体を取り除く手術で、場合によっては乳房再建手術と組み合わせられることがあります。腫瘍の大きさや位置によって選択されます。
2. 放射線療法 乳房温存手術を選択した場合、残った乳房の再発を防ぐために放射線療法を行います。
この治療法は高エネルギーの放射線を患部に照射し、残っているがん細胞を破壊します。
3. 薬物療法 薬物療法には、化学療法、ホルモン療法、分子標的療法があり、術前・術後によって使用する薬が異なります。
術後に薬物療法を行う場合、乳がんの再発抑制を目的に行われます。手術と放射線療法の結果を元に薬物療法を行うか判断されます。

光免疫療法

光免疫療法は、特定の薬剤と光を組み合わせてがん細胞を攻撃する治療法です。
薬剤はがん細胞に選択的に集積し、その後特定の波長の光を照射することで、がん細胞を破壊する仕組みとなっています。
この治療法は、副作用が少なく、患者様の負担を軽減することが期待されています。
光免疫療法は、他の治療法と組み合わせて使用されることもあり、相乗効果が期待出来ます。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。

ステージⅠの乳がんの予後

予後の要因 説明
1. 早期発見と治療の重要性 ステージⅠの乳がんは早期の段階であり、他のステージよりも予後が良好です。10年後でも生存率は90%以上あるといわれています。早期発見と迅速な治療が完全な回復や生存率向上に繋がります。検診や自己検診、医師の指導に従ってスクリーニングを受けることが重要です。
2. 治療効果と個別化されたアプローチ 治療の選択肢と効果は患者ごとに異なります。手術、放射線療法、薬物療法などが組み合わさり、個別化されたアプローチが取られます。適切な治療の選択と効果的な実施が予後に大きな影響を与えます。
3. 腫瘍の特性と予後の予測 腫瘍の性質(大きさ、リンパ節への転移、他の臓器への転移など)は予後に影響を与えます。また、ホルモン受容体陽性の場合、ホルモン療法の効果が期待でき、HER2陽性の場合は標的治療が検討される可能性があります。
4. 患者の健康状態と合併症 患者の全体的な健康状態や既存の合併症も予後に影響します。治療に耐えられる健康状態や治療後の生活の質が予後に関与します。これらの要因は治療計画の策定時に考慮されます。
5. フォローアップと定期的な検査 治療終了後も患者は定期的なフォローアップと検査を受ける必要があります。再発の早期発見や治療効果のモニタリングが行われ、適切な対応が取られます。患者は医師との連携を維持し、積極的に健康管理に参加することが重要です。

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