甲状腺がんの肺転移(ステージ4 )に関する治療の選択肢

甲状腺がん(ステージ4)肺転移とは

ステージ4は、がんが遠隔臓器に転移した状態であり、肺転移はその代表的な転移先のひとつです。
肺に転移した場合でも症状が出ないこともありますが、咳や息切れ、胸部不快感などが現れる場合もあります。
進行した状態で発見された場合は、根治を目指すよりも病状の進行を抑えながら、生活の質を維持するという視点も重要になります。

甲状腺がん肺転移に対する治療選択肢

肺転移がある場合の治療は、がんの種類や全身状態、既存の治療歴などにより大きく変わります。
甲状腺がんの中でも乳頭がんや濾胞がんは分化型と呼ばれ、放射性ヨウ素を取り込みやすい性質を持っています。
一方で、未分化がんや低分化がんは進行が早く、放射性ヨウ素が効きにくい傾向があります。
以下に代表的な治療法とその概要をまとめます。

治療法 概要
手術(甲状腺全摘出) がんの進行状況に応じて甲状腺を全て摘出することで、再発や残存の評価がしやすくなります。
放射性ヨウ素内用療法 分化型甲状腺がんに対して、がん細胞の性質を利用し、ヨウ素を取り込ませ内部から攻撃します。
分子標的薬 放射性ヨウ素が効かない場合や、再発を繰り返す場合に用いられます。副作用の管理も重要です。
外部放射線治療 局所の症状緩和やコントロール目的で行われることがあります。
緩和ケア 病状のコントロールと生活の質の維持を目的とし、身体的・精神的な支援を行います。

治療が難しい場合の考え方と生活の質

肺転移のある甲状腺がんでは、すべての治療が有効とは限りません。
特に、放射性ヨウ素の取り込みが悪い場合や、分子標的薬の副作用が強く出る場合には、患者様の体力や希望をふまえて治療の選択を行う必要があります。
治療の目的は「がんを完全に消す」だけでなく、「進行を抑えつつ生活の質を保つ」ことにある場合もあります。
そのため、体調の変化を見ながら柔軟な方針の変更が必要になることがあります。
患者様ご自身がどのように過ごしたいかという意思を尊重し、医療側と相談しながら治療方針を決めていくことが大切です。

選択肢としての光免疫療法

一部の医療機関では、選択肢として光免疫療法が検討される場合もあります。
光免疫療法は、がん細胞に集まりやすい薬剤を使い、その薬剤に特定の波長の光を照射することで、がん細胞を狙ってダメージを与える治療法です。
周囲の正常細胞への影響をできるだけ抑え、がん細胞に選択的に作用することを目的としています。
ただし、すべての患者様に適応されるわけではなく、対応している医療機関も限られているため、詳細は医師とよく相談することが推奨されます。
以下より当院の光免疫療法に関する情報をご確認いただけます。

まとめ

甲状腺がんが肺に転移した場合でも、がんの性質や患者様の状態によっては、放射性ヨウ素療法や分子標的薬など、さまざまな治療選択肢が考えられます。
すべての治療が常に最適というわけではなく、「身体への負担」や「生活の質」といった観点も含めて、ご自身やご家族と相談しながら治療を選んでいくことが重要です。
治療に迷われた際には、複数の医療機関で意見を聞くことや、患者支援窓口を活用することで、納得のいく選択につながることがあります。

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