花咲乳がんとは
花咲乳がんとは正式な名称では無く、乳がんが進行によってがん細胞が皮膚を突き破り、肌表面に露出している状態のがんの通称です。
正式名は、がん性皮膚創傷・がん性皮膚潰瘍と呼び、局所進行乳がんの一つに分類されます。
この状態まで進行すると、多くの場合で他の臓器への遠隔転移が認められます。
通常の乳がんとは見た目も大きく異なるため、精神的な負担も大きい乳がんとなります。
花咲乳がんの症状
花咲乳がんの初期段階では、通常の乳がんと同様に、しこりが発生しても痛みを伴うことは稀です。
しかし、進行することでしこりが大きくなり、皮膚が硬くなったり赤く腫れたりします。
さらに症状が進行すると、皮膚に潰瘍ができ、出血や膿が生じます。
その他にも、潰瘍部分が細菌に感染することで悪臭を伴うこともあります。
この潰瘍部分の見た目から花咲乳がんと呼ばれます。
花咲乳がんのステージ（病期）
花咲乳がんは局所進行乳がんのため、ステージⅢA～ⅢCに分類され、かなり進行している状態となります。
また、がん性皮膚潰瘍が出現すると、遠隔転移をしていることも多く、その場合は最も進行しているステージⅣに分類されます。
遠隔転移をしているステージⅣまで進行すると、完治を目指すのが困難となります。
花咲乳がんの原因
花咲乳がんが発生する主な原因は、乳がんの治療を行わず、進行した状態で放置することといわれています。
乳がんは、初期段階ではしこりも小さく痛みも伴わないため、自覚症状が無く発見が遅れることがあります。
治療が遅れてしまうと、がん細胞が皮膚にまで浸潤し潰瘍が出来てしまいます。
花咲乳がんの治療
治療法は、がんの進行状況や性質、患者様の希望や生活環境、年齢などを考慮して適した治療法を選択します。
薬物療法
花咲乳がんは、他の臓器へ遠隔転移していることが多いため、初期治療として薬物療法が検討されることが多いです。
内分泌治療や抗がん剤治療によって、全身の治療と共に乳房の腫瘍についても縮小を図ります。
手術
再発・転移によって、遠隔転移を伴わず皮膚への転移のみの場合、手術を行うこともあります。
がん細胞が広範囲に皮膚や乳房を浸潤している場合、乳房切除術が選択されます。
手術によって腫瘍を切除することで、症状の緩和や他の治療法の効果を高めることが期待されます。
術後は、再発リスクを低減させるために、放射線療法や化学療法を行うことが一般的です。
放射線療法
放射線療法は、他の治療法と組み合わせて使用され、集学的治療によって治療効果を高めるための重要な手段です。
がん細胞が皮膚や周囲の組織に広がっている場合、腫瘍の縮小や症状の緩和を目的として使用されます。
手術が困難な場合や化学療法と併用する場合にも有効な治療法です。
光免疫療法の可能性
光免疫療法とは、特定の薬剤と光を組み合わせてがん細胞を攻撃する治療法です。
この治療法は、薬剤を体内に投与した後、特定の波長の光を照射することで、がん細胞を特定して破壊することができます。
光免疫療法は、他の治療法と比べて副作用が少ない利点があります。
花咲乳がんに対しても、光免疫療法が有効な治療法の一つとなる可能性があります。
標準治療と組み合わせることで相乗効果も期待できるため、光免疫療法についても検討の余地があるかもしれません。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
花咲乳がんの予後
花咲乳がんは進行がんのため、予後は厳しいことが多いです。
特に、遠隔転移をしているステージⅣでは、他の臓器への転移があるため治癒が困難となります。
しかし、化学療法を中心として手術や放射線療法を組み合わせることで、進行を抑え、症状の緩和を目指すことができます。
そのため、患者様の生活の質（QOL）を向上も期待されます。
緩和ケアによって精神的なサポートも必要不可欠となります。
まとめ
花咲乳がんは、皮膚に潰瘍ができ、出血や膿などが生じたり悪臭が伴うこともあります。
また、見た目の変化から患者様の精神的な辛さも生じます。
進行が早く、他の臓器への転移もしやすい性質があるため、早期発見と適切な治療が重要となります。
花咲乳がんの治療法としては、薬物療法・手術・放射線療法などが挙げられます。
また、光免疫療法についても、標準治療と組み合わせることで相乗効果が期待できます。
他の治療法と比べて副作用も少ないため、体の負担を軽減されたい患者様に対しても有効な選択肢となる可能性があります。
【当該記事監修者】癌統括医師 小林賢次
がん治療をお考えの患者様やご家族、知人の方々へ癌に関する情報を掲載しております。
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